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朝生『激論!日本復興のシナリオ』を観て。

2013010201 元旦に録画していた朝まで生テレビ!『激論!日本復興のシナリオ』を観てみた。

 内容的には、与党に返り咲いた自民党のアベノミクスの先行きを占うもので、広く浅くながらも比較的に多岐に及んだ内容だった。中でも竹中平蔵氏の発言が際立っており、「経済には期待値が重要」という発言は、まったくその通りだと思った。

 当番組には、ベストセラー『デフレの正体』で有名な藻谷浩介氏も出演されていたが、経済における心理学的な側面を重要視する竹中氏と、あくまでも統計学的なデータに拘る藻谷氏は実に対照的に感じられた。番組中の当人達の言葉にもあった通り、まさに「マクロ」(竹中氏)と「ミクロ」(藻谷氏)という感じだった。その言葉を象徴するかのように、勝間和代氏が藻谷氏に対して「木を見て森を見ていない」というようなツッコミ(?)をされていたのが印象的だった。

 最近、「アベノミクスの影響で株価が騰がり円安になっている」という意見をよく耳にするが、実質的にアベノミクスが実行されたわけではない。全く何も行われていないにも拘らず、これだけ経済が拡大方向に向かっているのは、まさしく「期待値」の為せる業である。このまま行くと将来的には“大胆な金融緩和が行われ、景気が良くなるかもしれない”という期待値が経済を動かしている。
 無論、海外の投資家もその流れに乗っている。その流れにマネーゲーム的な側面が有ることは否定できないが、そんなことを否定しても何も始まらない。投資であろうと投機であろうと、自国の株式市場に活気を与えてくれる(資金を注ぎ込んでくれる)人間がいることは喜ぶべきことである。
 「金融緩和を行うとインフレになる危険性がある」と言っても、未だ全く金融緩和は行われていない。ゆえに現在の状態は、全くインフレになる危険性が無い状態で、経済が拡大しているということになる。ここが非常に重要なところで、「経済は人間心理で動く」「景気は気のもの」という言葉の意味する状態が、現在の株高、円安を齎している。

 アベノミクスが行われることによって結果がどうなるかは分からない。吉と出るか凶と出るかを予想することはできても、誰にもハッキリと断言することはできない。
 しかし、だからといって悲観論に傾き何もせずにいれば良いというわけではない。アベノミクスがどういう結果になろうとも、具体的なビジョンを国民に提示することこそが、経済を拡大する意味で最も重要なことでもある。極言すれば、具体的なビジョンさえ示すことができれば、結果は後から付いてくる場合も有るのである。

 そういった集団心理が齎す経済動向というものは、官僚的に過去の統計をいくら頭に詰め込んでも全く導き出せないものである。統計学というものを用いて経済を計ることができたのは経済が右肩上がりの確実性の時代のみであり、そういった時代は既に終了している。先行きの分からない不確実性の時代には、過去の統計などは全く役に立たない。これは当たり前の話だが、確定された過去の統計から不確定な将来の期待値は計測できないのである。

 民主党が政権を担っても株価が全く上がらなかったのは、期待値が無かったから。つまり、集団心理を理解した経済政策が全く採れなかったことにある。多くの国民は内心で“民主党では景気が悪くなるに違いない”と思ったからこそ、経済が低迷したままで一向に拡大しなかったのである。

 「そんなはずがない!」と言う人がいるかもしれないが、そんなはずはあった。なぜなら、民主党の場合、経済政策の善し悪し以前に、経済(成長)政策自体が無かったからだ。国民に明確なビジョンを示すことができなかったことが、民主党の最大のマイナスポイントだったと言える。
 人間心理が経済に与える影響を無視する(または理解できない)人々のことを「経済音痴」と言う。民主党が「経済音痴政党」と言われた所以である。自民党が掛け声だけの「経済音痴政党」でないことを祈りたい。と同時に、アベノミクスが期待値を上回ることを期待したい。

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