『インターネット規制法案』の裏側
未成年者を有害サイトから守るという、有害インターネット情報規制法(有害サイト規制法)案が参院本会議で可決・成立したらしい。
この法案が可決したことで、インターネットユーザーを中心に次のような意見が囁かれている。
「未成年者の有害サイト規制は隠れ蓑で、実は、中国のように情報統制することが目的ではないか?」と。
これは、考えられないことではないかもしれない。中国などは、携帯電話の爆発的な普及によって、かつてのように国民を情報統制できなくなったということはよく聞かれる話だ。
ここで、「日本は中国のような全体主義国家ではないのだから、それは考え過ぎではないか?」と思う人がいるかもしれない。しかし、実際はそうとも言えない。
最近の中国からの留学生などは、「日本人の方が中国人よりも共産主義者っぽい」という感想を持っているらしく、日本の学生と付き合うと「共産主義を伝染される」というブラックジョークまで飛び交っているそうだ。
(参考文献)『日はまた昇る』ビル・エモット著
日本は建前上は資本主義国家ではあるが、その内実は、社会主義国家だということは広く知られたことであり、「知らないのは日本人だけ」というブラックジョークが世界中で囁かれていることも有名な話だ。
日本では公の場で正論を述べると、必ずどこかから邪魔が入ると言われている。なるほど、確かに世の正論者と思える人は、テレビには全くと言っていいほど登場しない。正論と呼べるようなものは、書物を通してか、インターネットを通してしか、なかなかお目にかかれない。書物だけであれば、読書家以外には正しい情報がなかなか伝わらないために、国もそれほど躍起にはならなかったのかもしれないが、昨今のブロードバンド環境によって、次々と誤った情報が暴露されるようになってしまった。社会保険庁の年金問題等はその最たるものかもしれない。国が有耶無耶にしようと思っても、インターネットという開かれた情報空間がそれを無効にしてしまうようになってきた。自由な言論の場が、眼に見えない仮想空間で構築されつつあることに畏怖する勢力があったとしても不思議なことではないかもしれない。
デジタル空間というものは、基本的に0と1という信号のみで成り立っている。しかし、それだけでなく、実は情報の中身までも真(1)と偽(0)に分けるという巨大な力を有していることに多くの人達が気が付いてきた。このことは、20世紀に生きた権力者達には、想像だにできなかったことだろうと思う。これはまさに情報を遮断され、束縛されて生きてきた人々にとっては「革命」と呼ぶに相応しい出来事であったとも言える。この無血革命によって、管理された国々というものは、必然的にオープンな社会に変化していかざるを得なくなる。
今後、世界はより開かれた社会(オープン・ソサエティ)を目指すだろうことは間違いないだろう。しかし、開かれた社会ではなく、閉ざされた社会でしか生きていく術を持たない(閉ざされた社会の方が都合がよい)既得権益者達は自ら抵抗勢力となって、社会のオープン化を阻もうとするに違いない。
『インターネット規制法案』はクローズドな社会を構築するための先鞭ではないか? その疑問が杞憂であることを祈ろう。
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