« ルネサンス(再生)を放棄した『相続税100%』という愚策 | トップページ | 「地獄への道は消費税増税論議で舗装されている」 »

BOOK『「空腹」が人を健康にする』を読んで。

2012032501 先日、新聞を読んでいると、『「空腹」が人を健康にする』という本の宣伝広告が目に入った。タイトルの言葉に興味を抱いたので早速購入して読んでみた。

 著者の南雲吉則氏はナグモクリニックを経営されているお医者さんで、実年齢よりも20歳若く見える健康法を提唱しており、実際に自らも実年齢より20歳若く見えることで話題の人物であるらしい。 南雲氏は56歳でありながら、脳年齢38歳、骨年齢28歳、血管年齢26歳という驚異的なデータの持ち主としても知られている。

 この本に書かれてあることは、ズバリ「一日一食」のススメである。「三食昼寝付き」という言葉が流行ったこともある飽食国家日本にとっては、ある意味で「絶食のススメ」とも受け取れる内容だが、書かれてあることの8割方は納得のいく内容だった。(少々、唯脳論的な偏りが感じられたのはマイナス点だった)。
 
 近年、動物実験によって「延命遺伝子」なるものが発見されたそうで、食事量を4割減らすと、寿命は1.5倍に延びることが証明されたらしく、「食事量を減らすことで健康になる」という言葉には科学的な裏付けがある。
 そして、人間は空腹状態に置かれた時に、生命力が活性化するという遺伝子を持っており、その生命力遺伝子が活性化することによって、傷付いた細胞が修復されるらしい。つまり、健康や若さを保つ秘訣は、空腹状態を作ることにあるというわけだ。一見、乱暴な説にも聞こえるが、もし、そういった遺伝子(と言うより本能的な生命維持装置)が本当に人間の身体に備わっているのであれば、充分に有り得る仮説だと思う。
 
 この本でも指摘されていたが、確かにお腹が空いてもいない(=食欲もない)のに、毎度毎度決まった時間に3度の食事を取る必要性はあまり感じられない。特に休日などは朝遅くまで寝ている人も多いだろうから、そんな日に無理して朝食を食べることが健康に良いとは思えない。例えば、10時に朝食をとって、またすぐに12時に昼食を食べるのでは、どう考えても健康な生活習慣とは思えない。
 
 私も、朝起きてすぐに朝食をとると、会社に到着するまでの間に胃腸の調子が悪くなる(早い話、下痢する)ことがたまにあったので、数年前からは会社に到着してから、少しだけ朝食をとるようにしている。寝起きで慌てて食事するよりも、胃腸が落ち着いてから食事した方が健康に良いことは実体験としてもよく解る。食べたい時(食欲のある時)に食べるというのが、人間の本来の姿であり、食欲も無いのに決められた時間に食事をしてお腹を壊していたのでは本末転倒であり、栄養も身に付かず意味がないと思う。
 
 「毎日、決まった時間に食事をすることが健康の秘訣」という長らく信じ込まれてきた日本の常識は、よく考えると常識でもなんでもなく、満腹になるまで食べることのできる恵まれた国で生まれた食習慣に過ぎないということがストレートに指摘されており、「食べ過ぎこそ病気の始まり」という言葉にナルホドなと納得した。昔から「腹八分目」という戒めの言葉もあるように、食べ過ぎによって病気を引き起こしているケースは意外に多いのかもしれない。
 一般的には「一日一食」を実践するのは難しいとしても、「一日二食」なら、試してみる価値は有るかもしれない。ただ、「一日一食」とは言っても、貧しさのススメというわけではない。
  
 よく、「辛いものを食べると病気になる」とか「甘いものを食べると病気になる」というような言葉を耳にするが、実はこれは少し間違っている。正確には「辛いものを食べ過ぎると病気になる」または「甘いものを食べ過ぎると病気になる」が正しい。要するに、健康に良いか悪いかを決定づけるものとは、食物の“”ではなく“”なのである。
 激辛の食べ物を食べて、「辛い」と感じるのは舌であり、それは単なる味の強弱に過ぎない。人間の健康に影響を与えるのは、舌で感じた味ではなく、胃に入った量で決まる
 上記は私の意見だが、この本にもアルコールを例にあげて同じようなことが書かれていた。曰く「休肝日は必要ない」と。アルコールは水銀と同様、蓄積毒であるため、一生の間にどれだけの分量を摂取したかが問題となる。ゆえに、毎日、少量のアルコールを飲むだけなら特に問題はなく、1週間に1度だけアルコールを抜いたところでほとんど健康には影響しないというわけだ。
 
 南雲氏オリジナルの持論かどうかは定かではないが、この本の中で特に興味を惹いたのが、糖尿病についての考察だった。簡単に言うと「糖尿病とはいくら食べても太らない体をつくるための人類の適応反応」とのことらしいのだが、こういう考え方もあるのかと感心した。ここで内容を書いてしまうとネタバレになってしまうので詳細は本書に譲りたいと思う。食事と健康の関係について興味のある方には一読をオススメしたい。
 
にほんブログ村 経済ブログへ

|

« ルネサンス(再生)を放棄した『相続税100%』という愚策 | トップページ | 「地獄への道は消費税増税論議で舗装されている」 »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/54302504

この記事へのトラックバック一覧です: BOOK『「空腹」が人を健康にする』を読んで。:

» 「空腹」が人を健康にする |南雲吉則 [ベストアンサー]
「空腹」が人を健康にする南雲吉則サンマーク出版 刊発売日 2012-01-18 ... [続きを読む]

受信: 2012年4月 7日 (土) 11時36分

« ルネサンス(再生)を放棄した『相続税100%』という愚策 | トップページ | 「地獄への道は消費税増税論議で舗装されている」 »