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世界一恵まれたモラトリアム国家『日本』

2011073101 先週は、中国での高速鉄道の衝突・脱線事故が大きな話題となり、珍しく日本でも中国バッシングに近い内容の報道が繰り返されていた。
 中国政府の無茶苦茶な隠蔽工作ぶり(他国のテレビカメラが回っている最中に、堂々と事故車両を地中に埋める)には世界中の人々が呆気にとられたが、一党独裁の中国政府の真の姿を垣間見たという人も多かったのではないかと思う。一党独裁国家にとっては、国民の命を救うことよりも、国家の体裁を保つことの方が重要だと言わんばかりの禍々しい光景だった。
 
 こういった中国政府の隠蔽体質に比べれば、日本政府の隠蔽体質などはかわいいものかもしれない。日本では原発で事故が発生すると、その事故の詳細を隠蔽する体質は見受けられるものの、流石に事故が発生したことまで隠すことはできない。しかし、中国では、もし原発で事故が発生しても、本当に「事故は発生しなかった」で押し通す危険性があり、またそれが可能な国でもある。日本のように反原発運動などを行って政府をあからさまに批判しようものなら、国家反逆罪で逮捕されてしまいかねない。
 そんな国が日本を追い抜き、このままいくとアメリカまで抜いて世界一の経済大国になろうとしているわけだから、もう少しその危険性を考えた方がよい時期なのかもしれない。
 
 先日もパナソニックに買収された三洋電機の白物家電事業が中国のハイアールに売却されるとのニュースがあったばかりだが、依然として、中国の日本企業買いは進められているようで、「パクリ国家」と批判されつつも、『世界の工場』としての地位を確固たるものにしつつあるようにも見える。
 
 今回の中国の高速鉄道事故を受けて、いよいよ中国のバブルも崩壊に向かうとの声も多く聞かれるようになったが、どちらに転んだとしても日本経済はタダでは済まない。このまま中国バブルが続けば、いずれ日本は中国の下請け国家になるだろうし、中国バブルが崩壊すれば、これまで中国の安価な労働力に依存してきた日本のデフレ経済モデルも同時に崩壊することになる。
 
 日本の悲劇は結局のところ、全てにおいて「どっちつかず」の姿勢にあると言える。原発問題にしても、『経済』を優先するか『安全』を優先するかで揉めに揉めているが、これがアメリカや中国であればどうかというと、おそらく、どちらの国も手段は違えど『経済』を優先することになっていただろうと思う。
 アメリカの場合は、「多数の幸福は少数の幸福に優先する」というようなことを力説するだろうし、中国の場合は、先にも述べたように国家の体裁を無理矢理に維持するために、経済発展を優先するだろう。それが良いことだと言うつもりはさらさらないが、日本のように優柔不断なところが無いことだけは確かである。
 
 日本では毎年、総理が靖国神社に参拝するかどうかで揉めているが、アメリカや中国(と言うかどこの国でも)では、こんなことは有り得ないと思う。
 あるいは、年功序列制度を続けるか止めるかというような問題でも、いつまで経っても「どっちつかず」の姿勢であるために、一向に問題が解決しない。
 
 とにかく何でもかんでも「どっちつかず」のモラトリアム国家であるがために、バブル崩壊以降、「あーだ、こーだ」と揉めている間に何1つ問題が解決されずに、20数年が経過してしまった。
 しかし、そんなモラトリアム大学生のような心境でも、これまでは何とかやってこれたのだから不思議なものである。「何とかなってきた」という成功体験(?)が有るがために、「これからもなんとかなるさ…」と大部分の人達が内心思っているのだろうと思う。
 
 これだけ楽観的な国民性は世界的にも稀だと思うが、その反面、将来の不安やらでお金を使おうとしないのだから、どこまでが楽観的で、どこまでが悲観的なのかよく分からない。楽観的か悲観的かにおいてさえもモラトリアム化しているとも言える。
 それでも未だに世界第3位の経済大国をかろうじて維持しているのだから、日本はある意味で、世界一恵まれた国なのかもしれない。
 平和ボケ国家のまま時が過ぎてくれるに越したことはないが、現実的にそんなことが可能かどうかを考える時期に来ているのかもしれない。

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