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マニフェスト至上主義とジリ貧政策からの脱皮のススメ

2009112601 このところ、経済関連のニュースでは専(もっぱ)ら“日本株の低迷”問題が取り沙汰されている。世界中の株式市場が上昇に転じ、景況感が改善しつつあるとのニュースが伝えられている傍(かたわ)ら、日本の株式市場だけが独り負けしているような状況だ。
 米国初の金融危機によって最も被害の少なかったと言われる日本が最も低迷しているというのは、常識的に考えればあまりにも不自然であり不条理だとも言えるが、いつの間にか、日経平均は1万円割れ、NYダウは1万ドル越えと、立場が完全に入れ替わってしまった。

 この日本株低迷の最大の原因は、民主党への政権交代が影響しているとの見方が大勢を占めているようだ。無論、単に民主党が悪いというわけではなく、民主党の政策内容に問題があるということだろう。
 マスコミの世論調査では、民主党の支持率は未だ60%を超えているそうだが、実際のところは支持しない人の方が過半数を占めている(=支持率は50%以下)のではないかと思う。
 率直な感想を述べれば、現在の民主党は“マニフェスト至上主義”に縛られて迷走しているようにしか見えない。中でも、亀井氏の“モラトリアム法案”や“郵政国営化”などは、国家が経済に介入するという姿勢を世界中にアピールすることに繋がってしまい、日本が改革を行う気など更々ないルールの不明確な“社会主義国家”だということがバレてしまった格好だ。しかし、そのことは同時に、日本の不況の原因は実はサブプライム問題とはほとんど無関係だったことをも証明してしまったようだ。

 現在行われている政府の事業仕分けにしても“予算を節約する”という姿勢を国民にアピールしてはいるものの、どう考えても、その程度のことで予算が賄われるとは思えない。無駄を排除することは結構だが、それが根本的な予算創出の解決策にはならないということを理解した上で行っているのかは甚だ疑問ではある。
 それにこの事業仕分けについては、科学者を中心に批判の声も大きくなってきている。科学者曰く、「現在ただいま無駄に見える事業であったとしても将来的に必要なものまで削減されては堪らない」ということらしく、あまりにも短絡的に仕分けが行われていることに対する憤りを述べている。早い話が、『将来に対する投資』という発想が欠落していることが問題になっているわけだ。

 民主党の事業仕分けとは、喩えて言うなら、借金を抱えている無職の人間に対して「電気代を節約せよ」と言っているようなものかもしれない。無職の人間が借金を返済するために必要なことは“節約すること”ではなく、まず“職に就くこと”だ。職に就いた上で節約するというのが筋であって、節約さえすれば自動的に借金が返済されるというわけではない。違った喩えで言えば、売上が激減している会社において経費節減だけを訴えてみたところで、ほとんど意味が無いのと同様だ。
 もっとも、順序が逆とはいえ、「“節約すること”を実現した後に“職に就くこと”を考える」と言うのであればまだ理解できるのだが、どうも民主党の首脳陣の頭の中には“節約する”という思考だけしか無いのではないか?という疑いがある。
 ちなみにこの場合の“職に就くこと”とは、“将来に繋がる需要拡大政策(投資)を行うこと”を意味する。無論、単なる公共事業で無いことは言うまでもない。(将来的にプラスになる公共投資であれば話は別)
 加えて言うなら、職に就くことができれば、敢えて節約する必要も無くなるかもしれない。つまり、事業仕分け作業を行うこと自体が無駄になっている可能性もあるというわけだ。(事業仕分けをする必要が無いという意味ではない)

 マニフェスト至上主義の難儀なところは、必要のない無駄なマニフェストを実行することだけに留まらない。マニフェスト至上主義とは裏を返せば、“マニフェストに掲げてあること以外は何も実行しない”ということであるから、余計に性質(タチ)が悪いとも言える。なぜなら、民主党のマニフェストには『経済成長政策』が全く含まれておらず、入ってくるお金のことが完全に無視されているからだ。財源自体を増加させる手段を提示せずに、単なるバラマキと節約を行うだけであれば、ただの「ジリ貧政策」だと言われても仕方がないだろう。

