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『タスポ自販機』=『トロイの木馬』?

 タスポカードについて論じるのも今回で3回目となるが、1回目で述べた通り、コンビニのタバコ売上げが激増して、世間(マスコミ)では「タスポ特需」と呼ばれているそうだ。しかし、誰がネーミングしたのか知らないが、これは一般的な「特需」とは言えない。
 「特需」というのはその名の通り「特別な需要が発生する」ということであり、結果的に市場全体としてプラスになる場合のことを指す。今回のような、誰か(タバコ屋)が損をして誰か(コンビニ)が得をしただけでは、特需というよりも単なるゼロサムゲームだ。要するに、「タスポ特需」ではなく、ただの「タスポゲーム」だったわけだ。
 マスコミは格差を大きな問題とし、いつもは格差教の教祖の如く「格差!、格差!」と連呼しているわりには、タバコ業界に突如発生した格差は全く問題視しようとせず、逆に「特需だ!」と喜んでいるのだから、わけが分からない。
 
 高価なタスポ自販機を導入したことによって、売上げが激減してしまった一部のタバコ屋は、投資した資金も回収できずに廃業に追い込まれてしまったのだから、踏んだり蹴ったりのいい迷惑だろう。タバコ販売における売上げ格差を人為的に創っておいて、コンビニの売上げが激増したと喜んでいるのだから、甚だオメデタイと言うしかない。

 よく考えると、タスポ自販機というのは、現代の『トロイの木馬』※になってしまったとも言える。タバコ屋の味方と思われたタスポ自販機は、実はタバコ屋を壊滅させる危険性を秘めた『トロイの木馬』ならぬ『ジャパンの自販機』となってしまったわけだ。そのうち、そんな題名の小説か映画が出来るかもしれない。

※トロイの木馬…トロイ戦争で、ギリシャ軍がトロイ軍を欺き、攻略した故事から外見とは異なる物が送り込まれ、災いを招くたとえ。

 話は変わるが、タバコが1箱1000円になるかもしれないという話も飛び交っている。タバコを1箱1000円にすることで税収を上げ、消費税増税を回避するのが目的だそうだが、1箱1000円にすることで10兆円近い税収増が見込めるらしい。(ちなみに現在のタバコ税収は約2兆円)
 政府の試算では、3人に2人がタバコを止めると考えているらしく、その場合でも、3兆円の税収増が見込めると皮算用しているらしいが、その皮算用は“禁煙する人が減少しなければ”という条件しか考慮されておらず、“喫煙する本数が減少しなければ”という条件が入っていないので、おそらく実現不可能だろう。
 しかし、いくらインフレ傾向にあるとはいえ、物の値段がいきなり3倍になるというのはあまり現実味がないので、おそらく最高でも1.5倍程度に落ち着くのではないかと思う。(何十年もすれば本当に1000円になるかもしれないが…)
 
 健康のために、タバコの値段を上げることで禁煙者を増加させることが目的であれば、タバコの値段を上げることに賛成の人は結構多いとは思う。おそらく禁煙者はほとんど賛成だろうから、タバコの値段が今後も上がっていくことは避けられないだろう。
 日本では環境問題と健康問題を前面に出せば、大抵の法案はそのまま成立する可能性が高いため、喫煙者の抵抗は空しい抵抗に終わるかもしれない。しかし、その昔、アメリカで禁酒法という悪法が施行されたことも考える必要があるかもしれない。酒の製造・販売が禁止されたことで、酒の密造や犯罪が横行するという皮肉な結果になったことも歴史的な教訓(=反面教師)として考える必要があるかもしれない。
 
 先のタスポ問題についても言えることだが、タバコに関する法律の改正が、業者や消費者に与える影響をよく考えた上で決定されているとはとても思えない。政府もマスコミも「結果がどうなろうと知ったこっちゃない」という感じで、半ば開き直っている有り様だから心配になってしまう。罷り間違っても、禁酒法時代のような愚かな結果にならないことを願わずにはいられない。

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