« 「日本病」の処方箋『景気連動政府』 | トップページ | 日本国憲法を『不磨の大典』にした人々 »

『電力赤字主義』を強要する人々の愚

2013050201■インフレとは無関係な電気代の高騰

 関西電力の今年度3月期決算は最終損益が2434億円の赤字(前年は2422億円の赤字)となり、2年間で5000億円近い赤字を計上したと伝えられている。原発事故の発生した東京電力だけでなく、全国の全ての原発がこんな調子なのだろう。主たる原因は言うまでもなく、原発稼働率低下に伴う火力発電費用が膨張したためだ。このまま原発を停止し続けていると、関電だけでも毎年2000億円以上の赤字となり、その赤字の補填は我々一般国民が電気代として負担し続けなければならないことになる。

 この負の連鎖を断ち切る方法は基本的には次の2つしかない。

 1、原発を稼働させる。
 2、電力会社を倒産させる(=日本経済の崩壊を意味する)。

 まともな思考判断のできる人であるなら、上記の2つのどちらを選択するかは考えるまでもないと思う。原発は危険だという感情論はひとまず横に置いておいて、取り敢えず「」の原発稼働を選択し様子を見るというのが最も賢く無難な方法だろう。
 原発を今後どうするのかは原発が稼働している状態で考えればよい。その程度の微かなリスクも受け入れられないと言うのであれば、日本を捨てて原発の無い国にでも移住していただいた方が良いのではないかと思う。
 電力会社の株主でもなく、原発稼働に反対していない人間までインフレとは無関係な電気代の高騰(電力会社の赤字)を受け入れなければならないというのは不条理かつ理不尽極まりない話である。
 一応お断りしておくと、ここで言うところの「電力会社の赤字」というのはあくまでもミクロの話であって本題ではない。マクロ的な本質は「日本経済の衰退」を受け入れるか否かということを意味している。たかが数千円の電気代の話ではなく、「景気の悪化」をみすみす受け入れなければならないことが不条理だという意味である。

■「不合理な火力発電を強要する」という社会主義

 よく原発反対論者達は、原発容認論者に対して「国を擁護する社会主義者だ!」と罵っているが、これはトンデモない勘違いである。社会主義が齎す悪弊の第一義は、「非効率な全体システムを個人に強要することで発生する不合理社会」だが、まさに原発反対論者の行なっていることが、その社会主義の強要に他ならない。「全体」という言葉を「火力発電」に置き換えてみればよく分かる。

 「非効率な火力発電システムを個人に強要することで発生する不合理社会

 これこそが、まさに社会主義であり、現在の日本が置かれている状態だ。効率化を願う原発容認論者の意見を無視し、非効率な火力発電システムを強要することで不合理社会が齎される。国民全てに電力会社の無駄な赤字補填を強要するというシステム自体が既に社会主義なのである。

 逆に原発の場合を考えると以下のようになる。

 「効率的な原子力発電システムを個人に強要することで発生する合理社会

■21世紀をリードするのは「国家個人主義」

 昨日、安倍総理が国の営業活動(中東外交スピーチ)の一環で、サウジアラビアのサルマン皇太子に対して「世界一安全な原発の技術を提供できる」と言ったことで物議を醸しているが、実際に日本の原発技術は世界中が認めている。認めているからこそサウジアラビアも原発の発注に合意したと考えるべきであり、これが中国や北朝鮮のような国であれば、どこの国でも信用しないだろう。
 1回の事故やミスで、やり直しがきかなくなる社会というのは日本のお家芸だが、それを世界の常識だと思ってしまうのはあまりにも早計だ。
 ここ最近の報道を観ていても、この国のマスコミは一体どこの国のマスコミなのか?と疑いたくなる。猪瀬知事に対しても、安倍総理に対しても、国内で批判するのは結構だが、なぜ他国に対してまで自国の評価を下げるようなことばかり宣伝しなければいけないのか甚だ疑問である。日本以外にこんな自虐的なことをしている国が他にあるだろうか?
 自国を良く見せるように努めるのが本来のマスコミの姿であり、たとえ猪瀬氏が暴言を吐いたとしても、“オリンピックを誘致する”という目的のために精一杯、猪瀬氏を擁護するのが本来のマスコミの仕事ではないのだろうか? 国益というものを無視し、単なる1個人のような認識で批判する姿勢には違和感を感じざるを得ない。反省しているという姿勢を他国にアピールしたいというならまだ理解できるが、単なる言葉狩りに堕しているような気がしてならない。

 この国には、「個人主義者」を名乗る人は数多いが、ほとんどが国家観を持たない個人主義者(リベラリスト)だということが原発事故で明らかとなったように思う。リベラリスト達は、国家社会主義を批判するが、自分達も個人社会主義者であることが解らないらしい。

 外交リスクが増大しつつある現在および今後の日本に必要なのは、国家観を持ちつつも、個人を尊重するという「国家個人主義者」だろうと思う。マクロな国家観とミクロな個人、その両方の視点を持ち併せ、国の発展と個人の成長を同時に考えることのできる人々こそが21世紀をリードするに相応しい。(ちなみに「国家個人主義者」というのは私の造語なので辞書には載っていません)

にほんブログ村 経済ブログへ


|

« 「日本病」の処方箋『景気連動政府』 | トップページ | 日本国憲法を『不磨の大典』にした人々 »

社会問題」カテゴリの記事

コメント

火力発電による地球温暖化が心配ですね。typhoon

投稿: beat | 2013年5月 4日 (土) 22時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/199859/57297219

この記事へのトラックバック一覧です: 『電力赤字主義』を強要する人々の愚:

« 「日本病」の処方箋『景気連動政府』 | トップページ | 日本国憲法を『不磨の大典』にした人々 »