« 日本の中にある2つの国家 | トップページ | 保険金の不払い問題の核心とは? »

選挙活動における理想と現実

 世間では統一地方選挙の選挙活動が行われている。
 毎度のことながら朝の駅前演説に始まり、昼は選挙宣伝カーが走り回り、夜は各地の選挙事務所等で集会が行われている。いかにも精力的な活動が展開されているように見受けられるが、一体あのエネルギーはどこから湧いてくるのか不思議に思う時がある。
 社会をより良くしたいという願望が根っこにあるのなら、立派な活動だと言えるだろうが、果たして全ての立候補者はそんな理想を描いているのだろうか? 仮に描いているのだとしても、その理想が実現可能なことなのかどうかを理解した上で選挙に臨んでいるのだろうか?

 まず、よく聞かれることは、次の2点だ。
 『税金の無駄遣いをストップさせて、税金を安くする』
 『社会福祉を充実させて、弱者に優しい政治を行う』

 はっきりと言うと、この2つの政策は矛盾しており、両方が成立することは基本的には有り得ない。
 税金を安くすれば、社会福祉は貧弱にならざるを得ないし、逆に社会福祉を充実させるためには、税金は高くならざるを得ない。これは当たり前の理屈であって、よく考えれば誰にでも解ることだと思う。
 政治家が行うことは、単純に言ってしまえば、国民から税金を徴収し、その税金を分配することだけだ。入ってくるお金と出ていくお金を管理するだけ。入ってくるお金を減らせば、出ていくお金も増えることはない。具体的に言えば、税収が減った状態で、福祉を増やしてしまえば、国の借金が増えるだけだ。

 政治家が国の借金を増やさずにできることは、次のどちらか一方だけだ。
 『税金を安くするが、社会福祉も減少させる』
 『税金を高くするが、社会福祉も増加させる』

 結局のところ、どちらか一方を捨てざるを得ないのである。二兎を追う者は一兎も得ずという諺があるが、現在の日本の政治はまさにこの状態にあると言っても過言ではないだろう。二兎を追うがゆえに国の借金は雪だるま式に増えていかざるを得ない。
 「減税も福祉も実現しましょう」などと言っている政治家がいるのなら、それは現実を理解せずに理想論に酔っているただのペテン師だと言われても仕方がない。
 「税金を安くして、社会福祉も減少させましょう」
 「税金を高くして、社会福祉も増加させましょう」
と言って選挙活動を行っている人が何人いるだろうか? 「そんなことを言えば、誰も投票してくれない」と嘆く立候補者が出てくるかもしれない。
 しかし、政治的に実現可能なことを掲げるのが、政治家の仕事だ。実現不可能な政策を掲げ、国民に幻想を抱かせるのが政治家の仕事ではないはずだ。選挙活動の目的も、国民に夢を見せることではなく、現実を見せることを目的とするべきだ。

 それが如何に厳しい現実であろうと、その現実を受け入れて、一人一人がその現実に立ち向かってこそ、国も政治も良くなるのである。 現実から逃避させて、全てを国に任せる集り(たかり)のような人達を増やすことはいい加減に止めた方がいいかもしれない。

|

« 日本の中にある2つの国家 | トップページ | 保険金の不払い問題の核心とは? »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/14591282

この記事へのトラックバック一覧です: 選挙活動における理想と現実:

» 社会福祉とよく言いますが [ 福祉住環境コーディネーター キーワード解説 ]
福祉住環境コーディネーター試験に出題されるキーワードの解説をしていきます。福祉保険、身体医療、建築、福祉用具の部門別に用語の説明を記載していきます。 勉強の復習に息抜きに訪問して頂けると幸いです。 [続きを読む]

受信: 2007年4月 8日 (日) 00時16分

» 5000円分の情報価値が無ければ「返金保証」!お金持ちになりたい人のためのマニュアルです!! [お役立ち?情報商材の紹介所]
読んでて、ワクワクする~ 『お金のバイブル』 を発見しました!【お金持ちになりたい人のための 手取り収入最大化マニュアル 2007】「家」「高級外車」「旅行」「生命保険」「その他欲しいモノ」といった人生の買い物を自分の懐からではなく、事業の経費として買う具体的な方法が載っています。特典2のマニュアルを入れると全部で127ページあるんですが、『手取り収入の早見表』がある、最初の12ページあたりで「もう、これだけで購入価格以上の価値がある!」 と感激してしまいました。だって、気難...... [続きを読む]

受信: 2007年4月11日 (水) 21時30分

« 日本の中にある2つの国家 | トップページ | 保険金の不払い問題の核心とは? »