« ゼロ金利政策から生まれた慈善家達 | トップページ | 映画『それでもボクはやってない』 »

映画鑑賞料金の現状と改善提案

 最近では、昔ながらの窮屈(長時間座っていると腰やお尻が痛くなる)な映画館はすっかり鳴りを潜め、現在では大型のシネマコンプレックス形式(同時に複数の映画上映を行っている)の映画館が流行(?)している。

 これらの映画館は、待ち合いロビーや売店もトイレも広く、座席シートもゆったりとしており、左右に肘掛けもあり缶ジュースなども置けるようになっている。そして前に座った人の頭が邪魔で映画がよく見えないという従来の映画館の最大の難点も設計上かなり克服されている。そしてネットを介して事前に予約することもできるので、満席で観れない(または立ち観する)ということも防げるようになった。

 このように、必ず座れて、座っていてもストレスを感じることなく映画を観ることができるようになったことは、映画鑑賞者という消費者の視点に立って付加価値を付けたという意味では大いに評価できる。
 しかし、映画館がそんなに便利に改善されたとはいえ、映画館へ足を運ぶ人が減少傾向にあることは周知の事実だ。
 ではそれはなぜだろうか? 単に不景気だからか? 少子高齢化で映画鑑賞人口が減少したからか? それとも映画の質が低下したからか? 上映映画のDVDレンタル化が昔よりも早くなった(またはDVDソフトが安価になった)からか? いや、むしろそういった周りの環境の変化というよりも、映画館自体にもまだ改善すべき問題が残っているのではないだろうか? ではそれは一体何だろうか?

 映画館というハードは時代とともに変化したが、消費者が望んでいることは、主として2つある。それは“映画をストレスなく楽しむこと”と、“映画をより安価に楽しむこと”である。前者のストレスなく鑑賞することは改善されたと言えるが、後者の安価で鑑賞するということは依然として改善されていない。この部分がネックとなっているのではないだろうか? つまり、映画鑑賞料金の見直しである。

 現在の映画鑑賞には、通常、大人1人1800円が必要になる。(前売り券を購入した場合や、映画の日などの特別料金は考えないものとする)
 カップルなどが2人で映画を観るとなると、割引きがあっても2人で3000円以上の料金が必要になる。現在のデフレ経済下で、この料金はお世辞にも安いとは言えない。(どんな映画であっても一律料金というのも可笑しな話ではあるが)

 映画館サイドからは、「ただでさえお客が減っているのにこれ以上、料金を安くすると映画館自体の経営が成り立たない」という意見もあるかもしれない。しかし鑑賞する人数が2倍になれば、たとえ料金が1000円であっても以下のように売上はアップする。

 1800円で100人のお客が入れば、18万円の売上になる。
 1000円で200人のお客が入れば、20万円の売上になる。

 売店での売上等もアップすると考えられるので、実際は1.5倍の150人でも18万円の売上なら達成される可能性がある。これは一種の賭けかもしれないが、試験的に試してみる価値はあるかもしれない。

 もう1つ、見逃すことができないのが、映画の違法コピーという問題だ。上映中の映画(上映前の映画も)がDVDで1枚1000円程度で違法に売られていることがある。なぜこんな違法犯罪が横行し、繁盛するのかと言えば、結局のところ、映画鑑賞料金が高過ぎるというのも1つの遠因になっていると思う。
 消費者が求めている料金と提供者が設定している料金に大きな差が生じる場合、その差(=スキマ)を埋める商売が必ず生まれる。それは本来であれば、適法として出現することが望まれるが、映画に関しては違法業者が先にそのスキマを埋めることを発見してしまった。誤解を恐れずに言えば、彼ら自身は違法を行っている犯罪者であることに違いはないが、違法行為であることを除けば市場原理に則った商売を行っているとも言える。
 映画業界保護のためにも著作権保護のためにも、違法コピーは全廃にすべきだという指摘はもっともではあるが、そもそも違法コピーが流行する背景にはどのような理由があるのかということも考える必要があるのではないだろうか?

 映画館には、違法コピーには絶対に真似のできない長所がある。違法コピーは安いといっても、映画館で観る映画とは迫力が違う。そして映画館には誰にも邪魔されることなく映画に没頭することができる空間がある。
 しかし、その長所を最大限に活用するためには、価格面でも見直しが必要だということを、皮肉なことに違法コピー業者が教えているのかもしれない。
映画鑑賞料金が違法コピーと同じ位の料金であれば、映画館で観ることを選ぶ人は多いはずだと。
 「今はネットで違法コピー映画を無料で入手することができる」と言う人がいるかもしれないが、その場合であっても映画館の長所が失われるわけではない。1000円なら映画館で観てもよいという人は、増えることがあっても減ることはない。

 ただ、映画館と違法業者の安値競争というイタチごっこに発展してもらっては困る。その結果、映画鑑賞料金が500円以下などということになると、今度は、レンタルビデオ店が困ることになる。映画鑑賞料金とレンタル料金が同じであれば、映画を観る人が増えても、レンタルする人が減少してしまうかもしれない。その場合、レンタル料金を下げろという意見が出てくるかもしれないが、それは市場原理に則っているわけではない。なぜなら、違法業者というものは、違法コピーという名が示す通り、コストがほとんどかからない。彼らは商売としては市場原理に則ってはいるが、コスト面では市場原理外にあるからである。彼らと競争しても勝ち目はないし、競争し続けることは市場原理の破壊になってしまう。

 ゆえに、消費者(映画鑑賞者)サイドにもある程度の譲歩は必要だ。映画鑑賞料金が1000円になれば、違法コピーには手を出さずに映画館に観に行くという暗黙の了解があってもいい。それくらいの倫理観を持った人が増えないと、映画館も映画鑑賞料金を下げるというリスクは冒せないし、違法コピーも無くならない。
 提供者と消費者が譲歩し合うことで、生活環境はより改善されるということを証明してもらいたいものだ。

(追記)
 上記はあくまでも現状での私見であり、絶対にそうしなければならないというような融通の利かないガチガチの話をしているのではありません。
 「そんなのは理想論だ」「机上の空論だ」と言われれば、それで終わりであり、何の進歩もありません。反論や批判は大いに結構ですが、他人の書いた文章に対して反論するのであれば、反論だけでなく、納得のいく前向きな持論(自論)を展開してくれることを願います。

後日談【映画鑑賞料金の改善提案】を追加(2007.9.12)

|

« ゼロ金利政策から生まれた慈善家達 | トップページ | 映画『それでもボクはやってない』 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/16243910

この記事へのトラックバック一覧です: 映画鑑賞料金の現状と改善提案:

» 景気 [色んな情報]
景気に関する最新情報です。 [続きを読む]

受信: 2007年8月26日 (日) 16時58分

» 景気 [何でも情報通]
景気に関する最新情報です。 [続きを読む]

受信: 2007年8月26日 (日) 18時57分

« ゼロ金利政策から生まれた慈善家達 | トップページ | 映画『それでもボクはやってない』 »