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ショック療法としての『資産課税』

2012022501 昨年から今年にかけて、「反原発」という言葉が流行したが、今年は、「反橋下」という言葉も流行し始めているようだ。
 「反原発」と「反橋下」というのは、必ずしも一致するものではないが、一部の左寄りの思想を持った人々には共通するものであるらしい。このどちらにも該当するという人は、一度、「自分は左寄りの思想の持ち主かもしれない」と疑ってみた方がよいかもしれない。

 こう言うと、「えっ?」と疑問に思った人がいるかもしれない。

 「反原発」と聞くと、イメージ的には東京電力という既得権益に塗れた企業を攻撃しているという感じがするので、「既得権益を破壊する側の人間」だと思われがちだ。しかし、それは考えがあまりにも浅過ぎるというものだ。もし、原発を無くすことによって国家を衰退・崩壊に導くということが有り得ると仮定すれば、その立場は全く違ったものになるということも考える必要がある。

 「反橋下」というのは、平たく言えば、「既得権益擁護論者」の別名でもある。彼らは一見、保守を装っているかに見えるが、理性的な判断能力よりも“橋下憎し”という感情的な思い込みが先にあり、その精神構造(メンタリティー)は「反原発」論者とほとんど同じように見える。

 私は基本的には橋下氏を応援しているが、100%完全な「親橋下」というわけでもない。
 大阪維新の会のマニフェストでもある「船中八策」を見てみると、9割方は支持できる内容だと思われるが、残りの1割程度は少し疑わしい不透明な部分が有ることは否めないと思う。

 その中でも、今回は『資産課税』というものを少し取り上げてみたいと思う。
 「資産課税」のことは、別名で「ストック課税」とも言われている。消費税のように動いている(フロー)お金に対して課税するのではなく、動かない(ストック)お金に課税するというのがこの資産課税の要点である。

 現在の日本経済は消費不況の真っただ中にあり、世界一とも言われる国民の金融資産(ストック)が有りながら、そのお金が動かないために、不況から抜け出すことができずにいる。
 この状態は人間の病気に喩えられる。輸血する血液は有り余るほどストックしているのに、その血液を輸血することができないがために不健康な状態から脱することができない。
 本物の血液ではなく、一時的に人工血液を輸血するという手段もあるのだが、政府が極度の輸血反対論者(インフレ恐怖症)であるので、これもできない。結果、血液が足りていない不健康な病状が一向に改善せず、仮死状態のまま20年間も放置されたまんまというのが、日本経済の病状でもある。
 そんな患者が増税(献血)などを行えば、本当に死んでしまいかねないということが、この国の為政者には解らないらしい。

 この国民の動かないお金を強制的に動かすことができれば景気は良くなるというのが、資産課税導入の目的だと思われるが、これを導入するとなると、様々な問題が生じることになる。
 まず、こういったストックされている資産の状態を把握するとなると、国が国民の資産を逐一管理するというシステムが絶対的に必要になってしまう。具体的に言うと、個人がどこでどういう買い物をしたかというようなことが全て国に管理されることになるわけだ。これには抵抗感があるという人は多いと思う。
 政府は何年か前から「個人情報の保護」を唱っているが、国が個人情報を管理するという意味では、全く逆さまになるとも言える。
 
 最近、国民総背番号(マイナンバー)制という言葉をよく耳にするが、資産課税を導入する場合、セットで、その国民総背番号制も導入しなければならなくなる。
 偶然かどうかは知らないが、既に民主党が「個人識別番号法案」を閣議決定しているらしいので、このまま行くと本当に実現してしまう可能性が出てきた。しかし、これは一歩間違えると完全な社会主義国家になってしまう危険性がある。
 
 本来、国民の資産を守ることが国家の役割の1つだが、この目的が「守る」から「管理する」になってしまうと、結果的に「奪う」という状態に転化してしまう危険性がある。
 国民の資産が滞り無く動くような環境を整備するために様々な政策を講じるのが本来の政府の在り方である。そう考えると、無理矢理にお金を使わせる政策というのは、どこか不自然であり、反市場的でもある。
 
