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選挙合戦と受験戦争の類似性

 今月29日(2007/7/29)に予定されている参議院選挙では、与党の苦戦が予想されている。
 私は基本的にノンポリの立場(支持できる政党がないため)なので、結果はどうなろうと別に構わないが、社会保険庁の大失態事件諸々が与党に与える影響が大きいことは予想に難くないだろう。

 選挙前ということもあり、野党の与党批判がいつになく激しくなっているが、社会保険庁問題は単なる政争の具となってしまっている感は否めない。
 自民党の場合、「社会保険庁の年金問題は必ず解決する」というスローガンを立てているようだが、これがスローガンとは笑い話と言える。これは喩えて言うなら、牛肉偽装のミートホープ社が、「食の安全は必ず守る」と言っているのとほとんど変わらない。悪い結果がでてから努力するようなことは誰にでもできる。そんなスローガンなどは何の意味も持たないことに多くの国民は気が付いている。もっとも、年金問題を自民党のせいにだけするというのも可笑しな話ではあるが。
 民主党にしても、目的は自民党に勝つことだけで、肝心の政治政策については二の次のように見受けられる。他の野党は言うに及ばず、相も変わらず政敵の揚げ足取りだけに夢中になっているようにしか見えない。

 現在行われている選挙合戦は、まるで、受験戦争の如くだ。選挙に勝利することが、恰も大学受験に成功することであるかのような感じになってしまっている。
 日本の受験戦争は、大学に入学することで一応の終止符が打たれ、そこから先はほとんど進歩がないと言われている。大学に入ること自体が目的となっており、大学で学問を学ぶという本来の目的は二の次になってしまっていることを表わしているが、選挙合戦もこれと似たような感じになってしまっているように思われる。
 しかし、学生が受験戦争だけで燃え尽きるのは許されるとしても、政治家が学生と同じように選挙合戦だけで燃え尽きてもらっては困る。

 現代の国民にとって良い政治とは何だろうか? この問いに政治家達はなんと答えるのだろうか? おそらく抽象的な答え(例えば、美しい国、住みやすい国、格差のない国など)しか返ってこないだろう。
 なぜなら、現代の国民にとって良い政治とは、政治家の仕事を限りなく少なくすることだと言えるからだ。一般的には、「小さな政府」と呼ばれているが、現代の政治家はその存在自体が一種の自己矛盾を抱えている。政治を良くするためには、自分達の仕事を減らさなければならないという矛盾を抱えてしまっている。
 グローバル化した経済下では、政治家という職業は最大の斜陽産業でもある。国という単位がハッキリとしている時代には政治家の役割は重要だったのかもしれないが、国という単位が希薄になってしまっては、政治家の仕事は減少せざるを得ない。

 もちろん、政治家に仕事をするなと言っているのではない。現代の政治家の仕事は政治に力を入れることではなく、どうすれば自分達政治家の仕事を減少させることができるのかを考えることだと言っている。それが現代の政治家にとって、最大にして最高の仕事だとも言える。これを実行することは非常に難しい。しかし難しいからこそ、有能な政治家の仕事だとも言える。
 このパラドックスを理解して受け入れ、本当に行使できる政治家が何人いるのかは実に疑わしいところだが、あなたの周りにそういう政治家がいるのなら、投票するに値する人物だと言える。

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