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小沢ショック(国策捜査と官策捜査)

2009031301

 現在、政治世界の一大関心事と言えば、民主党の小沢氏への強制捜査事件(通称:小沢ショック)であることは言うまでもないが、この捜査については、様々なところで物議を醸している。
 この時期、まるでタイミングを計ったかのように行われた捜査だっただけに、世間一般では俗に「国策捜査」とも呼ばれている。“この時期”というのは無論、“自民党のピンチ時”を意味していることは言うまでもない。

 民主党の小沢氏は「不公正な検察権力の行使だ」と述べ、鳩山氏は「陰謀だ」とも述べている。こういったことを公の場で述べると、世間からは冷やかな目で見られがちだが、おそらくこの2人の言葉は的を射ていると思う。ただ、その陰謀が自民党によって企てられたというのは、間違っていると思う。
 では誰が企てたのか? あくまでも仮説ではあるが、おそらく官僚だというのが、まともな有識者の意見だろう。実際にそう推察している人は大勢いるが、相変わらず、マスコミは官僚の天下り問題を取り上げるだけで、肝心な部分には触れようともしない。

 ではなぜ、官僚が小沢氏潰しに動いたのか? それはおそらく、自民党政権を維持するため(=現状維持)というのがその理由だろうが、具体的には次の2つの理由が考えられる。

 1、自民党政権を維持すれば、官僚として甘い汁を吸い続けられるから。
   (民主党が政権を取れば、公務員改革を断行される恐れがあるから)

 2、民主党政権が誕生すれば、さらに不況が悪化するという危険を感じたから。

 2であればまだ許せるかもしれないが、おそらく1だろうと思う。
 どちらにしても、自分達の都合か、勝手な思い込みで動いたと言えそうだが、完全に国民を無視した行動であったことだけは間違いない。そもそも、「国策」というからには、民意というものを重視する必要があると思うのだが、全く民意が反映されていないことは誰の目にも明らかだ。現在の自民党の支持率は10%台であり、明らかに国民の声は「自民党政治にノー」であるわけだから、その政敵である民主党の党首に対して、政治生命を奪うに等しい捜査を行うなどは常識では考えられない。捜査するにしても、時期というものがあるだろう。これでは2の「国策捜査」ではなく、1の「官策捜査」としか思えない。

 私は基本的にノンポリの立場なので、どちらの政党も贔屓にする気はないし、民主党が政権を取ったとしても政治が良くなるとは思っていないが、今回の捜査には大きな疑問を抱いており、民主党には同情の念を抱いている。小沢氏の政治献金問題よりも、民意を無視した捜査が平然と行われることの方が大きな問題だと思う。
 誤解を恐れずに言えば、仮に多少の政治献金があったとしても、それで国民の生活がどうなるという問題ではない。多くのお金が必要な政治家にとって、多少の政治献金というものはあっても不思議ではないと思う。そんな小さな問題で、巨額の税金を使って大々的な捜査を行うことの方がはるかに無駄でもある。

 この問題を考えるにあたって、格好の教材となる書籍がタイミングよく発売された。ホリエモンこと、堀江貴文氏のライブドア事件暴露本『徹底抗戦』だ。
 この本を読めば、今回の小沢氏に対する強制捜査の思惑も垣間見えるような気がする。
 3年前のライブドア事件も国策捜査(官策捜査)の典型のような事件であったので、事件のバックグラウンドを考える上では参考になるかもしれない。
 当時の民主党は、ホリエモンの偽メールを見抜けなかったことで、前原代表が辞任し、永田議員が辞職し、最終的には自殺するという悲劇を演じることになってしまったが、皮肉なことに今回、党の代表に国策捜査が及ぶことになってしまった。
 民主党が本当に政権を取る気があるのならば、ホリエモンを見習って徹底抗戦するという捨て身の奇策を演じてみてはどうだろうか? もちろん、相手は自民党ではなく、国家権力(=官僚)である。

(追記)文中でも述べましたが、今回の記事はあくまでも仮説です。しかし、冷静に考えれば、そういう結論にならざるを得ないという前提で書いています。私は陰謀論などというものにはほとんど興味はありませんので、感情的な批判は御遠慮願います。

 

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コメント

> 世間一般では俗に「国策捜査」とも呼ばれている。
言ってるのは一部の馬鹿な陰謀論者だけだろ。
勝手に世間一般にすんな。

この手の連中って、必ず「なぜこのタイミングで」とか言い出すけど、ならどのタイミングなら良かったのかねぇ。
選挙中か? 選挙後か?
どのタイミングだろうとケチつけるんだろうに。

投稿: アホか | 2009年3月14日 (土) 03時20分

今の民主党の言い分を聞いていると、スピード違反で捕まった時、前の車も同じようにスピードを出していたのになぜ自分だけ、と言ってるのと変わらないような気が。あるいは何年か前大阪で放送されていたCMで「なんでうちだけ言うのんよ。あの人かてしてはるやんか。」と怒鳴っていた駐車違反の取り締まりにあったおばさんのような気がするのですよね。それに、もし民主党が政権を執れば国策捜査をバンバン行うということを宣言しているように思えるのですが。なんにせよ、政権交代というある意味中身のない宗教に嵌まってしまって燃焼中であった世論に水を引っ掛けたことは確かなようです。一度頭を冷やして冷静になって考えるきっかけになったのではないでしょうか。

投稿: 越前谷京子 | 2009年3月17日 (火) 00時24分

越前谷京子様

 コメント、有り難うございます。

 確かに、政治献金の件だけで自民党と比較して言い逃れするのはみっともないと言えますね。それならいっそのこと、政治献金とは何か?という根本まで遡って世論に訴えた方が得策だと思います。この期に及んで建前論だけで問題解決できると思っているのならオメデタイと言うしかありません。
 
 問題にするべきは“政治献金の有無”ではなく、“政治献金の善悪”です。日本ではその辺のところが有耶無耶になっているがために、検察が動いて問題になってしまうわけです。一部の諸外国のように、もともと(透明性のある)政治献金なるものが認められているのであれば、わざわざ検察が動く必要もなければ、検察を動かす必要もないわけです。あやふやなルールによって日本社会が動いているがゆえに、こういった無意味な捜査や報道が繰り返され、大騒ぎになってしまうのではないかと思います。

 今回の捜査が本当に国策捜査なのであれば、時の権力者すらも『政権交代教』という宗教に染まってしまっていることになりますね。
 ちなみに東京地検特捜部という組織自体も国家から独立した正義の団体などではなくて、『検察庁』という名が示す通り、単なるお役所です。つまり、公務員制度改革の対象でもあるわけです。
 『検察=正義』という偏った思い込みで国策捜査というものを頭から否定している人もいますが、これも一種の宗教のようなものかもしれません。中立性を欠いた組織を無条件に信じ込むことも、陰謀論を鵜呑みにする人間と同様に思考停止しているという意味では同類なわけです。

投稿: 管理人 | 2009年3月17日 (火) 23時15分

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