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食品偽装事件から生まれた消費者無視団体

2010082101 最近、食品偽装問題が少し下火になっていたかと思っていると、今度は中国産うなぎの輸入元偽装事件が判明した。しかし今回の場合、中国産のうなぎを日本産だと偽ったわけではないようだ。
 イトーヨーカ堂が平成17年に中国から輸入したうなぎに発ガン性物質(マラカイトグリーンという抗菌剤)が混入していたことが既に公になっているため、その事実を有耶無耶にするためにイトーヨーカ堂の名前を表に出さなかったという輸入元改竄事件だった。しかし、単純な産地偽装ではないため、「ウナギロンダリング」以上に悪質かもしれない。その理由は以前(→ウナギロンダリング」よりも重要な「有害物質問題」)にも述べた通りだ。

 はっきり言うと、日本に出回っているうなぎなどは、一体どこからどこまでが日本産であるのかは不明であり、誰もが気が付かないうちに偽装に引っ掛かっている被害者だとも言える。警察が本気で捜査すれば芋づる式に偽装会社が出てくると思われるが、一部の偽装会社しか摘発できていないというのが実際のところだろうと思う。食品偽装会社を全てシラミつぶしに捜査すれば、おそらく目も当てられないような結果になるだろう。ゆえにどうしてもこういった事件は、「一罰百戒」的な意味合いの捜査になりがちだ。見せしめ捜査で本当に「一罰百戒」になればいいのだが、残念ながら、見つからないのをいいことにこれからも食品偽装は続けられていくのだろうと思う。
 
 ここで話題を少し変更しよう。雨後の筍のように出てくる食品偽装会社を糾弾するだけでは面白くないので、別の角度から食品偽装問題を考えてみよう。
 今回の事件の報道も、毎度のように「消費者無視」だとか「企業倫理」という言葉が並んでいる。そういうことを言う(書く)のも決して悪くはないのだが、果たして本当に食品偽装会社を世の中から全て無くすことを目的に報道されているのかは疑問である。
 数年前に頻繁に表沙汰になった食品偽装事件によって、食品偽装を取り締まるための組織である『消費者庁』が出来たことは記憶に新しい。しかし消費者庁が新しくできたことによって果たして本当に食品偽装は減少したのかというと、実際のところは分からない。摘発される偽装会社は少し増えたのかもしれないが、肝心の偽装自体が本当に減少しているかどうかは残念ながら分からない。それに現在の消費者庁は、食品の表示が“本物”か“偽物”かを調査するよりも、食品が“安全”か“危険”かを調査する機関に成り下がっているのではないかという疑いもある。
 
 今回の事件の加害者であるイトーヨーカ堂はどう考えても消費者無視としか思えないので擁護する気はさらさらないが、「消費者無視」ということであれば、消費者庁も負けてはいない。
 先日も「ミニカップ入りこんにゃくゼリー」のリスク評価を巡って、食品安全委員会から批判されるという出来事があったばかりだ。消費者庁は、「こんにゃくゼリーは餅やあめよりリスク要因が多く、業者に商品の改善を促す」と述べたらしいが、この意見に対し食品安全委員から「中立公正なのか疑問」との批判がなされたそうだ。
 こんなことは、食品安全委員が述べるまでもなく、小学生でも分かりきっていることである。
 その食品安全委員会は、少し前に「こんにゃくゼリーは餅に次いで、あめと同程度」と消費者庁に答申していたそうだが、これが専門機関の言い争いだというのだから呆れるばかりだ。分かり易いように、もう1度、以下に記載しよう。
 
 食品安全委員会「こんにゃくゼリーは餅に次いで、あめと同程度」
 消費者庁「こんにゃくゼリーは餅やあめよりリスク要因が多い」

 先程、「小学生」と書いたが、今時の小学生でもこんな幼稚な言い争いはしないのではないかと思う。こんなどうでもいいような言い争いを公然と行っていること自体が、既に消費者無視になっているということに、なぜ気が付かないのだろうか。なぜマスコミは彼らに対して素直に「王様は裸だ」と言えないのだろうか。
 
 一応、フォローしておくと、食品安全委員からは次のような意見も出たらしい。
 
 「都合のいい結論を出すために新たな実験を行うことにつながる」
 「消費者庁が自らリスク評価をするのは中立公正でない」

 
 これらは、まともな大人の意見だと思う。しかし、消費者庁の方はフォローのしようがない。どう擁護しようにも消費者庁は『消費者無視団体』としか思えないというのが正直なところだ。なんせ、消費者の声に素直に耳を傾けようともしないのだから、不公正な独裁機関だと思われても仕方がないように思う。消費者を保護するのではなく、消費者を無視するような機関が「消費者庁」だというのだから、ほとんど笑い話である。

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コメント

イトーヨーカドーだけでなくイオンも消費者の安全軽視の動きが見られます!

下記URLはクスリ販売の専門家、医薬品登録販売者の求人ですが、
http://jobpedia.info/job/572154.html

医薬品販売の経験について“未経験の応募が可能”となっています。

しかし医薬品登録販売者の資格は、医薬品購入者の健康被害防止のための
措置としてペーパー資格者の存在は容認されず、知識確認の筆記試験のほかに
実務経験も必要とされています。

よって下記のようなケースの場合、不正受験とされ消費者保護・安全の観点から
処分の対象となります。
http://www.yakuji.co.jp/entry19239.html

求人広告の給与が11万円前後と格安になっていますが、これでは不正受験
合格の資格者を対象に、安く雇用しようとしているのでは?と、誤解を受ける
元になります。

投稿: インキチ | 2010年8月22日 (日) 00時29分

インキチ様

コメント、有り難うございます。

 イオンの求人サイトを閲覧してみましたが、「未経験者可能」とは書かれていましたが、その少し下に「登録販売者の資格が必要です」とも書かれているようです。
 以前、当ブログに、登録販売者の方からのコメントがありました(→http://freedom-7.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/vs-99f6.html)。登録販売者の受験には1年間の実務経験が必要とされているようですが、肝心の試験の方はお粗末なものだと言われていました。登録販売者というのは、その誕生における理由から、何かと問題が多い資格のようです。

投稿: 管理人 | 2010年8月22日 (日) 09時40分

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