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『規制仕分け』で問われる民主党の存在価値

2011011001 これまで政府の行政刷新会議は3度(予算編成・独立行政法人事業・特別会計制度)に渡る『事業仕分け』を行ってきた。民主党が行ってきた事業仕分けについては評価している識者も一部にはいるが、大方の識者は「やらないよりやった方がまし」という程度の冷めた感想を抱くに留まっている。
 その民主党が今度は『規制仕分け』を実施すると発表している。規制仕分けの対象となるのは「環境」「医療」「農林・地域活性化」の3つの分野であるらしいが、最も注目を集めているのは一昨年大きな話題となった『薬のインターネット販売に関する規制』が含まれていることである。
 
 この規制については、私もネット上で反対署名に参加し、当ブログでも批判記事を書いた。ネット販売大手の楽天やケンコーコムも参加し、多くの反対署名が集まったものの、結果的には、医薬品のネット販売規制は実施された。
 
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 では今回、規制仕分けを行うと発表している民主党は当時、この規制に反対していたのか?というと、実は反対はしておらず、どちらかと言えば賛成の立場だった。
 そんな民主党が今回、『薬のインターネット販売に関する規制』に反対の立場を取っているわけだから、注目されないわけがない。
 
 もし民主党の規制仕分けによって、この薬事法規制が撤廃されるようなことがあれば、おそらく民主党の支持率も少しは回復するのではないかと思う。しかし、そこまでの成果を上げることができるかは疑問の域を出ない。
 
 以前にも述べたことがあるが、『規制』とは『信号機』と同じようなものである。
 私の家の近所でも交通事故が絶えない危険な交差点があったが、最近、その交差点に信号機が設置された。あなたの自宅の近所にも「ここは交通事故が多いので信号機を設置した方がよい」と思うような交差点があると思う。そういった誰もが危険だと思っている交差点に信号機が新たに設置されることは正しい。
 しかし逆に、「こんな所に信号機は必要ないだろう」と思える交差点も有る。ほとんど人も車も通らないような交差点に信号機などを設けてもあまり意味を為さない。そんな無駄な信号機が自分の生活範囲に何カ所も有る光景を思い浮かべてみれば、それが如何に窮屈な環境であるかがよく分かると思う。
 規制もこれと同じであり、必要な規制と不必要な規制が混在している。しかし、多くの人は規制の数には信号機の数ほどの関心は無いため、規制の数が生活に与える影響というものをあまり考えようとはしない。
 
 例えば、交通事故が発生する度に、その場所に信号機を設置していけば、どんな生活が待っているだろうか? それはどこに出かけるにも信号機ばかりを気にしなければならない生活であり、信号機のせいで目的地になかなか辿り着けないという極めて不自由で窮屈な生活である。そんな信号機だらけの道路では確かに交通事故は減少するかもしれないが、その安全性と引き換えに多くの自由や快適性を犠牲にしなければならなくなる。

 ビジネス的な視点で観ても、そんな道路では宅配便も時間通りに配達ができなくなるので、宅配料金は上がり、宅配納期も遅くなる。ベタな例えで言えば、宅配ピザの配達も30分以内ではなく1時間以内となり、料金も上がるということである。多くの一般消費者にとって、それが良いことだと言えるだろうか?
 「良いことだ」と胸を張って言えるのは、その信号機を作る仕事を行っている人間だけではないだろうか? 規制もこれと同じで、無駄な規制を作って喜ぶのは、民間人ではなく、お役人だけではないのだろうか?
 
 信号機に必要な信号機と不必要な信号機があるように、規制にも必要な規制と不必要な規制がある。信号機が必要か必要でないかを判断するのが、その道路を実際に利用している一般人であるなら、規制についても、その規制が必要であるか必要でないかを判断するのは民間人であるべきだ。「規制をするべきだ」という民間人からの強い要請でもない限り、なるべく規制などは行わない方がよいということである。
 薬のインターネット販売についても、多くの消費者からの苦情でもない限り、規制を行う必要性は無かったのではないか?と思われるが、消費者の声を無視して勝手に規制が実施された感が強い。別の意味での「消費者の苦情(署名活動)」が有ったにも拘らず、これも都合よく無視されたように思われる。
 
 事業仕分けにも必要な事業と不必要な事業が有ったように、規制仕分けにも必要な規制と不必要な規制がある。そして、必要か不必要かを分ける基準はあくまでも民意に沿わなければならない。そのことを忘れてしまうと、結果的に、規制仕分けは失敗だったということになってしまうだろう。民主党が、正しく民意を掬い上げ、民意に沿う規制の分別ができればよいのだが、果たしてどうなることやら…というのが、率直な感想ではある。
 事業仕分けの場合、少額ながら削減できる金額が分かるものだったが、規制仕分けの場合は、どれだけの金額が削減できるというものではなく、どれだけ経済を効率化できるかという問題である。その規制が存在するために、どれだけ非効率な経済になっているのかということを理解しなければならないということだから、事業仕分け以上に難しい判断を要求される。
 
 しかし、今回の規制仕分けの目玉たる『薬のインターネット販売に関する規制』の成り行きによっては、「民主党はいらない」という民意が出来上がる可能性がある。
 そういう意味では、今回の『規制仕分け』は民主党にとっても非常に危険な賭けだと言えるかもしれない。

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コメント

セクハラ加害者を職場から放逐。当然の報い!

