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「格差の是正」を叫ぶ格差否定論者の不思議

2009082801 衆議院選挙時期ということもあってか、テレビのニュース番組を見ていると、毎日のように「格差」という言葉が耳に入ってくる。とにかく「格差はいけない」「格差の是正が重要だ」ということで、各政党は格差を無くす政策を追求しなければならないというムードが漂っている。

 ところで、「格差の是正」を述べている格差否定論者というのは、格差をどうやって無くそうと考えているのだろうか? まさか各人の収入を一律平等にすることが解決策だとでも思っているだろうか?
 “格差の是正”というのは、平たく言うならば、“収入の平均化”を意味しているわけだから、平均以上の収入を得ている人は、余ったお金を返却しなければならないということになる。「格差の是正を!」と言っている当人が平均以上の収入を得ているのであれば、自らも是正されるべき該当者だということに気が付いているのだろうか? 気が付いているとしても「自分は格差を生み出している側の人間だから、数百万円返却します」と叫んでいる人がいるだろうか?

 現在の民間企業のサラリーマンの平均年収は400万円程度だと言われているので、平均年収が700万円以上の大企業のサラリーマンや公務員などは、格差を是正するために300万円近く返却しなければならないことになる。
 しかしこんなことは、大企業を中心とした労働組合の発言力を弱めるか、もしくは廃止しなければ実現できないだろう。それでも格差の是正を行なうというのであれば、格差否定論者が発言すべきは、「労働組合は要らない」でなければおかしいという結論になる。

 労働組合というものは、基本的に給料のベースアップを要求する組織であり、そういった組織が大企業を中心とした高収入企業にしか存在しないのであれば、労働組合こそが格差是正の最大の敵ということになる。大企業が全て高収入企業というわけではないが、中小企業には労働組合などというものはほとんど存在しないのだから、《労働組合=大企業御用達の格差製造組織》と考えるに至っても不思議ではないだろう。
 では、そんなことを述べている格差否定論者がいるか?というと、おそらく誰もいない。「労働組合は要らない」と言っている人物がいたとしても、その人物は必ずしも格差否定論者とは限らず、むしろ、格差肯定論者の方が多いかもしれない。

 そもそも格差というものにも2種類の格差がある。それは“公平な格差”と“不公平な格差”だ。
 例えば、大企業と中小企業を比較して、大企業にしかできない高度でリスキーな責任ある仕事を行なった上で開いてしまった格差なら、それは“公平な格差”だと言えるだろう。しかし逆に、全く同じ仕事をしているにも関わらず、大企業というだけで、中小企業よりも大幅に収入が高いというのであれば、それは“不公平な格差”だ。まともに働いている人間が、ほとんど働いていない人間よりも収入が低いということであれば、それも絶対的に“不公平な格差”だ。
 
 もちろん、日本のような学歴に依存した社会では、同じ仕事をしていても学歴によって多少の収入差が開くことはあるだろう。私も昔、大卒だということで、専門学校卒の人より少し給料が多かったので、そのことで露骨に僻(ひが)まれたことがある。当時の私は、学歴のみによる収入差は間違っていると思っていたので、ただ黙っていた。同じ仕事をしているのに大卒というだけで給料が違うというのはおかしいとは常々思っていた。しかし、その制度の中で働いている私には、反論することも諭すこともできなかった。「批判するべきは、私ではなく、社会の制度の方ですよ」とは言えなかった。

 格差肯定論者(私も含む)というのは、基本的に格差は肯定する立場にあるが、条件次第では格差を否定する立場にも回ることになる。その条件というのが、“公平”か“不公平”かという違いだ。
 世に蔓延る格差否定論者達が、一体どちらの格差を是正せよと言っているのかに注意を傾ける必要がある。“不公平な格差”の是正を叫んでいるのであれば、その人物は正論者だと言えるが、“公平な格差”の是正まで叫んでいるのであれば、その人物は偽善者か詐話師ということになる。私には、現代日本の政治家やマスコミのほとんどがこのタイプに属していると思えてしまうのだが…。

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「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

格差。
二極化してますからね。働きたくても働けない人もいるし。

投稿: | 2009年8月31日 (月) 16時58分

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投稿: ブログランキングアップ | 2009年9月 5日 (土) 00時27分

今の日本は働きと賃金が全く別になってきてるから産業が低迷するのは避けられないです。
元来日本は仕事でなく立場に給料払う感覚強いですから出世と仕事は別になってきてますし、税金や証券や法律の工夫で儲けるのは多くの場合働きではないですから。
長きに渡る高所得者減税と消費税アップも非常に格差と上記の現象を助長し産業低迷に拍車をかけていますね。

投稿: ツール | 2009年12月 2日 (水) 07時02分

ツール様

 コメント、有り難うございます。

>元来日本は仕事でなく立場に給料払う感覚強いですから

 もはや、“仕事が出来る”よりも“立場の高低”を重要視しているような時代ではないと思うのですが、いつまで経ってもこの悪しき慣習から脱却できないのが日本社会の大きな問題点です。
 もちろん、年上の人を敬うという気持ちは大事だと思いますが、仕事ができる若者も重宝されるような(当たり前の)社会にならないことには国は発展しません。この辺のところは、また改めてブログの記事として投稿したいと思っています。

投稿: 管理人 | 2009年12月 2日 (水) 22時16分

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