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持ち家と賃貸はどちらかお得か?

 日銀の総量規制を皮きりにバブルが崩壊してから、日本の地価は暴落した。その後15年経過した現代にあっても地価が下げ止まったという楽観論はなかなか聞かれない。当時、住宅を購入した人達の中には、破産宣告をする人も多いと聞く。
 そんな中、都心だけでなく、郊外においてもマンション建築ラッシュが続いている。住宅販売業者からの売り文句(殺し文句)は、

 1、「月々の支払いが、賃貸よりも安い料金で持ち家が買える」
 2、「住宅ローンを借りるのは、史上最低金利の今をおいて他にない」
ということらしい。

 月々の支払いが賃貸よりも安いことについては、確かにその通りだろう。頭金の金額にもよるが、実際に、月々5万円以下の支払いで持ち家が買えるのなら、賃貸で家賃を払い続ける意味はないかに思える。しかしそれは本当だろうか? なにか大きなことを見失っていないだろうか?

 まず、持ち家は“住宅資産”と成り得るか?ということを考えると、バブル崩壊以前は確かに資産と言えた。大部分の国民が“買えば必ず上がる”という認識を持っていたので、我先にと住宅を購入した。必ず上がる株式を購入するのと同じ感覚で、誰もが土地売買に狂奔した。
 しかし現代においては、土地(不動産)はその名の通り『不動資産』、つまり動かせない資産(=流動性のない資産)となってしまった。売りたい人がいても買いたい人がいないので、需要と供給のバランスから土地の値段は必然的に下がっていくことになる。
 都心のように利用価値のある土地は、需要が高いために土地の値段が上がるという逆転現象も起こるが、そのことをもって、地価が下げ止まったと思うのはあまりにも早計だと思える。

 加えて現在の日本は、未曾有の少子高齢化社会だ。人口が大幅に減少していく時代では、土地も住宅も余ることが目に見えている。需要が減っていくことが目に見えているのに、なぜ供給だけが増え続けているのだろうか?
 その答えをここで述べるつもりはないが、1つだけ確かなことは、いくら月々の住宅ローンの支払いが安いとはいえ、35年ローンで住宅を購入した場合、35年先までその料金は固定されるということだ。
 現在、月々5万円で安いと思っていても、地価がさらに下がれば10年後には月々3万円、20年後には月々2万円、30年後には月々1万円のローンで購入することができるかもしれない。しかし一度購入した人は、ローンが終了するまで月々5万円を支払い続けなければならない。いくら現在の金利が安くても、将来的に住宅の値段が下がっていく(=支払いが安くなる)のなら意味が無いということも考える必要がある。

 結局、現在の地価が歴史的にどの辺りにあるのかという判断が住宅購入の決め手となる。現在の価格が安いと思うのなら売買契約を結んで購入すればいい。しかしその契約は自己責任の上に成り立っていることを忘れてはならない。下がって損をしたと思っても、それは自分自身の判断ミスであって、他の誰かが悪いというわけではない。時代が悪いのではなく、時代を読むことができなかった自分が悪いということでしかない。

 ただ、住宅には“資産”としての価値以外に“住居”としての価値もある。その家に住むことに大いなる価値があると思うのなら購入すればいいし、そのことを否定はしない。
 お金が有り余っているので新しい住居に住んで快適感を得たいという人であれば、資産価値が下がってもそれほどダメージもないだろう。しかし、充分なお金のない人がローンを組んで毎月固定料金を支払っていくことにはリスクがあることは事実だ。不確定な未来に投資する覚悟がないのなら、持ち家と賃貸のどちらを選択するかは、よくよく考えた上で決断した方が良いと思われる。

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