関西汽船子会社”関汽交通社”において会社も

労働組合も何もせず、企業外組合において

最近Aさんのセクハラ闘争が解決しました。5年間にわたって、上司による女性従業員への卑劣なセクハラ、パワハラが行われ、彼女の心身を傷つけました。
労働局のあっせんなどを試みましたがうまくいかず、最後の望みを賭けて労組を訪れました。

それから1年4ヶ月、闘いによって解決しました。団体交渉の当初は、上司の卑劣な居直り、会社の責任逃れのすえ、東京都労働委員会に持ち込まれました。それでも抵抗する会社。労組は行動します。

ついに、全面解決が実現しました。本人が納得する解決内容です。

解決の内容は、セクハラ、パワハラに対する会社の謝罪、セクハラ裁判による損害賠償平均額の4倍の解決金、社内に女性カウンセラーの設置などセクハラ防止システムの構築などでした。
そして加害者の上司は職場を放逐されました。当然の報いです。

成果は当人が見違えるほど元気になったことです。


投稿: oni | 2011年1月10日 (月) 13時08分

関西汽船の子会社関汽交通社国際旅行部の某氏

は女性の過去を”妊娠中絶から家出まで”の

話を職場で行う最低人間、その上、上司が得意

先からのリベートを独り占めした行為に、腹お

立て、上司を半殺しにしました。

セクハラ・パワハラ・・・電話の盗聴まで行う

異常な会社です。

嫌がらせのかずかすの会社

関西汽船の子会社、関汽交通社

上司が賭博を強要、えげつない差別

長期の遅刻常習者で、土曜日は遅刻して、仕事

もせずに競馬の予想、無断私用外出(馬券の購

入・換金)に定時退社に対して、注意も懲戒

処分も行わない。

真面目に働く労働者を愚弄すろな!

真面目に働く労働者の迷惑を考えろ!

ブラックの社員達

関西汽船の子会社、関汽交通社

"団券”の漢字も読めないのを、注意すると

嫌がらせのオンパレード、不思議な社員

よく入社できたな~不思議です。

業務上必要な知識の欠如は恥ずかしくないので

しょうか。


投稿: おに | 2011年1月12日 (水) 19時45分

ネット販売規制は本当に無くして欲しいです。
店頭にあるならまだしも、欲しい薬が店頭で手に入らない事が多すぎます!無いなら無いで、取り寄せなら高額な定価に近い額を要求される。我々一般市民にとっては負担ばかりしかない悪法です。
東京のドラッグショップでこうなのだから、地方なんてもっと大変なんじゃないでしょうか。

こんな馬鹿げた規制は一刻も早くなくなって欲しいと思ってます。

投稿: 負け狼 | 2011年1月12日 (水) 20時11分

負け狼様

コメント、有り難うございます。

 おそらく国民の過半数がそう思っているのではないかと思います。この規制を撤廃できれば、多くの国民から拍手喝采を受けることになり、民主党の名誉挽回のチャンス…と言いたいところですが、公務員改革同様、難しそうです。

投稿: 管理人 | 2011年1月12日 (水) 20時52分

その規制仕分けを「行政刷新担当は1年に1回必ず行政機関の規制を仕分けなければならない」っていうように法律で義務付ければいいのでは?
と俺は思います!

投稿: よっつ | 2011年1月19日 (水) 10時07分

よっつ様

コメント、有り難うございます。

 規制仕分けの1番の課題は、定期的に行うことではなく、必要な規制かどうかを見分けることにあります。たとえ法律上で義務付けられたとしても、その仕分けする判断基準がデタラメではあまり意味がありません。それに法律を逆手にとって悪用する狡賢い人々もいます。ヘタに法律などで縛ると、その法律自体がいらぬ規制に成ってしまう可能性が有るわけです。

投稿: 管理人 | 2011年1月20日 (木) 00時12分

関西汽船の子会社"関汽交通社”は

異常な会社、

関西汽船乗船券船場営業所において

異常セクハラが発生被害者の女性はノイロー

ゼになり退職、加害者は会社も労働組合も

解雇を示したが、親の謝罪で加害者は在職

することのなるが、また同じ様なことをする

会社側は
予見していたのであれば注意義務

に使用者責任が存在します。

その上、書類は盗まれるは、

私物は盗まれる、女性がストーカー

加害者の男性は精神疾患になる

異常すぎるこの会社

闘わなければ。

投稿: 善野 | 2011年1月28日 (金) 19時12分

ストーカー
連合・サービス連合傘下の

関汽交通社労働組合へ

女性のつきまとい行為やめさせてください。

特にお局さまは大迷惑です。

女性のしつこいアタックにノイローゼになりそうなほどの精神的負担を与えられているので、「平穏に生活する権利」を侵害されています。

まずは、女性に対してこれ以上付きまとうのであれば、損害賠償請求をするとの警告してみてはどうですか?

しかし、それでは効かないようでしたら、裁判所に請求して、女性からの接触を禁止する面談禁止の仮処分を出してもらうようにすることができます。

それでも、つきまとうようであれば、身の危険も考えられますので、警察の保護を受けることを考えた方がいいと思います。

面談禁止命令をもらっておけば警察も動きやすく、強要罪として逮捕してくれるかもしれません。

また、警察は「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」による禁止命令を出すことができます。

「特定の者に対する恋愛感情その他の行為の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で同一人に付きまとった待ち伏せしたり、住居に押しかけるなどの行為を反復して行った場合、ストーカー行為として取締りの対象になるとされています。

ストーカー行為をした者は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられ、警察署長等の禁止命令に従わずストーカー行為を繰り返した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる事となっています。


投稿: 善野 | 2012年6月13日 (水) 20時12分

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