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暴行事件とオスプレイ問題を結び付けようとする人々

2012101801 未だにオスプレイの賛否問題で揺れている沖縄で、米海軍兵(沖縄常駐兵ではない)の青年2人が日本人女性に性的暴行を働いたということで逮捕された。
 非常に痛ましい事件ながら、この時期に、このての事件が起こるというのは、なんとも不運と言うか、間が悪いと言うべきか、いろいろと考えさせられるものがある。
 この偶発的な事件によって、沖縄ではオスプレイ批判がこれまで以上にヒートアップしているらしいが、はたしてこの2つ(暴行事件とオスプレイ問題)を同一線上で考えてよいものなのだろうか?

 まず初めにお断りしておくと、暴行を働いた米海軍兵2名は厳罰に処すべきであることは言うまでもない。しかし、毎度のことながら、個人が起こした事件を、米軍、延いては米国批判に強引に結び付け、意図的に反米感情を煽ろうとしているかに見えるマスコミの報道姿勢には疑問を感じざるを得ない。
 昨日の朝のテレビ番組でも、「(米軍批判の)うねりを起こそう」などと述べている司会者がいたが、これもちょっと飛躍し過ぎであり、少々、被害者意識(注1)が過ぎるのではないかと思う。
(注1:この場合の「被害者意識」とは、日本が米国に隷属しているかのような意識のことであり、事件に遭遇した女性の意識のことではない)

 例えば、ある警察署に在籍する2人の警官が痴漢を行ったとか、酔っぱらって女性に抱きつき暴行事件を犯したような場合、その警察署にいる他の警官に罪が有るのか?というと、有るわけがない。あくまでも事件を起こした2人の警官の個人的な資質の問題だと考えるべきである。
 「警官の管理指導がなっていない」というような意見もあるかもしれないが、警官もロボットではないのだから、どれだけ管理指導しようとも、罪を犯す(悪さをする)人間はある一定の割合で出てきてしまう。如何なる健全な組織であろうと、そこに所属する個々人の行動や感情を完璧に管理統制(コントロール)することなどはできない。そんなことが本気でできると思っているのであれば、それはただの妄想である。

 そもそも、いじめの発生すら管理できない学校という(健全なはずの)組織をつぶさに観察し報道してきたマスコミであるならば、それぐらいのことは理解しているはずだ。
 感情のみが暴走した人々を対象とした“感情論ビジネス”と割り切って報道を行っているだけなのかもしれないが、中国との外交問題を抱えたこの時期にヘタな報道(注2)を行うことは控えた方が無難だと思う。
(注2:被害者である女性を軽視するという意味ではない)

 実際、日本でも警察官が痴漢を行ったとか、盗撮を行ったというニュースはよく耳にする。社会的責任の高い警官でさえもそうなのだから、米兵もこの例外ではないというだけの話である。真に責めるべきは罪を犯した人間であって、その罪を犯した人間が所属している組織でもなければ、国でもない。
 所属組織にも全く責任が無いとは言えないが、“管理できなかったこと”と“実際に罪を犯したこと”を比較すれば、どちらが悪いかは明白だ。

 念のためにもう1度言うと、私は米軍を持ち上げるつもりはないし、事件を起こした米兵を擁護するつもりもさらさらない。

 結論を述べる前に、人間の罪について少し考えてみよう。

 痴漢は悪いことか? イエス。
 暴行は悪いことか? もちろんイエス。
 窃盗は? いじめは? これらも、もちろんイエスだ。
 では、これらは絶対的に無くすことは可能か? 不可能である。
 なぜか? 人間が間違いを犯す業の深い不完全な生き物であるからだ。

 組織が個人を管理・教育することで、そういった間違いを犯すことを減少させることは可能かもしれないが、物事の善悪を教えるのは組織というより親の方であり、善悪を判断するのは自分自身である。その自分自身の判断で罪を犯した場合、責められるべきは、組織ではなく、その人物に善悪を教えた人間か、あるいは善悪を判断し行動に移した本人自身である。細かく言えば、子供の場合は「親」の責任であり、大人の場合は「本人」の責任だ。
 こんなことはわざわざ述べるまでもなく、今時の小中学生でさえ理解していることだと思われるが、なぜか現代の日本のマスコミの論調では、以下のようになってしまっている。

 米兵が罪を犯した → 米軍が悪い → 米国が悪い

 もし、この理屈が正しいのであれば、

 警官が罪を犯した → 警察が悪い → 日本が悪い

ということになってしまうが、はたしてこれが正しい認識だと言えるだろうか?

 もし、あなたが、上記の思考チャートを見て正しいと思うのであれば、一度、自分自身の認識力を疑ってみた方がよいかもしれない。況して、この問題をオスプレイ問題と強引に結び付けようとするのは、こじつけも甚だしいと言える。暴行事件というマイナスイメージを利用してオスプレイ問題を着飾ろうなどという考えは、被害に遭った女性に対しても失礼だと思われる。

 本来の正しい思考チャートは以下のように実に単純だ。

 米兵が罪を犯した → 米兵が悪い → オスプレイは無関係

【結論】暴行事件とオスプレイ問題は別の問題として考えるべきである。それが良識ある大人の対応というものだ。

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コメント

結びつけるべきではないまでは私も同じ考えですが、米国軍人だけ特別に考慮すべき点として日米地位協定があります。
これのおかげで、米国軍人が起訴されるケースは極端に低いのが実情です。
従って、日米安保を現状どおりとし、オスプレイを配備するにしても、日米地位協定は速やかに見直すべきと考えるのが良識ある大人と思いますし、それを言わないのであれば、暴行事件とオスプレイを結びつける人々と変わりないと思います。

投稿: OK | 2012年10月24日 (水) 13時27分

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