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人生で必要なものは、すべて「アマゾン」で買える。

2011112901 一般的に「読書家」と言われる人達は、1年間に300冊以上、つまり1日1冊のペースで本を読んでいると言われている。
 私も読書をするのは好きな方だが、毎日、朝から晩まで忙しく働いている身でもあるので、現状では年間の読書量はせいぜい50冊程度かもしれない。
 
 私の場合、複数の本を平行して(1章ずつ)読む癖があるので(おまけに数十冊の本が積読状態)、1冊の本を読み終えるまでに時間がかかってしまうのだが、最近、『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』という本を読み終えた。
 著者の千田琢哉氏は大学時代に10000冊の本を読まれたらしく、金額にして1000万円の費用をつぎ込んだのだそうだが、これには驚いた。
 4年間で1万冊も読むとなると、10000冊 ÷(365日×4年)=約6.85となるので、1日に7冊のペースで読まなければ達成できないことになる。これは俄には信じ難い読書量である。常人であれば、仮に朝から晩までぶっ通しで読書したとしても、7冊も読めないだろうし、気力も体力も集中力も続かないだろうと思う。
 
 私も学生時代は、本を買うためにアルバイトをしていたことがあるが、それでも4年間でせいぜい300冊程度の本(漫画は除く)しか読め(ま)なかった。金額にすると、30〜40万円に過ぎない。
 
 千田氏の本は一見すると成功哲学っぽいイメージがするが、読書家としての意見は参考になることが多い。
 例えば、
 「残業より読書をした方が給料は増える」
 「本を借りて読む人は、自分も一生使われて終わる
 「本にかけたお金とその人の年収は比例する」
 「本の買い過ぎで貧乏になった人はいない」
 「読書をしないと外見が劣化する
 
 なるほどな…と思う。給料と年収は読む本にもよると思うが、身銭を切って読書しないといけないというのは、なんとなく実感として解るような気がする。
 本の価値を無料で手に入れた人間は、結果として、その本と同じような運命を辿るというのは、なかなか面白い洞察だと思う。昨今のように、無料でゲームソフトや映画ソフトなどをコピーして楽しんでいるような人々も、あるいは同じような運命を辿るということなのかもしれない。

 コピー天国の中国ではないが、現代のようにあらゆるモノがデータ化された時代では、そのデータをコピーすることができれば、ほとんど無料で商品を手に入れることができる場合がある。しかし、生み出された付加価値に対する対価を支払わずにいるということは、全体としての経済は縮小していることを意味し、巡り巡って、自らの収入にも影響を与えることに繋がる。
 「そんな馬鹿な…」と言う人がいるかもしれないが、経済をマクロ的に観た場合、この因果応報は正しく成立する。個人としては「得をした」と思っていても、実は社会全体としては大損していることになる。具体的に言うなら、“就職するのが難しくなる”というような負の現象として現れることも十二分に有り得るということである。そういう意味でいうと、まさしく現代は「合成の誤謬経済」である。

 私の場合、年間50冊程度の読書量なので、図書館を利用せずに済んでいるだけかもしれないが、真の読書家というのは借金してでも本を買うことの価値が解る人なのかもしれない。

 「読書をしないと外見が劣化する」というのも、よく耳にすることで、読書家として有名な鷲田小彌太氏やハイブロー武蔵氏の本にも書かれていたような気がする。
 「本を読む」という行為自体が能動的な行為であるので、読書を続けることによって表情や目が生き生きと輝いてくるということは有り得るだろうし、確かに読書家には素直な澄んだ目をした人が多いような気がする。読書という行為自体が、人生経験と同じようなものであるならば、読書量の多い人ほど人生経験が豊富だと言うこともでき、その経験が風貌として自然と現れてくるのかもしれない。
 
 「人生で大切なものは、すべて「書店」で買える。」というタイトルは、真の読書家ならではの自信に満ち溢れたたナイスなネーミングで、ある意味ではその通りなのかもしれない。しかし、現在では目に見える「書店」自体が激減してしまっているので、近い将来、「人生で大切なものは、すべて「アマゾン」で買える。」…どころか、「人生で必要なものは、すべて「アマゾン」で買える。」となってしまうのかもしれない。
 
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コメント

読書好きと言うのであれば、アマゾンの政治的偏向についてはどのようにお考えでしょうか

投稿: はる | 2011年12月 1日 (木) 19時58分

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