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喩え話で解る「社会保障と税の一体改革」の正体

2012071701 民主党、野田総理が「政治生命を賭ける」と豪語して取り組んでいる「社会保障と税の一体改革」というものがある。もはや、この言葉を聞いたことがないという国民は誰もいないと思われるが、その中身を真剣に考えている国民は、はたしてどれぐらいいるのだろうか?
 
 「社会保障制度」と「税金」を一体化して行う改革とは、一体、何を意味しているのか? このことをシンプルに考えてみよう。
 
 「社会保障制度」と「税金」を単体で改革する場合、次の4つの手段がある。
 
 1、「社会保障」をプラスする。
 2、「社会保障」をカットする。
 3、「税金」をアップする。
 4、「税金」をダウンする。

 
 基本的には以上の4つしかない。そして、この2つを組み合わせる場合、大まかに言えば、以下の4パターンがあることになる。
 
 A、「社会保障」をプラスし、「税金」をアップする。
 B、「社会保障」をプラスし、「税金」をダウンする。
 C、「社会保障」をカットし、「税金」をアップする。
 D、「社会保障」をカットし、「税金」をダウンする。

 
 このうち、 BとCは現実的に考えて有り得ない。残るのはAとDだが、野田総理が行おうとしているのはである。
 では、Aは「改革」と呼べるのか?というと、その答えは残念ながら「ノー」だ。
 上記のAからDの中で、改革と呼べるのはだけである。BとCは改革ではないことは先に述べた。ではAとは何か? 答えは無論、「改悪」だ。
 
 野田総理は、Aを行うことが「決断できる政治」と述べているが、これもトンデモない間違いである。「決断できる」とはDを行える政治のことを言うのであり、決断できない政治であるからこそAを選択することになるのである。つまり、彼は「決断できない政治」に政治生命を賭けていることになるわけだ。
  
 話がややこしいと言う人がいるかもしれないので、具体的な言葉に置き換えてみよう。「政治家」を「アル中患者」に、「社会保障」を「お酒」に、「税金」を「酒代」に置き換えると分かり易いと思う。
 
 「お酒」をプラスし、「酒代」をアップする「アル中患者」。
 
 これが、果たして「決断できる」アル中患者の姿と言えるだろうか? まともに考えれば、どう考えても決断できないアル中患者の姿である。
 
 では、逆にこれではどうだろう?
 
 「お酒」をカットし、「酒代」をダウンする「アル中患者」。
 
 これこそ、「決断できる」アル中患者の姿ではないだろうか?
 
 「政治家とアル中患者を一緒にするな!」というようなトンチンカンな批判が返ってくると困るので予めお断りしておくと、上記の話は喩え話であり、言葉遊びでもありません。一応、念の為。

 ということで、本来の意味での「決断できる」政治とは、「社会保障」をカットし、「税金」をダウンする政治のことを言う。「決断する」というのは、「スッパリと止める」ことを意味するのであり、現状の不健康体質を維持し続けることを意味しないのだ。

 ○国民に社会保障をカットすることを我慢してもらう。
 ●国民に税金をアップすることを我慢してもらう。

 同じ我慢でも、この2つは全く違うということを知らねばならない。「社会保障」と「税」という言葉をくっつけることにより、その矛盾を覆い隠そうとしたものが、「社会保障と税の一体改革」の正体である。
 際限のない社会保障制度の拡充のために、税金を湯水の如く注ぎ込む改革、こんなものが本当の改革であろうはずがない。

 現在の日本に必要な改革とは、「社会保障と税の一体改革」というような矛盾した改革ではない。経済成長政策によって、現状の社会保障制度を極力維持(またはソフト・ランディング的にカット)しつつ、減税を行うという『経済成長と社会保障と税の三位一体改革』こそが必要なのである。
 
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