 日本人は1人当たり3000万円以上の預貯金を残して、あの世に旅立つというのは有名な話だが、資産課税を導入すれば、その金額は低下し、一部の資産が市場に出回ることにはなるだろう。しかし、それは極めて人為的な市場操作であり、どこか私有財産の否定に繋がる思想が垣間見える。
 確かに資産課税制度を導入すれば、消費活動は上向くことになると思うが、おそらくそれは一時的なことで、結果的には資産を隠すという違法行為や、実際に日本から脱出する資産家も大勢現れることになる可能性が高いと思う。
 
 もちろん、国民総背番号制には良い面もあり、完全に否定することはできないが、社会主義化することの危険性を多くの国民が認識した上で実行に移さないと、諸刃の剣になる危険性が極めて高いということも知る必要がある。
 もし本当に資産課税を導入するのであれば、期間限定(数年間という条件付き)で行うべきかもしれない。資産課税などというものは、あくまでも一時的なショック療法だと考えるべきである。

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コメント

国債という名の借用書と引き換えに調達したお金は、歳出というかたちで世の中に放流されます。
そのお金の何%かが消費に使われ、最終的に預金や貯金になっていきます。
預金や貯金は、ペイオフというものがあるにしても、基本的に元本保証というイメージがあるので、投資の一種としてはリスクをとらなすぎる弊害があります。
なので、課税して回収するというのが、貨幣の循環を作り、財政的に辻褄も合うわけです。

投稿: クロコダイルPOP | 2012年2月26日 (日) 07時36分

オレンジ共済事件、二信組事件、
耐震偽装事件、ライブドア事件、日本振興銀行事件、
大王製紙事件、オリンパス事件、AIJ事件など
経済事件に関する相関図を作ってみました。^^

色分けについてはよくわかってないこともあり
かなりテキトーですが、
もしかしたら参考になるかもと思い
コメントさせて頂きました。^^

よろしければご一読下さいまし。^^

【相関図】
http://bit.ly/wjRu7W

投稿: sheltem | 2012年3月 1日 (木) 01時53分

>私有財産の否定に繋がる思想が垣間見える。

念のため、橋下氏は、私有財産を否定してないですよ。
紙切れである貨幣でなく、富である生産物を財産として持つことに対しては、課税を軽減する方向みたいですから。
何かを買えば買うほど税が低くなるようですから、財産に埋め尽くされる生活が可能です。

投稿: クロコダイルPOP | 2012年3月 1日 (木) 23時31分

 まず知能が低いクズの思い込み↓

>「反原発」と「反橋下」というのは、必ずしも一致するものではないが、一部の左寄りの思想を持った人々には共通するものであるらしい。このどちらにも該当するという人は、一度、「自分は左寄りの思想の持ち主かもしれない」と疑ってみた方がよいかもしれない。

 こう言うと、「えっ?」と疑問に思った人がいるかもしれない。

 「反原発」と聞くと、イメージ的には東京電力という既得権益に塗れた企業を攻撃しているという感じがするので、「既得権益を破壊する側の人間」だと思われがちだ。しかし、それは考えがあまりにも浅過ぎるというものだ。もし、原発を無くすことによって国家を衰退・崩壊に導くということが有り得ると仮定すれば、その立場は全く違ったものになるということも考える必要がある。

 「反橋下」というのは、平たく言えば、「既得権益擁護論者」の別名でもある。彼らは一見、保守を装っているかに見えるが、理性的な判断能力よりも“橋下憎し”という感情的な思い込みが先にあり、その精神構造(メンタリティー)は「反原発」論者とほとんど同じように見える。

 短絡的で単細胞丸出しな思考能力しかなく、簡単に煽動に煽られる知能が低いクズは、客観的な根拠もなく思い込みで簡単に反対勢力を決めつける。

 

投稿: さすが低能丸出し | 2012年3月 2日 (金) 23時49分

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