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「メタミドホス米」という保護目的米(?)

 中国製冷凍ギョーザからメタミドホスが検出されたというニュースが聞かれなくなったかと思っていたら、今度は、お米からメタミドホスが検出された(メタミドホス米が販売されていた)というニュースで持ち切りになっている。
 しかし、ここで注意したいのは『事故米』だということ。三笠フーズによる事故米の不正転売が大きく取り沙汰されてはいるが、なぜ事故米なるものが市場に流通してしまったのか?ということがあまり(と言うより全く)報道されていない。
 そもそも、事故米とは何なのか?というと、食用にできない輸入米(糊などの別の用途に使用される)だ。ではなぜ食用にできないお米を輸入しなければならないのか? 食用にできない(利用価値の乏しい)事故米を必要以上に輸入していたのはなぜなのか? ここにこの問題の本質が隠されている。
 
 かつて、日本米が足りなくなった時、タイ米という細長いお米が日本米に混じって売られていたことは記憶に新しい。タイ米というのは通常、ピラフなどに使用される特殊なお米だが、それが通常のお米と混ぜられて売られていた。あるいは、タイ米のみで安価に売られてもいたが、日本の消費者からは「あまり美味しくない」という感想が聞かれた。しかし、これはむしろ当然の回答だった。なぜ美味しくないのかと言えば、わざわざ美味しくないタイ米を選んで輸入していたからだ。何のために? 日本米を美味しいお米だと思い込ませるために。つまり、平たく言えば、日本の農業(日本米)を保護するためである。

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 話を事故米に戻そう。農水省がかつてのように、事故米ではなくタイ米を輸入していれば、おそらく今回のような不正問題は発生していなかったと思われる。味も形も違うタイ米を日本米と偽って販売することは不可能だからだ。不正販売を行った三笠フーズの責任は重大ではあるが、国がある一定の割合でお米を輸入しなければならないからといって、わざわざ事故米を大量に輸入していた農水省にも大いに責任があると言える。(日本米>タイ米>事故米)という図式で考えればよく解るかもしれない。安くてマズいだけのタイ米なら不正が行われても人体には害はないが、汚染されて食えない事故米が不正に利用されると有害になる。“不正は行われるものだ”とする性悪説的な役人原理を前提に考えるなら、事故米などは必要最小限の輸入量に制限しておくべきではなかったのか。

 日本の農業を保護するために、わざわざ劣悪なお米を選別して輸入する。世界的にもべらぼうに高い日本米を消費者から遠避けないようにと最悪な事故米を輸入する(=安くて美味しいお米を国内に入れない)。そのような役所の行き過ぎた農業保護(実は自己保身?)が今回の事件を招いた原因だと言えば言い過ぎだろうか?
 
 しかし、この問題を契機に、また、農水省内に新しい管理機関でも創設されるのではないかと危惧される。問題の本質を追求せずにそんな無駄な機関を創設しても、ただのイタチゴッコにしかならない。
 原因を作っている張本人だと思われる機関が、自らを省みることなく、その内部に新たな機関を創設する。これではある意味『盗人に追い銭』と言えないだろうか?
 国民達も、もういい加減に騙されるのは止めにしたらどうだろうか?

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