« 浜岡原発停止から派生した『ストレステスト』 | トップページ | 格差の否定から誕生する「貧しさの平等社会」 »

「お役所の土日営業」というカイゼン(改善)

2011071501 東京電力および東北電力等が、夏の電力消費量を15%節電するように企業に求めていたことも関係してか、現在、トヨタの工場などでは夏期限定で土・日が出勤日となり、代わりに木・金が休日になっている。しかし、一部の人気車種の生産が追い付かず、仕方なしに休日出勤(木・金出勤)を行っている所もあるらしく、実質的には労働時間が増えているという人もいるらしい。
 
 企業が安心して生産活動を行うためには潤沢な電気の供給が必要であり、少しでも使用量に制限が設けられてしまうと、即、企業経営にダメージを与えることになる。
 事務処理だけを行っているようなサービス業であればともかく、電気を大量に使用する製造業が15%もの節電を行うというのは、かなり無理があることは否めない。震災の影響で需要が増えている業界であれば尚更である。本来であれば、電気使用量が何割か上がるところを逆に85%にせよというのだから、実質的には30%程生産を控えよと言っているようなものである。

 今回の電気使用量15%節電目標というのは、鳩山元総理の二酸化炭素の25%削減目標と同じようなもので、正直、企業にとってはまともに受け入れられるような数値目標ではないのかもしれない。

 自動車会社は現在、需要が有るにも拘わらず、電気を充分に使用できるという保証が無いために生産の縮小を余儀無くされており、その悪影響は様々なところに波及していると思われる。少し前までは、派遣社員の解雇問題がクローズアップされていたことは記憶に新しいが、「派遣社員の解雇反対!」と叫んでいた人々は、この事態をどう思っているのか聞いてみたいものである。

 「即刻原発を停止せよ!」=「派遣社員は即刻解雇するべきだ!
 「企業は節電は受け入れるべきだ!」=「派遣社員は解雇を受け入れよ!

 上記の台詞は実は(不都合な)同義語であるということを知らねばならない。
 
 今回は特に電力問題についてはこれ以上言及するつもりはないので、先程のトヨタの土・日出勤の話に戻そう。

 日本自動車工業会が節電のために自主的に出勤日の変更を提案して、実際に民間の自動車会社が土・日に出勤するという柔軟な姿勢を見せているのだから、お役所も試験的に土・日に出勤するという風にしてみてはどうかと思う。無論、先にも述べた通り、事務職の節電効果などはほとんど期待できないので、節電が目的というわけではない。

 一部のお役所ではサマータイム制度を導入しているということだが、この際、土・日を出勤にするとどう変化するのかということを試してみるよい機会ではないかと思う。民主党の支持率も下げ止まらず10%に迫る勢いなのだから、支持率を回復させるためにも思い切ったことをするべきかもしれない。

 菅総理が今、「お役所も民間企業を見習って土・日に出勤するようにします」とでも言えば、国民から大いに歓迎され、支持率が下げ止まることは間違いないところだろう。まともな公務員改革ができないと思われていることも支持率を下げている一因であろうから、それぐらいの改善案を提示してもバチは当たらないだろう。言わば、お役所の「カイゼン」である。
 
 「土・日を出勤日にすると税金(人件費)が上がります」という詭弁が聞こえてきそうだが、正直、土・日も営業してくれるなら少しくらい税金が上がっても構わないという人は結構多いのではないかと思う。どのみち、現政府は震災復興を理由にあらゆる税金を上げようと画策しているわけだから、「税金を上げる代わりに役所の土・日営業を行います」とでも言っていただきたいものである。
 不況に喘ぐ民間企業であれば、土・日に出勤するだけで雇用が確保されるということなら、喜んで出勤する人はいくらでもいると思う。

 そもそも多くの国民が利用する役所が土・日を休日にしていること自体が不自然なわけで、普通のサラリーマンがわざわざ会社を休んでまで役所に行かなければならないのであれば、何のために真面目に税金を納めているのか解らない。一般の利用者が最も多いと思われる日を堂々と休日にしているわけだから、これはある意味で公務員としての職務放棄だとも言える。
 一般人相手のお客商売を行っている民間企業が土・日に休んでいれば、笑い話であり、もし、そんな会社があったとすれば、半年も経たずに市場から淘汰されてしまうだろう。

 民間企業に過剰な節電や土・日出勤を半ば強要するのであれば、国もその見本を国民に対して見せるべきだ。実際のところ、土・日よりも平日に休みたいと思っている公務員の人もいるだろうから、案外、受け入れられる可能性もあるのではないだろうか? 人員削減も給料カットも無い公務員カイゼンなら、充分に実現できる可能性はあると思う。
 役所の全日稼動が実現すれば、おそらく多くの国民から好評を博すことになるだろう。できれば、期間限定の土・日出勤ではなく、そのままフェードインしていただければ有り難いと思う。
 
にほんブログ村 経済ブログへ

|

« 浜岡原発停止から派生した『ストレステスト』 | トップページ | 格差の否定から誕生する「貧しさの平等社会」 »

社会問題」カテゴリの記事

コメント

役所の仕事相手の中で、個人かつ昼間勤め人って、少数派なんですよ。
よくよく考えてみてください。あなたは、年に何回、個人の用事で役所に行きますか?
大概の来客は、個人ではなく、事業所の人間として役所に来るので、官公庁が土日営業、つまり、平日2日休みになると、多くの事業所が困るわけ。だって、事業所は、土日が休みだから。
役所としても、平日の2日が休みになると、(普通に土日に休んでいる)他の事業所とコンタクトが取れないので、仕事のロスが、ものすごく大きくなるんですよ。
いや、実際、教育施設では、平日休業の出先が、結構あるのですが、まさに、そんな状況です。

それに、実は、ぶっちゃけ、過去、多くの官公庁が、土日開庁や時間延長開庁を実験しているんですよね~。
そして、その結果として、「土日や夜間のほうが来客が少ない」という結論が、すでに出ているわけで、実際、この案は、「改善」ではなく「改悪」になってしまうわけです。

失礼な言い方ですが、誰でも考え付きそうなことが、実行に移されていないのは、メリット以上のデメリットがあるということです。はい。

投稿: k.k. | 2011年7月27日 (水) 22時57分

k.k.様

 コメント、有り難うございます。

 なるほど、個人としての客よりも事業所の人間としての客の方が多いということですか。確かにそれはその通りかもしれませんが、私(と言うより多くの国民)が希望しているのは、平日を2日休みにするということではなく、あくまでも理想は全日営業です。交代制で平日の2日間を休む人が出てくるという意味であって、全職員が平日に休むという意味ではありません。

 あなたの言われるように民間の会社であっても、事業所(得意先)の人間は平日に来られるので土日を休業日にしているわけですが、それはあくまでも民間企業の話です。お役所が民間企業と同じ行動原理を取る必要があるなら、民営化した方が良いという結論になってしまいます。効率化を優先的に考えるなら、民営化するのが最も手っ取り早い手段であることに疑いを入れる余地は有りません。

 お役所のお役所たる所以は、企業的な効率性よりも、国民の利便性を追求するという部分にあるわけで、それが必要無いなら、お役所の存在理由が無くなってしまいます。それに、メリット・デメリットというのは、お役人の都合で決めるものではなく、納税者である国民が考えて決めることです。それが民主主義の基本です。

投稿: 管理人 | 2011年7月28日 (木) 21時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/52217350

この記事へのトラックバック一覧です: 「お役所の土日営業」というカイゼン(改善) :

« 浜岡原発停止から派生した『ストレステスト』 | トップページ | 格差の否定から誕生する「貧しさの平等社会」 »