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BOOK『財務省のマインドコントロール』を読んで。

2012081201 『社会保障と税の一体改革法案』のメインとなる『消費増税法』が8月10日に参院で成立したものの、なぜかその翌日、消費増税法成立に一役買ったとされる財務省事務次官の勝 栄二郎氏が退任を発表した。
 勝氏は「十年に一人の大物次官」「最後の大物次官」「影の総理」などと言われてきた財務省(と言うより官僚)のドン的存在であり、民主党の野田総理を影で操ってきた人物とも目されていただけに、なにやら意味ありげである。

 消費税増税に至る背景には財務省の暗躍があったことは、既に多くの識者達が述べているが、その1人である江田憲司氏の『財務省のマインドコントロール』を昨日ちょうど読み終えた。私は積読&輪読家(複数の本を同時並行で読む)なので、読み終えるまでに時間がかかってしまう。

 本書は江田氏の実体験を元に綴られた本なので、大蔵省時代からの財務省の姿が平易かつ克明に描かれており、その内実がよく解る構成になっている。憶測で書かれた書物ではないだけに、財務省批判の決定版とも言える内容になっている。

 中でも驚いたのは、IMF【国際通貨基金】をも財務省が操っているという事実だった。日本政府はIMFに巨額の出資を行っており、その見返りとしてIMFが『国際的な天下り先』になっているということらしい。
 よく新聞などで、IMFが日本の財政状態を分析し「消費税を上げる必要が有る」などという記事が掲載されるが、こういった発表の影にも財務省の暗躍があるらしい。IMFの天下りポストに就いた人物から「IMF声明」として日本に情報を送っているというものだった。
 もしこれが本当のこと(だと思われるが…)であれば、日本は実質的に官僚に情報を遮断コントロールされた完全な鎖国国家だということになってしまう。
 国際機関である「IMF」の発表であれば正しいのだろう…と思って信じてきた国民は数知れないだろう。「日本が財政破綻するかもしれない」という情報も、ある意味でフィクションだったという疑いすら浮かんでくる。

 消費税増税の目的は「財政の健全化」が建前となっているが、まさかIMFからの情報まで操って消費税増税の必要性を国民の心に刷り込んでいたとは驚きだった。

 そういえば、8月9日に行われた日銀総裁会見でも日銀の白川氏が「財政の健全化」という言葉を述べていた。白川氏は、記者の「消費税増税は日本の景気にどういった影響を与えるか?」という質問に対して以下のように述べていた。

 「消費税の増税は財政の健全化に向けた取り組みであり、長期金利の上昇を防いでいくことにも繋がり、経済に対しても好影響。

 国民の多くが消費税増税に疑問を抱き反対している中、公式の場で堂々と「消費税を増税することが経済に好影響」などと述べる神経には驚かされるが、この言葉が間違っていることは数年後に判明することだろう。そうならないこと(=消費税増税が中止されること)を祈りたいところだが、残されたタイムリミットは短い。その短い間に、はたしてどれだけの国民が増税教のマインドコントロールから脱することができるだろうか…。

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