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『健康診断』から見える思考停止病患者達

2010101101 先日、ウチの会社でも毎年恒例の定期健康診断が行われた。検尿、身長、体重、レントゲン、心電図、視覚、聴覚、聴診器、血液検査が主な診断項目だが、最近ではメタボ検診なるものも追加された。
 健康診断自体を否定するつもりはないのだが、毎年、同じような検診を行っていると、どうしても疑問に思うことがある。それは、成人の健康診断になぜ身長測定が毎年必要なのか?という素朴な疑問である。小学校や中学校、高校であれば、毎年身長が伸びるだろうから、身長測定があって然るべきものだろうが、背が毎年伸びるわけではない成人の身長を毎年測る意味が一体どこにあるのだろうか? 成人であったとしても、朝起きた時と就寝前では少し身長が違うことはあるが、そんなものを測ったところで何の意味もない。
 体重測定が毎年必要というのは理解できるのだが、身長測定を毎年実施する意味が解らない。そして、身長測定が毎年有ることに対して誰も疑問を抱かないということも不思議でならない。学生時代に行ってきたことだから、大人になっても行うことが当たり前だと単純に思い込んでいるだけなのかもしれないが、よく考えれば、これほど可笑しな話もない。大の大人が、自分にとって必要なものと必要でないものとの区別がつかない…と言うよりも、完全な思考停止状態に陥っている。そんな姿を毎年の健康診断で観せられることになる。
 医者は身長測定代を請求できるので、自ら「身長測定は必要ない」などとは絶対に言わない。ゆえに、患者が正論を述べていかない限り、無意味な診断は永遠に繰り返されることになる。
 
 先に「メタボ検診」というものが開始されたと述べたが、これとて、単に腹囲(ウエスト)をメジャーで測るだけの検査である。その測ったウエストが85cm以上ならメタボと診断され、それに近い数値であれば、メタボ予備群と診断されるという極めてお粗末な検査であり、ほとんど幼児のお医者さんごっことしか思えないレベルの診断である。
 ウエストなどというものは、その人の体格によって相対的に違うものであり、一概に85cm以上が異常などというのは誰が考えてもおかしい。例えば、身長190cmの人身長150cmの人が共にウエスト85cmだった場合、双方共にメタボと診断されることになるが、こんなのは馬鹿げているというほかはない。
 身長150cmでウエストが85cmもあれば、確かに太り過ぎだと言える(これとて絶対的な尺度とは言えないが)だろうが、身長190cmの人がウエスト85cmというのは別に太り過ぎでもなんでもない。身体が大きくなるに比例してウエストも太くなるのは人体的な特徴であり常識である。
 もっと分かり易く言えば、大型犬(シェパード)と小型犬(チワワ)のウエストが同じになるはずがないということである。大型犬と小型犬のウエストの異常値を同じ値にすることが如何に馬鹿げているかは小学生にでも解るはずである。
 しかし、そういった医学的な常識自体を無視していると思われるのが、現在のメタボ検診だ。
 もし、身長測定なるものが、メタボ検診の関係で測定しなければならないということであれば、まだ理解できる。メタボかどうかを判断するための参考データとして身長も測定しなければならないというのであれば、それはその通りだ。しかし、現状では身長自体は考慮されていないのだから、身長測定は無意味だという結論にならざるを得ない。
 
 ウエスト85cmという数値は厚生労働省のお達しだと思われるが、そんな数値を基準にして全国民に適用することが無意味であることは当の医者自身も理解していると思う。しかし、医者も患者もそのことに触れようともしない。まるで洗脳されたどこかの独裁国家の国民達のように、黙ってお上に従うのみ。これが異常な光景に観えないのだとすれば、この国の国民の認識レベルは相当危険な状態だとも言えるが、おそらくほとんどの人は解っていながら、敢えて考えない自分を演じているのだろう。それとて、異常な光景であることに違いはないのだが…。
 
 平等至上主義者であるこの国のお役人達が、まさか、人間のウエストまで平等に扱わなければならないなどと考えてはいないと思うが、そんなことをつい考えたくもなるほどに、現在のメタボ検診というものは馬鹿げている。
 
 最後に私個人の意見を述べさせてもらうと、健康診断などというものは、半強制的に企業が実施するものではなく、本来であれば、自主的(個人的)に病院に行って検査してもらうものだと思う。無論、検査する項目も自分で選択できるようにするべきだ。特にレントゲン撮影などは、微量の放射線だとはいえ、人体にとって有害であることに違いはないので、行うかどうかは個人別に選択できるようにするべきである。歯科医に行っても必要以上にレントゲンを撮ろうとする歯医者がいるが、歯が痛くもないのに検診の度にレントゲンなどを撮っていては、なんのための検診なのか分からない。医者を儲けさせるために過剰なレントゲン撮影などを行わせるのは、まさに愚の骨頂である。主役はあくまでも患者(あなた)であって医者ではないということを考えてこその健康診断である。
 現在の医療関係者も一般庶民も主客が転倒していることに気が付かず、まるで考えようともしない。まさに、国民のほとんどが思考停止病を患っているとも言える。しかし、残念ながら健康診断を受診しても思考停止病は発見されるどころか、ますます蔓延する一方に見える。健康診断を受診するたびにそのことを嫌というほど認識させられる。

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医療」カテゴリの記事

コメント

こんなことを書く日本人がいてすごく安心しました(私はニュージーランド人です)。
フルタイム被雇用者が毎年健康診断を受けなければならないという不条理で悪質な法律があるなんて・・。
三ヶ月前に受診したばかり(受診項目全て良好)なので、上司に「私は受けなくてもいい」と言ったらで法律上受けなければならないと言われて、まさかと思って家に帰ってネットで調べたら、怒りが爆発しました・・。
受けるかどうかは言うまでもなく個人の自由なので法律違反でも断ります・・。強制的だからこそ断ります。政府がどうしても私の血を吸い取りたければ、注射器を持った警察官を家に派遣するしかないですhappy01

投稿: | 2010年10月13日 (水) 14時44分

>こんなことを書く日本人がいてすごく安心しました(私はニュージーランド人です)。

コメント、有り難うございます。
 ニュージーランドの方から、漢字でコメントをいただけるとは思っていませんでした。

 “こんなこと”を書く日本人は他にもいますので、ご安心ください。テレビや新聞の世界にはいませんが…。

投稿: 管理人 | 2010年10月13日 (水) 22時39分

昨日、コメントを書いた時は熱くなりすぎてすみませんでした。
今日他の記事も読ませていただきましたが、どんなことに対しても私とほぼ同じお考えの様です。
感服しましたhappy01
非常に貴重なブログです。これからも読ませていただきます。

投稿: | 2010年10月14日 (木) 12時22分

>非常に貴重なブログです。これからも読ませていただきます。

 コメント、有り難うございます。
 当ブログを開始して早3年半が経過しましたが、未だ1日のアクセス数は100から200程度です。
 第1目標は1日10000なので、まだまだ先が長そうですが、今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: 管理人 | 2010年10月14日 (木) 23時17分

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