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映画『バブルへGO!!』とバブル崩壊の論理

 ホイチョイ・プロダクションズ製作の映画『バブルへGO!!』を観てみた。
 さすがに『気まぐれコンセプト』のホイチョイ・プロらしく、細部までこだわった演出がなされており、バブル時代を上手く表現している映画だったと言える。
 まず初めにお断りしておくと、この映画を批判するつもりは毛頭ない。映画としてはよく出来ている。しかし、少しバブルに対しての誤解を招く恐れがあると思われたので、補足だけを述べておきたい。詳しく言えば、“バブル”における認識ではなく、“バブル崩壊”における認識である。

 この物語のメインテーマは、バブル時代へタイムスリップして、当時の大蔵省が行った不動産融資規制(=総量規制)を中止することが目的になっている。
 “不動産融資規制を中止させれば、バブルの崩壊を防ぐことができた”という認識を国民が持つことは正しいか?というと、正しくもあり正しくもない。50%は正解だが50%は間違いだと言える。50%は真実なので、全く持たないよりはましだが、どうせなら、100%の正しい認識を持った方がよいと思うので、以下に述べる。

 正しくは、
 「不動産融資規制を中止させれば、バブル崩壊を防ぐことができた」
 のではなく、
 「不動産融資規制を中止させれば、バブル崩壊をソフトランディングすることができた」
 とするのが正確な認識である。

 もっとも、映画の後半では、阿部 寛扮する役人の台詞の中に「どのみち、現在の景気はいつまでも続かない」という部分があったので、製作者も上記のことは重々承知の上で敢えてエンターテインメントのストーリーを組み立てたのだろうと思う。

 そして失われた10年と言われる日本の不況は、バブルの崩壊が原因ではない。
 不動産融資規制を行わなければ、バブルが一気に弾けることはなかっただろうが、それでも徐々にバブルが萎んでいったことは間違いがない。その場合は数年かけてバブルが萎んでいくことになったと思われるので、バブルという言葉自体が生まれなかったかもしれない。(当然、この映画も生まれなかっただろう)
 不動産融資規制が実施されなければ、日本経済は徐々に不景気になっていったというだけの認識しか生まれなかったかもしれない。そういう意味では、不動産融資規制の実施は、日本経済に巨大な損失を生み出したことは否定できず、良い悪いに関係なく、役人の犯した罪は大きいと言える。

 また、総量規制が役人の自作自演だったということもよく言われることだが、この映画においてもフィクションの範疇でそれが描かれていた。その真偽の程はともかく、一般国民の預かり知らぬところで日本経済を動かす勢力があるのだとすれば、この先、どんな手を使って日本経済を浮上(?)させるのか興味が尽きない。ただ、経済を人為的に下降させることは割と楽にできるかもしれないが、経済を人為的に上昇させることは難しい。バブルという見せかけの好景気を演出することはできても、好景気を持続させることは難しい。そのことは1980年代のバブルで人々が学んだことなので、今度は見せかけは通用しないだろう。それに実質的な好景気の持続は、役人ではなく、国民が演出することが望ましい。この映画のラストに映った希望と活気に満ちた都市が現実の光景になってくれることを願いたい。

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