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『ペット税』よりも重要な『ペット罰則金』の導入

2008123001 自民党の動物愛護管理推進議員連盟(会長は鳩山氏)が、『ペット税』の導入に向けた議論を近く開始するらしい。
 現在、全国の自治体に引き取られるペット数は毎年37万匹を超えている(その内34万匹が殺処分されている)が、環境省は21万匹までに制限する方針を3年前から打ち出している。早い話、殺処分されるペット数を減らすことが目的だが、財政難にあえぐ自治体は、その対策費を補うために『ペット税』というものを思い付いた(?)らしい。

 ペット税の税収は以下の3点に利用されることになっている。

 1、ペットと飼い主の特定につながる鑑札や体内埋蔵型マイクロチップの普及
 2、自治体が運営する動物収容施設の収容期間を延長するための運営費
 3、マナー向上の啓発運動費用

 一見、妥当な利用例に見える。しかし、問題は税収を如何に使用するかではなく、どういう名目でペット税を徴収するかである。そして、ペット税を導入することでペットを取り巻く環境を改善することができるかどうかである。

 報道されている記事によれば、ペットを購入する際に消費税と同じように料金に上乗せという形でペット税を徴収するらしいが、はたしてペットの購入代金が少し上がるだけで、飼い主のモラルを向上させる(=ペットを捨てないようにする)ことに繋がるのだろうか?
 私はてっきり、ペットを飼う人に毎年、ペット税を支払う義務を付加するものと思っていたのだが、どうやら、そうではないらしい。

 ペットを飼うことで毎年、ペット税を支払わなければならないということであれば、安易にペットを購入することに歯止めをかけることができるので、少しはペットを飼う人間に責任を負わすことが可能になるかもしれない。しかし、“ペットを飼う”ではなく“ペットを買う”時にのみ税金を支払うだけでは、ほとんど意味がないと思える。「高い買い物をすればペットを大事にする」というような短絡的な発想から生まれた税であれば、結果がどうなるのかも大体の察しが付いてしまう。仮に、税収が活かされたとしても“ペットを取り巻く環境はさらに悪化する”という結果を齎すことになる可能性が高いと思う。

 元々、善良なモラルを持った飼い主にはペット税などというものは必要ない。最後までキチンと面倒をみることができる飼い主であれば、タダでもらったペットであっても大事に育てることができるはずだ。そういった善良な飼い主にまでペット税(買う税、飼う税の両方)の負担を強制するというのも考えものだ。
 現在は空前のペットブームであり、子供よりもペットの方が多いというような状況だ。孤独な老人などにとって、ペットは非常に重要な存在であり、まさに家族の一員と呼ぶに相応しい存在と化している。そんなペットを必要としている人達が、経済的な理由でペットを買う(飼う)ことができなくなってしまっては本末転倒もいいところだ。
 大事なことは、“ペットを飼う人を減少させること”ではなく、“ペットを捨てる人を減少させること”だ。飼う人が減少すれば捨てる人も減少するだろうが、その割合が減少しなければ改善したとは言えない。数字が減少しただけでは、モラルが向上したことにはならない。ペット税を導入することによって、結果的にモラルが向上しなければ善なる循環は生まれない=ペットを取り巻く環境も改善しない。

 しかしながら、飼い主のモラルを向上させることは、どんな方策を取ったとしても難しいと言わざるを得ない。それなら、お役人らしく毎度のように罰則を設ければいい。ペットを捨てた人間には、電化粗大ゴミを捨てた人間と同様の罰則でも設ければいいのではないだろうか? わざわざ全ての飼い主からペット税を徴収せずとも、モラルの無い飼い主から罰則金を徴収するようにした方が得策だろう。
 「捨てられたペットから飼い主を割り出すためには、ペットの体内埋蔵型マイクロチップが必要となるのでペット税は必要だ」というような意見もあるかもしれない。しかし、それは結局、モラルが無いと言っているのと同じことだ。マイクロチップを導入したとしても飼い主のモラルが向上するわけではない。モラルが向上するのではなく、罰則を恐れるようになるだけだ。つまり、ペナルティーを科すことでしかペットを取り巻く環境を改善することは難しいということだ。

 結論として言えることは、一律平等に全ての飼い主からペット税を徴収するよりも、違反行為を行った飼い主からのみペット罰則金を徴収した方がよいということだ。そのどちらにせよ、税金(または罰則金)を徴収する無駄な省庁部門が出来ることになるだろうが、それはモラルの低下した国民の責任でもあるので、甘んじて受け入れるしかないだろう。
 逆説的な結論を述べるならば、国民のモラルが向上すれば無駄な省庁もいらなくなり、日本経済も上向くことになる。国民のモラルが低下すればするほど、無駄な省庁機関が焼け太りすることになる。つまりは、モラルの向上は景気の向上を齎すということだ。

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コメント

全面賛成です。

で、他に考えた事を一寸だけ。
これ極限まで行くと畜産の牛や豚にまでチップを入れなければならなくなるのではないでしょうか。
そうすると国産の肉が高くなったり、畜産農家の労力が増えたりして、結果的に日本の農業に打撃が行くのではないかと思います。
アメリカの差し金ですかね?

投稿: 松崎 | 2009年1月 2日 (金) 20時21分

松崎様

コメント、有り難うございます。

 最近のペット販売サイトを観てみると、既にマイクロチップ入りのペットが販売されています(血統書付きのペットに限られていますが)。
 しかし、捨てられるペットの大半は血統書付きではないでしょうから、全てのペットにマイクロチップを埋め込むなどというのは、およそ現実味の無い提案と言うほかありません。
 去勢や避妊手術を行っていないペットは、動物としての本能で交配を重ねることになりますので、飼い主の手に渡らない不遇なペットが出てくることは、ある意味、仕方のないことです。ペット税を支払う代わりに去勢・避妊手術を行うことを義務付けた方がまだましかもしれません。
 「それではペットが可哀想だ」という意見もあるかもしれませんが、殺処分されるペットの方が可哀想です。
 殺処分されるペットの数を減少させるためには、ペット税よりも、去勢・避妊手術の方が効果的かもしれません。そうなると、今度は去勢・避妊手術に税金を上乗せするのかもしれませんが…。

投稿: 管理人 | 2009年1月 3日 (土) 13時37分

概ね賛同します

「残すべきもの」と「捨てたほうが良いもの」が感じ取れます

僕はブログや日々の業務で そろそろ具体論を打ち出して行こうと思っています

また きます

投稿: イクとハルの父親 | 2009年1月 5日 (月) 16時16分

イクとハルの父親様

コメント、有り難うございます。

お気付きの点などがあれば、またコメントしてください。

投稿: 管理人 | 2009年1月 5日 (月) 22時41分

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