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新天地へと向かう企業広告メディア(組織から個人へ)

2009101501 マスメディア(新聞・テレビ)の企業広告収入が激減していることはよく知られた話で、最近のテレビCMを観ていると、数年前のCMとは大きく様変わりしていることに気付かされる。中でもパチンコメーカーのCMが異常に多くなっていることに気が付いている人は多いと思う。CMだけでなく、番組の方もクイズ番組が異常なほど増えている。広告収入が激減しているためか、製作費用が安くつくクイズ番組に、比較的ギャラが安いと思われるお笑いタレントを数多く起用して番組が製作されている。現在のお笑いタレントブームの背景には、テレビ局の懐(ふところ)事情も関係している。(注記:別にお笑いタレントが悪いというわけではないので、誤解のないように)
 
 実際に、不況の影響から経費削減のために新聞やテレビに広告を出さなくなった大手メーカーもあるらしく、そういった企業と入れ替わる形でパチンコメーカーなどのCMが多くなってしまったようだ。無論、スポンサーが変更になったのは、テレビCMの利用料金が安くなっていることと無関係ではない。

 この消費不況の最中、高い広告料金を支払ってまでテレビCMを流しても、果たしてどれだけ消費に結び付いているのかが判らないという理由もあり、企業は広告宣伝費を大幅にカットした。その結果、売上は多少減少したのかもしれないが、利益率は増加した企業もあるらしい。これは当然と言えば当然の結果だが、要するに、既にある程度のネームバリューを構築してしまった大企業にとっては、テレビCMを大々的に流そうが流すまいが、商品の販売量にはそれほど影響しなかったというわけだ。利益率がアップしたということは、以前からもテレビCMに投資しただけの資金を回収できていなかった企業が有ったということだろう。
 この辺のところは前々回の記事でご紹介した三橋貴明氏の『マスゴミ崩壊』に詳しいので、興味のある方はそちらを見ていただきたいと思う。

 さて、では企業の商品コマーシャルは今後、減少していく一方なのか?というと、そうでもないらしい。これまで新聞やテレビを利用して出されていたコマーシャルは、インターネット広告という媒体に流れている。ヤフーのトップページの右上に出ているような宣伝がそれに該当する。そして注目すべきは、今まで“料金が高過ぎる”という理由でテレビには出せなかった(または製作されなかった)コマーシャルまでもがインターネットに流れていることだ。ブロードバンド環境の急速な普及により、新規ベンチャー企業や中小企業、はては個人の広告までもが、気軽にインターネット広告として出せるようになった。これは非常に大きな変化だと言える。
 インターネット広告の場合、テレビCMとは比較にならないほど安価であり、広告を出すサイトを選択することによって、ある程度の消費年齢層を絞ることが可能になる。加えて、実際にどれだけの人が広告を見てくれたのかを正確にトレースできる場合もある。不況の影響で経費削減を余儀なくされている企業にとっては、インターネット広告はまさに渡りに船で、良いことづくめという印象を受ける。

 こういった企業広告は、ポータルサイトだけではなく、個人のブログにも利用されている。当ブログにも上段左右(2009年10月現在)に企業広告欄を設けさせてもらっている。通常のアフィリエイト広告はクリックしない限り報酬は発生しないが、このテの広告は「インプレッション広告」といって、基本的にブログが表示されるたびにカウントされることになっている。アクセス数の多い人気ブログなどは、個別にスポンサーからオファーが入ることもある。(その場合はアクセス数ではなく、1日何円という計算になる)

 話は変わって、前回の記事を投稿した翌朝、ココログのアクセス解析を確認してみると、朝から200近いアクセス数があった。何かあったのかと調べてみると、「はてなブックマーク」に記事が記載されていたことが判った。(→該当記事
 その後、外出してから帰宅後に再度確認してみると、総アクセス数が1000を超えており、最終的にその日の総アクセス数は3000を超えた(下記グラフ図参照)。

Access20091015_6

 今までは多い日でも100程度のアクセス数だったものが、いきなり30倍のアクセス数に達したわけだから、少々驚いた。私は最初の記事に日々10000PVが第1目標と書いているが、実際に(一時的とはいえ)閲覧者が数十人から数千人に変わってしまうと、記事を書く責任性も大きくなるなと実感した。この、はてなブックマーク記載以来、リピーターが増加したらしく、日々のアクセス数は今のところ以前の2倍以上に上昇している。

 話を元に戻そう。企業の広告(テレビCM)は今後、インターネットに移っていくだろうことは想像に難くない。マスメディアが既に斜陽産業になってしまったということが多くのスポンサー企業に認識されてしまえば、この流れは決定的なものとなるだろうが、もはやその流れは変えられそうにない。
 巨大な護送船(マスメディア)ではなく、個人のいかだ船(ブログ)であっても多くの人を乗せて航海できる時代がやって来た。そこで求められるべきものは、目に見える“組織の大きさ”ではなく、目に見えない“個人の信用”になる時代がやってきたということでもある。
 大きな船であっても難破する危険な時代になれば、求められるべきものは、船の大きさではなく、舵をとる個人の能力や信用度に変化する。
 同じことは企業についても言える。これから伸びる企業は図体ばかりが大きいだけの企業ではなく、様々な需要を満たすことのできる融通性を持った信用ある企業だと言えるかもしれない。

 “組織”の時代から“個人”の時代へ。現在のマスメディアの動きをつぶさに観察すれば、それが向かうべき時代の方向性だということがよく分かる。その向かうべき方向に舵を切ることができなければ、新天地に辿り着くことは難しい。
 よく考えれば当たり前の話だが、それをなかなか改めようとしないのがマスコミを含む日本社会の困ったところでもある。護送船団日本号の舵は時代が変化しても微動だにしない。その方向はただひたすら時代に逆行しているかに見える。“新天地”ではなく“氷山”へと向かうことが判っていながら改めようとしない、まさにタイタニック号の悲劇そのものと言える。
 
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