« スタグフレーション国家『日本』 | トップページ | 若者がキレる構造と日本の社会構造 »

現代版「風が吹けば桶屋が儲かる」

 駐車違反取り締まりが強化されたことによって、都市圏の駐車場需要が増加した。これはほんの数ヶ月前まで変化なく続いていたことだ。そしてこういった状態が続いたことによって、「駐車場経営は儲かる」という摩訶不思議な空気が日本の都市圏を覆っていた。『規制の強化』という風が吹いたことによって、新たに駐車場経営に乗り出した(目敏い)人も少なからずいたはずだ。
 しかし、最近のガソリン高によって、不必要な車の運転をする人が激減したためか、駐車場の利用が減少傾向にあるらしい。
 
 私も先日、タイムズ駐車場を利用したが、料金が2割程下がっていた。 
 駐車場経営者は《駐車料金を下げれば駐車場利用者が増える》という考えを持っているのかもしれないが、これは恐らく的外れな対処法と言えるだろう。
 そもそも一般消費者(ドライバー)達は、駐車料金が高いから駐車場を利用しないわけではない。ガソリン代が高くなったので、運転すること自体を控えているということが根本的な問題だからだ。通勤にしても、マイカーを利用せずに電車やバスを利用している人が増えているのだから、駐車場を利用する人が減るのは当然の事態であって、駐車料金を下げても、車を運転する人がそうそう増えるとは思えない。

 もともと高い駐車場料金が下がることは大いに結構なことだが、多少、料金を下げても売上は上がらないだろうことは容易に想像がつく。もし、駐車場利用者が増える場合があるとすれば、ガソリン代として上がった分を駐車場代で相殺できる場合だけだろう。走行距離にもよるが、1.5倍になったガソリン代を駐車場代で相殺しようと思えば、駐車料金を半額以下にでもしない限り、駐車場利用者が増えることはないだろう。仮に増えたとしても、値引きした分を補う(この場合は半額なので2倍の利用者が必要)だけの売上には届かないと思える。
 
 「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺があるが、「規制が出れば○○○が儲かる」というのは現代でも当てはまる。しかし「駐車規制が出れば、駐車場経営者が儲かる」という諺は、ほんの1〜2年で通じなくなってしまった。
 「原油が騰がれば、駐車場経営者は廃業する」ということにならなければよいのだが、その兆しがほんの少し見え隠れしている。駐車場として整備した土地は、駐車場としての利用価値が無くなれば、別の商売をするための土地に変わってしまう。しかし、最低限の駐車場が無ければ、駐車違反ばかりが発生し、一般消費者にとっては踏んだり蹴ったりになってしまいかねない。
 
 少し極端な意見になるかもしれないが、都市圏の駐車場などは国が無料に近い形で供給すべきものなのかもしれない。今まで散々無駄な道路を造っている暇も金もあったのに、一体なにをしてきたのか?と言いたくもなる。
 諸外国には、高速道路も無料という国がいくらでもある。高速道路に異常に高い通行料を支払わされ、駐車場の無い所に数分間、車を駐停車するだけで、罰金を支払わされる。こんな踏んだり蹴ったりの状況でも、ほとんどの人は大して文句も言わず真面目に生活している。
 お役人にとっては、日本という国はまさにパラダイスなのかもしれない。そのお役人にパラダイス改革※などはできるはずがないというのは、確かにその通りだろう。「風が吹けば桶屋が儲かる」とはお役人に対する皮肉を込めた諺なのかもしれない。「国民が困ればお役人が儲かる」、この諺だけはなかなか変わりそうになさそうだ。
 
※パラダイス改革=公務員制度改革

にほんブログ村 経済ブログへ

|

« スタグフレーション国家『日本』 | トップページ | 若者がキレる構造と日本の社会構造 »

社会問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/42207277

この記事へのトラックバック一覧です: 現代版「風が吹けば桶屋が儲かる」:

« スタグフレーション国家『日本』 | トップページ | 若者がキレる構造と日本の社会構造 »