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BOOK『大マスコミ 疑惑の報道』を読んで。

2012020401 NHKは2月2日、アナログ放送終了に端を発する解約者数が154000件に達し、その理由により30億円の減収になると発表した。
 
 NHKの受信料収入は年間6500億円と言われているので、30億円ということは、約0.46%(217世帯に1件)の世帯が解約した計算になる。
 デジタル放送移行を機に、テレビを観なくなった世帯が少しだけ増えたということなのだろうが、0.5%程度の減収であれば想定の範囲内であり、NHKの経営自体には大した影響もないのではないかと思う。平均年収1700万円とも言われるNHK従業員の年収を1690万円にすれば済むだけの話である。

 ところで最近、NHKのことが詳しく書かれた『大マスコミ 疑惑の報道』(三橋貴明著)という本を読み終えた。
 以前にも三橋氏の『マスゴミ崩壊』という本の感想をブログ記事として書いたことがあるが、本書はその続編に当たり、インタビュー形式でのマスコミの内情暴露本という趣きの本だった。

 ちなみに、三橋貴明氏の本を読んだのはこれが2冊目となる。三橋氏は経済関係の書籍も矢継ぎ早に出版されているが、それらは立ち読み程度でほとんど読んでいない。
 経済関係の本というのは、どうしても著者と意見が合わない部分が出てくるので、余程の興味を引かない限り、なかなか“購入”という行為にまでは結び付かない。しかし、マスコミ論となると話は別で、前作『マスゴミ崩壊』と同様、本書も非常に興味深く読むことができた。ここまでマスコミの実態に踏み込んだ本はかつて無かったのではないかと思うほどに赤裸々に内情が暴露されており、これぞジャーナリズムと言える内容の本だった。
 こういった本を読むと、テレビと新聞でしか情報を入手していない人々が如何に真実の情報から隔離遮断されているかがよく解る。

 デジタル放送でテレビを観る場合、「B-CASカード」と呼ばれるカードをテレビの背面(または側面)に挿入しなければならないことは周知の通りだが、この本にも、「B-CASカード」を利用することによって技術的にはスクランブルをかけることが可能であるらしいことが書かれていた。つまり、視聴者はNHK放送を受信するか否かという選択が既にできる環境が整っているということになるわけだが、NHK側が、なぜそんな危険な橋(?)を渡るような選択をする羽目になったのかということも、それとなく触れられていた。

 個人的には是非、NHKにはスクランブル化を導入してもらいたいと思う。私のようにテレビをあまり観ないタイプの人間は、せめて観た分だけ支払う従量制にでもしてもらわないと全く割が合わない。
 そもそも、「公共放送」と言うからには、本来は無料でなければおかしいわけで、有料にするなら民営化するべきだし、あくまでも公共放送にこだわるというのなら国営にするのが筋だと思う。
 しかし、(この本にも書かれていたが)「国営にすれば公共放送にはならない」。これは確かにその通りだ。しかし、そうであるならば、NHKは権力に阿(おもね)ることなく、国民目線で権力というものを監視する放送局に徹する必要がある。

 日本のマスコミというものは、国家権力の監視機関であるというマスコミ本来の姿から大きく乖離し、権力と阿るだけでは飽き足らず、自らが権力そのものになってしまっているということはよく知られている。
 中でもNHKは管轄省庁である総務省からも実質的には半分独立したような組織であるらしく、公共放送にあるまじき権力機関に成り上がって(下がって?)いるとも言える。
 NHKと検察がタッグを組めば、それに逆らえる政治家は誰もいない。その権力が良い方向(国家権力を監視する方向)に行使されれば良いのだが、悪い方向(国家権力を操る方向)に行使されると北朝鮮も真っ青な独裁国家になってしまう危険性が有る。

 以前に読んだ長谷川幸洋氏の『日本国の正体』という本のサブタイトルにこういう文言があった。
 
 「政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か
 
 本書『大マスコミ 疑惑の報道』を読んで、その答えが朧げながらに見えた気がした。
 “政治家と癒着し、マスメディアの頂点に君臨する、日本最大の官僚組織”、それがNHKの正体だとすれば、この国の最大の権力者とは実はNHKのことなのかもしれない。
 
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