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中国政府の『日本いじめ』の考察

2012092201 政府の尖閣諸島国有化発言に端を発し、中国各地で反日デモが催されたことから尖閣問題が大きくクローズアップされることになった。書店に行くと、早くも「原発本コーナー」が「領土問題本コーナー」に置き変わりつつあり、その関心の高さが窺える。機を見るに敏な目敏い学者や評論家達は、きっと今頃、せっせと領土問題本でも書いているところだろうと思うが、目下のところ、以下のような本が矢継ぎ早に出版されている。

尖閣諸島が危ない
尖閣を獲りに来る中国海軍の実力
尖閣戦争 ― 米中はさみ撃ちにあった日本
日本掠奪 ― 知ったら怖くなる中国政府と人民解放軍の実態

 覇権主義による領土拡張を急ぐ中国は、どうやら今年にでも尖閣諸島獲りに本腰を入れつつあるように見受けられるが、中国政府のニュース報道などを観ていると、北朝鮮の国営放送とほとんど変わらないな…と感じた人も多いのではないかと思う。さすがに中国寄りの空想的平和主義者達も少しはその危険性を察知したのではないだろうか。

 日本の「反原発デモ」と中国の「反日デモ」は、一見すると、その動機や目的が全く違うように見えるが、結果的には“日本を破滅に導く可能性がある”という共通点を内包している。普通に考えても、その危険性には大差が無いと思われるのだが、おそらく反原発デモ参加者達は自分達がそのような活動に加担している可能性が有ることなど夢想だにしていないのだろうと思う。(理由は後述する)
 翻って中国の反日デモ参加者達はどうだろう? おそらく彼らの大半は、自分達の行動が日本を破滅に導くことになることを理解した上で行っていたと思われる。

 中国の習近平氏が米国に対し「尖閣問題は日米安保の適用外にして欲しい」という恐ろしい申し入れをしたことは既に伝えられているが、幸運にもアメリカが「ノー」と応えたため、一旦はデモ騒ぎだけは収まりつつある。しかし、今回の出来事が我々国民に暗に提示していることは、【日米安保条約の重要性】以外の何ものでもない。現状を冷静に分析すると、日本の行く末は、米中の関係次第によって決まるということを示している。

 日・中・米の三者間の構図を解り易く喩えると、以下のようになる。

 【日】…金持ちのいじめられっこ
 【中】…強欲ないじめっこ
 【米】…借金を抱えたいじめの仲裁者(いじめられっこと契約)

 この3者の関係を考えると、いじめを止めることができる【米】の存在の重要性は言うまでもないだろう。
 今回の尖閣事件を観ても分かる通り、もし【米】がいじめの仲裁を行わなければ、ヘタをすると戦争に突入していた可能性も否定できない。もっとも日本は戦争できないので、米中の代理戦争を意味するが、【米】が代理戦争をする気がなければ、【中】は無血開城で【日】を乗っ取ることができてしまう。
 【日】は金持ちなので、【米】にとっては(今のところ)重要な存在であるため、【日】と【米】は同盟を結んでいる。しかし、その同盟が揺らげば、【日】は【中】にいじめられた挙げ句、殺される可能性もあるということである。

 ここで、「日本には平和憲法がある」と言う人がいるかもしれないが、「平和憲法」というのは、先程の喩えで言うなら、『いじめはしてはいけない』という学校の決まり事のようなものだと言える。現代の学校のいじめ事件を見てもお分かりのように、そのような呑気な決まり事を守ろうとする律儀ないじめっこは誰もいない。いわんや前近代的な無法国家にとっては、そんな決まり事は、ただの紙切れに書いた約束事に過ぎないという現実を知る必要がある。以前の記事にも書いたことだが、平和憲法とは自国の政府を縛る機能しか有していないのである。

 古今東西、老若男女を問わず、いじめっこが最も恐れることは、自分よりもケンカが強い相手が仲裁に入ってくることである。アメリカの一声で中国のデモが収まったことが、そのことを如実に物語っている。この三者間の関係は「いじめの論理」がそのまま当て嵌まると考えれば解り易い。

 しかし現在の日本では、どういうわけか、いじめを止めてくれるアメリカに対して非常に冷たい態度を取っていることは周知の通りだ。基地問題然り、オスプレイ問題然り、まるで、いじめっこの側に立ったような自虐的な言動を繰り返しているように見えてしまう。多くの国民が、そのことに対して少しも疑問を抱かないことが不思議でならない。一体どこの学校に、いじめを仲裁する人物の転校を願ういじめられっこがいるだろうか?

 また、中国は今後、原発を大量に増設する予定であることでも知られているが、日本の反原発論者達は、そのことについては黙ったままというのも可笑しな話だ。中国の原発で大事故が発生すれば、日本も無事では済まないのに、そのことについては都合良くスルーしている。
 「中国は日本のような地震大国ではない」という反論が聞こえてきそうだが、それは地震が起こる確率が低いというだけで、地震が起こらない(リスクがない)ことを意味しない。リスクをゼロにすることを目的とする人物が確率論を唱えることは御法度であり筋が通らない。

 中国政府から観れば、日本が原発から撤退するということは、「核武装も今後行わない」ことを意味するので、内心ではシメシメ…といったところだろうと思う。いじめっこに反抗するための武器(注意:あくまでも自らを守るための武器)をいじめられっこが自ら捨てるという行為が、いじめっこの目にどう映るかを考えれば、それが何を意味するか容易に想像が付くだろう。

 ここまで書けば、反原発デモが間接的に中国を利する行動に繋がっているということの意味が少しは理解して頂けたのではないかと思う。
 今回の尖閣事件を経験して、未だに中国政府が「いじめっこ」に見えないということであれば、自らの心に根付いた“平和ぼけ”をこそ恐れるべきである。

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