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理容業界の攻防(3600円 vs 1000円)

2008122601  1年前に当ブログで『床屋の経済学』と題して、現代の理髪店の姿を簡単にレポート(?)してみた。基本的に、これからの理容業界は自由競争の波に逆らうことはできないという結論を述べた。しかし、最近どうもその波に逆らおうとしている勢力があるようだ。

 現在は、整髪料金が3500円程度と1000円以下という3倍以上も料金設定が違う理髪店が混在している。昔からある既存の理容店は組合が設定した基本料金3600円を維持し続け、新規参入の理容店(以下、カットサロンと述べる)はQBハウスを筆頭に速くて安いことを売りに低料金を追求し続けている。

 いくらサービスが違うといっても、さすがに料金が3倍も違ってくると、不景気の煽りもあって、自然とお客は安い方に流れていくことになる。既存店はこれら新規参入店の猛威に畏怖したのか、ついにお上に泣きついたしまったようだ。
 全理連【全国理容生活衛生同業組合連合会】は、理容店や美容室に洗髪設備の設置を義務づける条例改正を提案したそうだが、どうやら2009年4月施行の見込みで可決されそうな雲行きだ。

 大部分の店舗に水道設備を設置していないQBハウスでは、カットした髪を専用ホースで吸い取る方式を採用している。しかし全理連は「吸引では、頭髪の付着物が完全には除去されず不衛生」だということで、洗髪台の設置の義務化を請願したらしい。
 しかし、もしこんな法令が施行されると、QBハウスだけでなく全国のカットサロンが新たに出店できないという大迷惑を被ることになり、安いカットサロンを利用してきた消費者も間接的に迷惑を被ることになる。(ちなみに私は既存店を利用している)

 QBハウス等のカットサロンが、昨今の食品加工会社のように衛生上で何か問題を起こしたというならまだ理解できなくもないが、今回の場合は何も問題は発生していない。別に消費者から「不衛生だ」という苦情があったわけでもない。
 大体、消費者からの苦情などはあるわけがない。なぜ? 苦情があるなら、店を変更すればいいだけだからだ。その不衛生な店に行き続けなければならない理由がないからだ。
 消費者は自らが納得した理容店やカットサロンを選ぶことができるのだから、不衛生だと思われる店が存在すれば、誰も客が寄り付かなくなり、放っておけば市場から淘汰されることになる。このことからも、わざわざお上が衛生上の問題に口出しする必要があるとは思えない。これはどう考えても『言い掛り』か『嫌がらせ』としか思えない。そもそもカットした髪が不衛生だと言うのであれば、それは本人の問題であって、カットサロンの問題ではない。

 確かに既存の理容店を観ていると、お客が激減し気の毒に思うことはある。しかし、だからといって、消費者無視の取って付けたような理由で新規参入店の締め出しを行うというのは考えものだ。
 タクシー業界では、深夜、免許を持たない安価な料金の『白タク』が蔓延り、よく警察に摘発されているそうだが、カットサロンは無免許で商売しているわけではない。ギリギリの料金でしのぎを削って商売を行なっているだけだ。その姿勢が気に入らないというお上の勝手な都合で、後付けの法律を付け足して規制(=業界からの締め出し)を行なうなどは、お門違いも甚だしいと言える。

 それでも「どうしても既存店を保護しなければならない」と言うのであれば、逆にカットサロン側にこう言えばいい、「料金を上げてくれ」と。「料金を2000〜3000円にしてくれ」と懇願すればいい。そうするとどうなるか? 消費者の足はカットサロンから既存店に向かうか? 確かに一部は向かうかもしれないが、余程、サービスアップしない限り、既存店がお客を取り戻すことは難しいだろう。そして消費者からの苦情が殺到することも間違いないだろう。

 元々、設備の乏しいカットサロンが既存店との差を埋めるために、企業努力をすることによって為し得たサービスに対抗するためには、同程度の企業努力を伴わない限り、挽回することはできないはずだ。元々、ハンディを背負ったカットサロンが、努力の上に為し得たシステムに対抗するものが、『お上の過保護な規制』では成功するはずもあるまい。
 努力しない者が努力した者に勝るような不公平な世の中を維持することだけはしてほしくないものだ。

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コメント

小ネタですが、確か宇宙での散髪は吸引ホースで吸い込む方法を使っていたと思います。
そうなると全理連の考えでは、スペースシャトル内での散髪は不衛生と言うことになりますね。
あの狭く閉じた空間で不衛生になると恐ろしく危険だと思いますが、全理連や政府のコメントを聞いてみたいものです。

投稿: 松崎 | 2008年12月27日 (土) 06時53分

松崎様

コメント、有り難うございます。

 私も通っている理容店で時間が無い時は「シャンプーはいいです」と言います。その場合は当然、洗髪台は使用しませんし、吸引ホースすら使用しません。(料金は300円安くなります)
 全理連の論法でいくと、既存店は必ずシャンプーしなければカットサロンよりも不衛生だということになります。
 消費者を無視した『100%シャンプーセット』でしか成り立たない論法、これはただの理容社会主義です。もはや、お笑いとしか言い様がありません。

投稿: 管理人 | 2008年12月27日 (土) 17時47分

理容料金の格差の背景は、憲法が矛盾している事に原因がある。
交通の料金は、一定化値上げ、しているが、理容料金憲法は警察法律とは一定化公平、にはならず、区別されている事が低価格原因になっていて、
低価格は憲法違反状態と同じになっている。
法の番警察は司法の無機能に有り。

何がなにやら、見分けが、できていない憲法社会?
これが原因である。

投稿: 理容店代表 | 2014年4月17日 (木) 11時20分

世の中の乱れは低価格にあり?
どうしてなの?
バス運賃と理容料金は一定化値上げ、していたのに?
それは公平が一定化、とみなしていたからである。
公平憲法ではない世の中は、低価格卑屈である。

投稿: 理容店代表 | 2014年4月17日 (木) 11時29分

天地が同じ作用しているように、
憲法も同じ作用して、いなければ、無意味無機能である。
今の全理連【全国理容生活衛生同業組合連合会】は、無機能であるように?

投稿: 理容店代表 | 2014年4月17日 (木) 11時54分

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