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BOOK『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』

 「官僚すべてを敵にした男」という異名を持つ高橋洋一氏の新書『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』を読んでみた。
 官僚を敵に回した人物というと、「官僚の天敵」という異名を持つ(?)大前研一氏が有名だが、この高橋洋一氏も大前氏と同様、理系出身らしく「中学生時代に大学生レベルの数学を理解できた」というくらい天才肌の人物らしい。あまり知られていないが、高橋氏は以前、現FRB議長バーナンキのもとで経済を学んでいたそうで、竹中平蔵氏とは知己の間柄なのだそうだ。
 
 高橋氏は「霞が関埋蔵金」の名付け親としても有名だが、この新書を読んでいると、タイトルの通り「お国の経済」(お国の内情)が良く理解できる。非常に頭の良い人のようで、難しい問題を論理的に面白おかしく語っている。これくらい頭の良い人だと、さすがの官僚達の詭弁も一切通用しないという感じで実に心地よい。そして日本という国が、いかに情報操作された国であるかということも嫌というほどに解ってしまう。
 日本は“議員内閣制”ではなく“官僚内閣制”であることはよく知られたことだが、そのことについても具体的な例をあげて述べられており、まるで官僚達による騙しのトリックの種明かしを聞いているようで興味深い。
 「マンデル・フレミング理論」や「国際金融システムのトリレンマ(固定相場制・独立した金融政策・自由な資本移動)」という日本では普段あまり聞かれない専門用語の説明(?)も解りやすく、ユーモアと皮肉を込めて述べられている。

 高橋氏は、日本は今後、地方分権の時代になると述べている。
 以前から道州制を勧めている識者は多く、先に登場した大前研一氏やPHP総合研究所の江口克彦氏などが有名だが、逆に地方分権や道州制を誤解している一般人や有名人も多いと述べられている。中央集権を愛する官僚達は、当然のことながら「地方分権」という言葉が大嫌いであるということも…。

 おそらく、閉塞した日本国家の行く末を決定づけるキーワードこそ「地方分権」であり「道州制」であるのかもしれない。高橋氏はこうも述べている。「国家を信じるな」と。間違った地方分権論や、偏見に満ちた道州制反対論を鵜呑みにすることなく「正しい知識を身に付けましょう」と。

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