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「マンガ総理」から「マンガ政治」へ

2009092101 鳩山総理が明日(22日)開催される国連気候変動サミットで、「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する」という中期目標を正式に発表するらしい。なんでも「あらゆる政策を動員して実現を目指す」と大乗り気らしいのだが、これはもう「マンガ政治」と呼ぶしかなさそうだ。
 麻生元総理は漫画が好きで難しい漢字が読めない「マンガ総理」として有名だったが、どうやら鳩山総理は、政治自体をマンガにしてしまいそうな怪しい雲行きだ。
 
 国連の事務総長は鳩山氏の発言に対して「他国に対するいい例になる」と歓迎しているらしく、日本国内では、《世界中から歓迎されている》というムードが漂っているが、なぜ世界中が歓迎しているのかをよく考える必要があると思う。おそらく、世界中の政治的指導者の中で、本気で「他国の見本になる」などと思っている人は誰もいないだろうと思う。この言葉の裏に隠された彼らの本音はおそらくこうだろう。
 
 「日本という潜在的成長力を持った国が、自ら経済成長を第一目標にしないと断言している。これは我々にとって大いに歓迎すべきことだ」
 
 つまり、“温暖化防止を率先して行う立派な国だ”と思って歓迎しているのではなく、“温暖化防止という幻想を追っている馬鹿な国だ”という意味で喜んでいると考えるべきだろう。早い話が、『馬鹿な国』の見本として取り上げられているわけだ。日本の中の有識者達が鳩山氏を批判しているのもまさに同じ理由によるものだろう。
 
 そもそも1990年時点の温室効果ガスと現在を比較すると、1%も減っていないどころか逆に10%近く上昇している。温室効果ガスを削減するどころか、逆に増加させているという現状をもっと考慮しなければならない。バブル崩壊後、温室効果ガスを全く削減できなかったということは、企業の温室効果ガス削減は全く功を奏さなかったということだ。
 それをこの不況下で、敢えて温室効果ガス削減パーセンテージを大幅に上げ、それを金科玉条のような取り決めにしてしまえば、日本経済にとってどれほどのマイナス効果が発生するのかが解らないのだろうか?
 マニフェストを有言実行するという姿勢は理解できなくもないが、およそ現実味の無いマニフェストを無理矢理に実行されると、トンデモないしっぺ返しを喰らうことになる。それが当の民主党だけであれば何も文句はないが、しっぺ返しを喰らうのは民主党とは無関係の民間企業と民間人の方だ。
 
 仮に25%削減という目標が成就されたとしても、それで一体、誰が幸福になるというのか? そもそも日本だけが温室効果ガスを25%削減できたとして、本当に地球温暖化が防げるのか? あるいは、温室効果ガスと言われているものが、本当に地球温暖化の原因になっているのか? もっと言えば、本当に地球は温暖化に向かっているのか? そういった科学的な事実も曖昧なまま、「温室効果ガスの削減が国の第一目標だ」などと世界中に叫ぶことに果たしてどれだけの意味があるというのだろうか?
 
 大体、日本の1政党でしかない民主党がなぜ世界問題としての環境問題をマニフェストに盛り込む必要があったのかは甚だ疑問だ。日本国内の政治問題にわざわざ世界問題をドッキングさせなければならなかった理由とは一体何だったのだろうか?
 現在の日本国民にとって最も重要なことは、まず国内の景気を良くすることであるはずだ。その最重要課題を素っ飛ばして、いきなり世界問題となっている地球温暖化をストップさせることに躍起になっているというのは、どう考えても不自然だ。そんな目標は景気が良くなってから掲げるべきであり、順序が逆さまになっていると言わざるを得ない。
 
 今回の国連における民主党の鳩山発言によって実現されるものとは、“温室効果ガスの削減”ではなく、“日本経済の削減”という皮肉な結果を齎すことになるだろう。温室効果ガスは全くマイナスにならなくても、日本経済のマイナス効果だけは間違いなく実現されることになる。まさに、マンガ政治、ここに極まれりである。

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コメント

その通りだと思います!
鳩山は、間抜けで理想と現実の違いが判らないようです。「友愛」なんて寝ぼけた事を言っているので、他国は表向きは歓迎しても、本音ベースで馬鹿にしている事は間違いないでしょうね。

投稿: ごりろん | 2009年9月21日 (月) 17時52分

ごりろん様

 コメント、有り難うございます。

 鳩山氏率いる民主党は、常識的に考えれば実現不可能なマニフェストを行ったことが運の尽きになるかもしれませんね。そのマニフェストを無視すれば国民から苦情が出ることになり、逆にマニフェストを実施すれば、日本経済は悪化することになる。言わば究極の選択を迫られているという状態です。そういった状態に自らが置かれていることに気が付いていないのだとすれば、まさに喜劇(マンガ)です。

投稿: 管理人 | 2009年9月21日 (月) 20時27分

鳩山も国際政治のいろはを知らないのではないかと思います。
国内で二酸化炭素排出を一番多く出している産業界の了解も取らず国際会議で約束するようなことを発言するのは独裁に近い。
国益を損ないかねない。
核兵器の廃絶のためとはいえ日本が核を保有しないことを国際会議で宣言することは外交カードを一つ失ったことになります。
核を持たなくても持つ可能性を相手に抱かせることが外交の手段になることを知らないのか。

投稿: ttt | 2009年9月25日 (金) 20時30分

ttt様

 コメント、有り難うございます。

 民主党の「民主」というのは名ばかりで、実際のところはほとんど民意が生かされていませんね。
 民意で考えれば、国民新党(正確に言うなら「国民旧党」)の亀井氏が行革を担当すること自体が無茶苦茶と言えますが、それにもまして亀井氏の言動には閉口せざるを得ません。
 国内政治がこんな調子ですから、国際政治などは言うに及ばずでしょう。国益無視の「裸の王様外交」と言ったところです。

投稿: 管理人 | 2009年9月25日 (金) 21時31分

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