「嘘も百回言えば真実になる」のはなぜか?

■「社会主義現代化強国」=「情報統制独裁国」

 第19回中国共産党大会において、習近平氏は2050年までに「社会主義現代化強国の建設を目指す」と語った。中国は文化統制を強化する姿勢も強めており、ネットの検索規制も強化している。中国ではグーグルだけでなくヤフーの検索も利用できなくなったことも大きな問題になっており、情報統制がこれまでになく強化される国になっていくということなのかもしれない。

 人間が正しさを認識するためには、考え方(思想)の両極端を知る必要がある。極右を知り、極左を知れば、その中間が分かる。しかし、その両極端を知ることができなければ、人は何が正しくて何が間違っているのかということを判断できなくなる。
 それが真実であることは現在の北朝鮮や、かつてのオウムのようなカルト教を観ればよく解る。僅かな範囲の情報や思想しか知ることができない人々は、ものの見事に洗脳されてしまう。何が正しいか、何が間違っているのかが分からない環境下に置かれているからである。

■「朱に交われば赤くなる」原理

 では日本はどうだろう。戦後のGHQの洗脳プログラムによって、右側の思想をシャットアウトされ、左側の思想ばかりが伝播された戦後の日本も、やはり同じように何が正しくて、何が間違っているのかが分かりづらい国になってしまったと言える。
 戦後の新聞やテレビは総じて左側だったので、インターネットの無い時代は、一部の読書家でしか右側の保守的な思想に触れることができなかった。
 左側の思想という限られた範囲内で、正しさを判断しなければならないので、どちらに転んでも、左側が正しいということになってしまう。保守は存在せず、リベラルと左翼のどちらが正しいか?という狭い範囲で善悪を判断しなければならない場合、どちらも正しくない場合でもリベラルが正しいということになってしまう。

 人は、たとえ興味が無いことであっても、繰り返し聞かされることにより、自然と覚えてしまうという特性を持っている。例えば、興味のないアーティストの音楽であっても、毎日観ているテレビ番組のバックグラウンドミュージックで流れていれば、その曲を自然と覚えてしまい、自然と口ずさみ、興味を持つに至ることがある。これなども、一種の洗脳の原理が機能している証拠であり、潜在意識に繰り返し同じ曲や言葉が刷り込まれると、気付かないうちに、その曲や言葉が、自分の思想の一部になってしまうことがある。

 「嘘も百回言えば真実になる」という言葉の通り、当初は、たとえフェイクニュースであると分かっていたとしても、何度も何度もフェイクニュースが流され、それを聞いているうちに、知らず知らずのうちに、そのフェイクニュースの影響を受けることになる。「虎穴に入らずんば虎児を得ず」と言うが、しっかりとした善悪観を持っている人でないと、「ミイラ取りがミイラになる」や「朱に交われば赤くなる」ということになってしまう。

■「情報の解放」が「情報を濾過」する役目を果たす

 卑近な例で言えば、悲観的な言葉ばかりを使用する両親に育てられた子供は、自然と悲観的な言葉が心にインプットされ、悲観的な人間に成長してしまうことがある。間違ったことばかり言っている両親であっても、これは同じであり、「日本は悪い国だった」という戦後教育もこれに準じている。

 真実の情報を流さずに嘘の情報ばかりが流れるメディアというものは、ある意味、汚染された水を海に流す工場のようなものであり、その汚染された海から得た情報は人間の精神性を破壊する毒にも成り得る。そういった毒水を飲み過ぎて思想的な病を発症した人々は、今度は自ら毒水をまき散らし、無意識的に社会を蝕んでいく手伝いをすることになる。

 「情報統制」とは、工場から流れる汚染水を取り締まることなく、流し続けるようなものだと言える。つまり、「情報の統制」とは、裏を返せば「汚染水の解放」に他ならないのである。「汚染水」を規制したくば、「情報の解放」を行い「情報を濾過」しなければならない。
 「情報の濾過」こそが嘘情報から身を守り、正しい社会を築くための処方箋になると考えれば、中国の行っていることは真逆の政策ということになる。


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