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バブルの功罪【アベノミクス・ユーフォリア】

2013012001 この2ヶ月間、日経平均株価は1ヶ月に1000円程度騰げ続けており、節目と言われていた11000円を早々に超えそうな雰囲気になってきた。チャート的には12000円を超えると14000円までは青天井相場になる可能性もあり、海外からの投機マネーの流入も手伝い、日本の株式市場は軽度の陶酔的熱狂(ユーフォリア)状態が生まれつつあるかに見える。
 こういう時期には我先にと株式相場本が出版されるが、書店を覗いてみると、「2013年は大相場になる」という触れ込みの本が増えてきつつあるようだ。

 実際、この2ヶ月間に株式投資(株式投機?)で大儲けした人は多いらしく、短期間の内に泡銭(あぶくぜに)を手にした個人投資家も結構出てきているらしい。私の場合、何年も前から塩漬けだった株式の含み損が少しマシになった程度なので、ほとんど関係のない話だが…。

 昔から「株式投資で1年間に5%の利益を出し続けるのは至難の技」と言われる通り、一時は儲けても、最終的に手元に残るお金はせいぜい数%というのが相場でもある。これは私も実際に経験したことなのでよく解るが、ほとんどの投資家はマイナスになるのだろうと思う。
 藤沢数希氏の『なぜ投資のプロはサルにも負けるのか?』の話ではないが、株式投資は理性的に深読みせずに、感情的に何も考えない方が儲かる場合もある。ある意味、付和雷同型の人の方が株式投資(投機)に向いているのではないかとさえ思う時がある。あのニュートンでさえも株式投資で大損したことはよく知られている。

 これは半分ジョークだが、感情的な脱原発派の人々は案外、株式投資(投機)には向いているかもしれない。と言っても、彼らの多くは金儲けや自己責任を否定する考えの人々だと思われるので、違う意味であまりオススメはできないのだが…。

 バブルという現象は善か悪か? これに対する世間の回答も綺麗に真っ二つに分かれる。とにかく「バブルは悪だ」ということで、ひたすら日本のバブルを潰してきた官僚もいれば、「バブルは善だ」と言っているエコノミストも大勢いる。

 私はバブルには功罪があると思う。「」の方を言えば、バブルというものは、景気刺激現象であり、税収を上げる最も有効な手段(?)の1つだと思う。
 株式市場が活況を呈することがなぜ良いことなのかと言えば、泡銭を儲けた人が気前良く、消費と納税を同時に行ってくれるからだと言える。コツコツと汗水たらして儲けたお金はなかなか使用できないが、泡銭なら気前良く使用するという人は大勢いる。そして、株式売買で儲けたお金には10%の税金(現状では所得税7%、市民税3%)がかかるので、バブル相場における増税収効果は計り知れないものがある。

 もっとも、「二重課税」として悪名高い現在の株式譲渡益課税には私も以前から反対している。民主党は「課税率を20%にするべきだ」と言っていたが、ただでさえ損失を抱えている個人投資家の立場から言えば、悪法以外の何ものでもないと思う。
 「株式投資家=金持ち」などという時代遅れな左翼発想は止めて、現在与党の自民党には景気刺激策の一環として、これ以上の株式譲渡益課税の増税はしない(理想は課税ゼロ)ように願いたい。
【関連記事】『景気が悪くなることを望む左翼政党

 先程も述べたように、株式市場で泡銭を手にした人々の多くは、大々的な消費活動を行ってくれる。しかし、そういったバブリーな人々の大半はそのうち、株式市場で大損することになり、結局、最終的には“消費活動だけが残った”ということになるケースがほとんどだと思う。しかし、それが悪だと言えるか?というと、必ずしも悪とは言えない部分がある。
 現在の日本の不況は「消費不足」であることが1つの大きな原因なので、その解決策である「消費活動」を引っぱり出すことができるという意味では株式市場のバブル化はプラス現象と捉えるべきだ。
 お役人の人為的なバブル潰しによって急激に株価が暴落することは悪だと言えるが、バブルが発生すること自体は悪だとは言えないし、緩やかにバブルが萎んでいくのであれば、それほど問題視する必要もない。

 バブル現象が悪だと言うのであれば、そういう人は株式市場には参加しなければいいだけのことである。しかし仮に、バブルによって消費活動が促進され、景気が良くなるという結果が生まれたのであれば、その現象を齎した立役者は、リスクを取って泡銭を手にし、消費活動を行い、場合によっては大損した株式市場参加者達だったということは忘れてはいけない。
 バブル現象を齎した投資家(投機家)達は、見方を変えれば、投資活動ならぬ、慈善活動を行ってくれたということになる。彼らは投資活動には失敗(=悪)したかもしれないが、慈善活動には成功(=善)したのである。その結果こそが最もシンプルな「バブルの功罪」である。

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コメント

 バブルが悪なのは、デフレとセットだからです。
 デフレと均しで見れば、潜在成長率を低迷させる方向に働くからです。
 ジェットコースターみたいな景気変動では潜在成長率は上がらず、中長期的に投資収益率(=年金利回り)も本業所得も伸び悩むのです。

 だから、先進各国はインフレ目標政策で、適正インフレ率を維持しようとしてるのです。

 バブルもデフレも国民益を低迷させるのです。

投稿: joju | 2013年2月 3日 (日) 17時54分

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