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年金制度の抜本的方策とは?

 少子高齢化が大きな問題になっている日本では、この先、年金がまともにもらえなくなるのではないか?という不安感を持っている人がたくさんいる。そしてその年金問題の抜本的な方策を政治家に求めている向きは多いが、一向に抜本的な方策が出てくる気配がない。なぜか? 不可能に近いことだからだ。
 元々、現在の年金制度は、高度経済成長と人口増加を前提としているので、その前提が失われてしまえば即時、運用不可能となる制度だからだ。

 日本経済は、既に成熟期に入っていると考えるのが正解だろうし、経済が成熟期に入った国の人口は増えないというのは、お決まりのパターンと言える。
 夫婦2人が2人以上の子供を産まない限り人口が増えることはない。非婚者の増加も考慮すれば2人でも足りないだろう。現在、2人以上の子供を持つ人が減っているのは誰の目にも明らかだ。ではなぜ減っているのかといえば、その何割かは経済的な事情と言えるだろう。
 土地資産が騰がることが常識で、終身雇用も年功序列も当然、そして子供の数が3人以上が当たり前だった時代に生まれた制度を現代に当てはめるとどうなるか? 答えは考えるまでもないだろう。

 国民年金の場合、社会保険庁の解体、民営化という案も出されてはいるが、民営化したところで何の解決にもならない。役人の無駄遣いが減少しても、人件費の削減をしても、根本的な解決にはならないことはよく考えれば解ることだ。それに年金は積立制ではなく賦課制なのだから、無駄遣いした昔の余剰年金を現在にもってこれる訳でもない。役人の無駄遣いは制度上の欠陥であったというだけのことであり、無駄遣いしなかったからといって、現在の年金が潤おう制度にはなっていないのである。
 根本的な解決策は、人口の減少に歯止めをかけることしかないのだから、社会保険庁をどうこうしたところで、人口が増加するわけではない。

 人口を増加させるには、移民を受け入れるしかないという意見もあるが、これもあまり現実的とは思えない。現在でも鎖国に近い状態の日本が、簡単に移民を受け入れるとは思えないし、移民を受け入れることによって、人口問題よりも逆に移民問題の方ががクローズアップされる可能性も否定できない。もっとも、現状維持しか頭にない日本の官僚と、問題の先送りしか頭にない日本の政治家が全面的に移民を受け入れるなどということは(餓死寸前にでもならない限り)有り得ないと考えた方がいい。

 ではどうすればいいのか? 残念ながらどうすることもできない、万策尽きたというのがその解答かもしれない。要するに年金制度が破綻しているにも関わらず、年金制度を続けていこうとするところに問題があるのだ。年金制度に代わる方策を考えた方が良いということだ。
 そう考えると、厳しい方策を採るしかないかもしれない。年金という他人依存の制度から、なんらかの自己責任制度に変更せざるを得ないのかもしれない。
 今の日本にそんな方向転換ができる政治家がいるのかどうかは疑わしい限りだが、過去の価値秩序を良い意味で破壊することのできる政治家が現れない限り、年金問題は解決できないと考えた方がいいだろう。仮にそんな有能な政治家が現れたとしても、既得権益を手放そうとしない抵抗勢力(官僚)に邪魔されることが予想される。官僚が実権を握っているというお国の事情からも年金問題の解決は至難の業とも言える。

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