« 「保守」が「右翼」となる日本の不思議 | トップページ | BOOK『日本興国論』を読んで。【微量の放射線は万能の良薬】 »

『日本維新の会』の支持率低下と“外交オンチ”

2012100601_2

 ここに至って、『日本維新の会』の支持率が民主党と同水準まで急落しているらしく、これまで橋下氏の支持者だった人々の心境にも少しばかり変化の兆しが見られるようだ。

 橋下氏の人気の秘密は、これまで誰にも出来なかった「官僚主導型政治を国民主導型政治に変えてくれるかもしれない」という淡い期待感だった。

 少し前までは、橋下氏が言うところの「道州制(地方分権政治)」が日本を変える起爆剤になるという見方をしている識者も数多くいたが、どうやら少し雲行きが変わってきつつあるようだ。

 無駄の多い日本の官僚社会主義システムを改革することが必要であることには変わりはないのだが、運が悪いと言うべきか、間が悪いと言うべきか、目の前に“中国の脅威”というものが台頭してきたため、国民の関心事スイッチは「国内政治」から「外交問題」に切り替わってしまったようである。

 国内の「合理化」と「安全性」を秤に掛けると、必然的に世論は後者に傾くことになる。なぜなら、「安全性」あってこその「合理化」であるからである。言わば、大【中国】に小【官僚】が呑み込まれた格好だ。

 国内の「合理化」をいくら推し進めたところで、その国自体が他国に乗っ取られてしまえば元も子もなくなってしまう。『道州制』にして日本を元気にするどころか、中国に占領されて『○○省制』になってしまっては元も子もないというわけだ。

 ここで、「安全性」ということなら、原発問題もそうだろうと思った人がいるかもしれないが、それは全く違う。

 最近、「このままいくと、日本と中国は戦争になる」というような意見をよく耳にするが、国際問題アナリストの藤井厳喜氏の書籍【NHK捏造事件と無制限戦争の時代】によると、日本と中国は既に戦争状態にあるらしく、もうずいぶん前から日本は中国による情報戦争の渦中に巻き込まれているというのが真相であるらしい。

 そういったリアリスティックな視点で現状の政治を見つめれば、外交政策に乏しいかに見える『日本維新の会』では、少々心許無いというのが実際のところなのだろうと思う。竹島や尖閣問題までをも大衆迎合のポピュリズム政治に利用しようなどという軽いノリが見透かされてしまったことが、同党の支持率が急落した原因になってしまったと言えるのかもしれない。

 大飯原発の再稼働を認めた時点では、橋下氏も大衆迎合を捨てたのかと少し期待したものの、その後はどっちつかずの姿勢を取っており、どちらかと言えば、脱原発派に傾倒しているようにも感じられる。

 マスコミの世論調査では、原発推進派よりも原発反対派の方が多いということになっている。正直、それが本当の世論の姿だとは思えないが、民主主義が多数決の原理を採用している限り、大抵の政治家は大衆に迎合せざるを得ない。しかし将来、その政治家の選択が誤った判断であったことが判明した場合、その政治家の信用は一気にガタ落ちすることになり、歴史に汚名を残すことになる。

 民主党の野田総理が消費税の増税政策によって歴史に汚名を残すことになるだろうことは以前にも述べたが、橋下氏もこのままポピュリズム路線を選択し続けると、せっかくこれまで築いてきた改革者としての「美名」を失ってしまう可能性があるように思える。

 外交問題を考える上で重要なことは日本のエネルギー問題である。原油資源の無い日本では、原油の代わりに原発がエネルギー政策の根幹を為してきたわけだが、1度の地震(と言うより津波による人災事故)で、原発から完全撤退するというような安易な選択をしてしまうと、明確な代替エネルギーが無い現在の状況では、化石燃料に依存せざるを得なくなる。これは何を意味するのかと言うと、「国の命運を他国に依存してしまうことになる」ということである。

 原発をどうするのかという選択は国内だけの問題ではなく、エネルギーを自国で賄うのか、それとも他国に依存するのかという単純でありながらも非常に重要な選択なのである。

 この場合、後者(他国に依存)を選択すれば、その依存国(または依存国の関係国)の外交問題如何によっては、日本にエネルギー(原油)そのものが入ってこなくなる危険性が有るということである。自国でエネルギーを賄えなくなった国が、他国からのエネルギーまで遮断されるとどうなるか? 当然、日本経済は崩壊の危機に晒されることになる。

 もし本当にそんな事態になると、もはや社会保障などとは言っていられなくなる。年金制度も保険制度も全て名実ともに崩壊することになり、自殺者は3万人どころではなくなってしまい、ある意味でどのような大地震の犠牲者よりも多くの被害者(人災による被害者)を生んでしまうことになる。

 そしてその「エネルギーの窮乏」という名の危機が、皮肉にも戦争の引き金になってしまう可能性がある。そんな悲惨な状況下では「脱原発」と叫ぶような人は誰一人いなくなるだろう。その時になって「脱原発」という耳障りの良い甘い言葉が奈落への扉を開く呪文であったことに気付いても手遅れだ。

 エネルギー政策が、そういった危機と隣り合わせにあるということを少なからず理解している政治家であれば、「脱原発」などというような言葉はおいそれとは言えないし、領土問題をポピュリズム政治に利用しようなどとは思わないはずである。この辺の慎重さに欠けた言動をとることは政治家としては御法度であり、ヘタをすると政治家としての致命傷を負うことに繋がる。

 与党・野党を問わず、「脱原発」などと宣っているような政治家は「ポピュリスト」か「外交オンチ」、またはその両方を満たしていると思って間違いない。

 『日本維新の会』の支持率の低下が示すものは、残念ながら『日本維新の会』自体が“外交オンチ”というレッテルを貼られてしまったと見るのが妥当なところだと思う。

 できれば、改革者としての橋下氏の批判はあまりしたくなかったのだが、正直に思うところを書かせていただいた。悪しからず。

にほんブログ村 経済ブログへ

|

« 「保守」が「右翼」となる日本の不思議 | トップページ | BOOK『日本興国論』を読んで。【微量の放射線は万能の良薬】 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

大分 嘘が多い文章ですね
いいかげんにしろ

投稿: mmm | 2012年10月 6日 (土) 10時19分

論旨展開に詭弁の多い文章ですね。

たとえば情報戦争は両国間の関係が深ければ必然的に発生する事で、日米では以前からごく当たり前のことでしょう。

また橋下の人気低下を外交面のあり方が原因との見解ですが、これも極めて少数派の見解と思われます。党首、幹事長、参加した国会議員、この三者のブレ、バラバラ感が維新の民主党化に繋がり始めている(組織形成の面でね)。

投稿: | 2012年10月 7日 (日) 07時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/55823234

この記事へのトラックバック一覧です: 『日本維新の会』の支持率低下と“外交オンチ”:

« 「保守」が「右翼」となる日本の不思議 | トップページ | BOOK『日本興国論』を読んで。【微量の放射線は万能の良薬】 »