自動車輸入関税は25%に向かうか?

■「25%」という心理トリック

 トランプ政権が自国アメリカへの輸入車に25%もの関税を課す可能性があることが不安視され、その影響を受けてか、日本の株式市場も冴えない展開が続いている。

 現在2.5%の自動車輸入関税がいきなり10倍の25%にまで跳ね上がれば、確かに輸出企業にとっては大打撃になる可能性がある。しかし、おそらくこの問題は、現実的に考えれば、十中八九、杞憂に終わるのではないかと思われる。
 トランプ氏の10倍思考というのは有名な話であり、ギャラでも10倍の値段を吹っかけることによって、本来の値段以上の実利を手にしてきたのがトランプ氏の手法だ。

 例えば、「2.5%の自動車輸入関税を5%にする」と言えば、いきなり関税が2倍に上がるわけだから、皆、一様に「2倍も上げるなんて酷い」と思うだろう。しかし、「2.5%の自動車輸入関税を25%にする」などと言えば、皆、揃って絶句する。
 その後、「やっぱり5%で手を打とう」となると、皆、こぞって喜ぶだろう。「5%で助かった…」と。

 元々、「5%は無茶だ」と思っているような人が、なぜか「5%で助かった…」と安堵の息を漏らす。まさにトランプ流ビジネスにおける真骨頂…否、単なる数字トリックだ。人々の錯覚を上手く利用し、不可能を可能にする心理トリックとも言える。

 しかし、こんな単純な心理トリックにコロッと引っ掛かるのが、悲しいかな、多くの日本人の残念な特徴でもある。

■新相場格言「落ちてくるナイフは1度につかむな」

 「25%」という非現実的な言葉に踊らされて、現実に株を投げ売りして大損する人がいる一方で、その隙に乗じて株を安値でコツコツ拾っている人がいる。まさに対称的な光景だ。
 株式市場の低迷時における毎度のいつか観た光景とも言えるが、どちらが投資家に向いているかは考えるまでもないだろう。

 株式相場の格言に「落ちてくるナイフはつかむな」というものがある。要するに「株は底値を見極めてから買うべき」ということを意味しているが、底値なんて誰にも分からない。
 無論、落ちてくるナイフ選びが重要であることは言うまでもないが、落ちてくる無数のナイフを一度に掴もうとするから怪我をする。余裕を持って落ちてくるナイフを1本づつ掴むことができれば、危険度は大きく低下していく。ゆえに正確に言うなら、次のようになる。

 「落ちてくるナイフは1度につかむな

 なお、毎度のことながら、株式投資は自己責任でお願いします。


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