 現在の民主党が行っている様々な諸政策は、“経済成長”という柱が無いがために、どこか空虚で実体を伴わない骨抜き政策になってしまっている。それはまるで、“働かなくても借金が返済できる”というような理想を追い求め、不可能な制度の構築を目指している夢想主義者の姿を見ているかのようでもある。
 「国が全ての国民の面倒をみる」などと大言を吐いたところで、そんなことはもはや不可能であることに国民は気が付いている。財源を確保する政策なしに日本経済を立て直すことはもはや不可能であることにも国民は気が付いている。しかし、財源を調達する手段が税金であるというのであれば国民は否定的だ。となれば、財源を確保する手段は、経済成長政策しか残されていない。経済成長政策を採ることによって間接的に税収を上げるしか方法が無いということだ。それは、結局のところ、無駄な規制を取っ払って民間に自由な経済環境を与えることによってしか為し得ないということでもある。
 無論、民間に任せたとしても成功するとは限らない。しかし、可能性だけは生まれる。そう、まさにその可能性自体が萎んでしまっていることこそが、日本経済が低迷してしまっている原因でもある。

 民主党には1日も早く“マニフェスト至上主義”や“ジリ貧政策”から脱皮することをオススメする。それができないということであれば、民主党政権も長くは続かないと思った方がいいだろう。民主党政権に欠落しているものとは、実は『投資の精神』でもあるのだ。つまり、“未来を見据えた視点”というべきものが欠落しているのである。
 
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コメント

事業仕訳は、確か前政権が行政改革基本法に明記させて始まったかと思いますが、そのときは社会保障の財源を確保するための増税の前に行い、まずは国から無駄を省くというスタイルだったと思います。
当時は、国民に負担を強いるのであればまず国からということがわかりましたが、今の民主党のやり方は、自民・公明に反対しているというスタイルを通しているだけであり、理念も信念もない行為と見ています。

無論、無駄を省くのはいいですし、オープンに行うのもいいですが、国民に対しての説明責任がないのはよくないですね。

投稿: タケ | 2009年11月27日 (金) 04時25分

日本に科学費はいらない。もちろん日本に科学者などいらない。日本のノーベル賞科学者なんか暴力団の組長にすぎない。バカヤクザなのだ。やつらは何の罪もない国民を強制的に破壊して暴れまわり、てめえは他人のカネをぶんどって優雅な余生を満喫している悪逆非道なヤクザなのだ。学生の結婚も破壊して子供まで殺害して学生の就職も破壊しておれは犯罪ができるんだと喜んでいる日本の科学者を全滅させなければならない。

投稿: 日本の科学のありかた自体がまちがっている。日本には科学者も科学費もいらない。 | 2009年11月27日 (金) 07時07分

タケ様

 理性的なコメント、有り難うございます。

 説明責任(アカウンタビリティ)という言葉は、10数年前にオランダのジャーナリストであるウォルフレン氏が日本の政治に対して述べた言葉です。当時、菅 直人氏がウォルフレン氏を支持していたはずです。その菅氏が在籍する民主党が説明責任を果たしていないのですから呆れてしまいますね。

投稿: 管理人 | 2009年11月27日 (金) 22時37分

アカウンタビリティについて、そのようなことがあったのですね。

やはり、菅氏は自語相違ですね。
今後もっとそのようなことが出てくると思っています。

投稿: タケ | 2009年11月28日 (土) 01時18分

経済素人ですいませんが、経済は成長するものならば(制限要因はないのですか?)

国債等の債権も増大していって良いのではないですか?(国際的なバランスは必要なんでしょうが)

たしかに、仕事の創造がないですね。

民間の投資にお任せなのでしょうか?(こりずにまた競争を強めませんかね?学習済みですかね)

投稿: sib | 2009年12月21日 (月) 11時44分

sib様

 コメント、有り難うございます。

>民間の投資にお任せなのでしょうか?

 民間にお任せというよりも、民間に任そうとしない(または無意識的に邪魔をしている)ことが問題なのだと思います。
 ヤフーが行ったようなモデムのバラマキ(景気刺激策)などは、本来であれば政府が主導して行わなければいけないのですが、経済や市場が理解できないお役人にはそういった先行投資ができないようです。
 いくら頭が良くて勉強ができても、景気の先行きが読めず、抜本的な景気刺激策も行えないのでは「無能政府」と言われても仕方がありません。

投稿: 管理人 | 2009年12月21日 (月) 22時30分

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