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携帯電話騒動に見る官製不況 

 政府の教育再生懇談会は、「小中学生が携帯電話を持たないようにする」ことを促しているそうだ。子供に対しての有害情報を遮断することを目的としており、必要無いと思われる場合は極力、携帯電話を持たせないようにと保護者などに協力を呼びかけている。
 この調子でいくと、そのうち本当に『15歳未満は携帯電話所持禁止』という法律が出来るかもしれないが、果たしてこれは正しい判断なのだろうか?
 
 まあ確かに、自ら携帯電話利用料金を稼ぐ手段を持たない小中学生が携帯電話を持つことには、反対意見の人は多いかもしれない。有害な携帯サイトに接することで、いろんな問題が発生する可能性もある。持てばリスクが発生するが、持たなければリスクは発生しない。「それなら安全な方を取るべきだ」というのが、事勿れ主義の日本政府の毎度の判断であるのだが、果たしてこれは正しい判断なのだろうか?

 多くの保護者達は、子供に携帯電話を持たせることに危うさを感じているそうで、実際に携帯電話を持たせないという親もいるらしい。しかし、子供は周囲の友人達が携帯電話を持っていれば、同じように携帯電話を欲しがることになる。好奇心旺盛な年頃では尚更だろう。好奇心旺盛だと言っても、子供達は別に初めから有害なサイトに興味があるわけではなく、ただ、携帯電話が欲しい、友人と電話がしたい、メールがしたいという純粋な動機があるだけだろう。
 
 誰でも解ることではあるが、問題は“小中学生が携帯電話を持つこと”にあるのではなく、“小中学生でも障害なく有害サイトに入れてしまうこと”にある。であるなら、対応策は“携帯電話を持たないようにすること”ではなく、“有害サイトに入れないようにすること”だけで事足りるはずだ。つまり、単純に“小中学生には有害サイトに入れない携帯電話を持たせるようにする”とすればいいのだ。
 メーカーに対しても、“小中学生に携帯電話を販売してはいけない”と言うのではなく、“有害サイトに入れない携帯電話を開発しなさい”とだけ言えばいいのである。(KIDS携帯、R15携帯、R18携帯などに分けるようにすればいい)
 それだけなら、経済に与える影響も軽微だろう。いや、むしろそうすることで、今まで携帯電話を持たせることに抵抗があった保護者達も子供に携帯電話を買い与えることになるかもしれないので、需要と消費が増加して景気が上向くかもしれない。

 ただでさえ少子化で、需要が自然減少していく時代にあって、小中学生が携帯電話を購入してはいけないというようなことになると、ますます需要が減少してしまう。言うなれば、これは少子化ならぬ無子化だ。携帯電話業界は、少子化問題が一気に無子化問題にまで発展してしまう。需要が伸びる伸びないではなく、いきなりゼロになってしまう。これでは経済を無視した失政と言わざるを得ない。
 はたして、この国のお役人達は、この国が消費不況の真っ只中にあることが解っているのだろうか? 国民のためだと言って、簡単に企業の供給と国民の消費を減退させてしまうことに何の罪深さも感じないのだろうか? 現在の日本の不況は官製不況とも言われているが、それが真実かどうかは今回のこの携帯電話騒動を見てもよく解る。なるほど、まさしく、日本は官製不況の真っ只中にあると言えそうだ。

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