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「株を持っている人はいいですが…」という空虚な台詞

2013050901■「株式投資とは無縁」と思い込んでいる人々

 アメリカのニューヨークダウ平均株価が15000ドルの大台を突破したことも手伝い、アベノミクス相場にも拍車がかかってきたようだ。年初に多くのエコノミストが予想していた通り、日経平均株価は14000円を突破した。
 株式投資に「絶対」という言葉は無いので、単に運が良かっただけだとも言えるが、私も「12000円を超えると14000円まで真直ぐ騰がる」と予想していた。この辺りまでなら私のような素人でも予想が付くレベルだったということだろう。
(該当記事→バブルの功罪【アベノミクス・ユーフォリア】

 この先、株価はどこまで騰がるのか?
 地政学的な外交リスクと消費税増税問題さえ無ければ、「2万円超え」と言いたいところだが、そんな予想を公言するのは地震の予知と同様、ほとんど無意味なことなので、これ以上は控えておこうと思う。

 民主党から自民党に政権交代し、日経平均株価が2倍になったことで、最近よく耳にする言葉に以下のようなものがある。

 「株を持っている人はいいですが…

 この言葉を具体的に翻訳すると、「アベノミクスで景気が良くなったと言っても、現状では株価が騰がっているだけで、株式投資とは無縁の一般人には関係がない」ということになるのだろうが、よくよく考えると、これも可笑しな話である。

■誰にでも等しく儲けるチャンスの有る株式市場

 確かに数千万円、数億円単位の株式を保有している人であれば、株価が騰がれば相当の値上がり益を享受できる。しかし、それは値上がりしている優良な銘柄を持っている人に限られる。リーマンショック前から保有しているような株は未だ含み益が出ていない銘柄も結構有るだろうから、株式を持っているからといって、全員が全員儲かっているわけでもない。と言うよりも、むしろ儲かっていない人の方が多いのではないかと思う。実際、電力株を大量に保有していた資産家などには大損した人も多い。

 そう考えると、場合によっては今から株式投資を始めるという人の方がプラスのスタート地点に立てることになる。現在、含み損を抱えてマイナス地点にいる投資家からすれば、「株を持っていない人はいいですが…」と言いたくなるわけだ。
 それに株式は売らない限り、現金は手元に入ってこない。株価がいくら買い値より騰がっていようとも、利益確定しない限り、ただの含み益だ。配当が目的の長期投資家は値上がりしても売るとは限らない。株価が数十倍になって株式分割するような銘柄(例:ガンホー等)であれば話は別だが。

 「株を持っている人はいいですが…」と言っても、現在は1株当たりの株式の購入額は(ホリエモンの株式分割騒ぎのお蔭もあって)安価になっているので、個人でも株式を購入することは十分にできるし、その環境も十二分に整っている。
 ネット証券を利用すれば、昔のようにわざわざ証券会社に出向いて購入する必要もなく、電話で売買注文する必要もない。加えて、手数料も大幅に安くなっている。10年程前のネット証券の売買手数料は700円程度だったと記憶しているが、現在では10万円以下の株式なら100円程度まで手数料が下がっている。

 先の例で述べたガンホーなどは、1年足らずで株価が実質50倍になっている。物凄く先見性が有り強運の持ち主であるなら、2万円で購入した株が、100万円に化けた人もいることだろう。
 ガンホーは例外としても、数万円程度の資金とネット環境さえあれば、誰にでも等しく儲けるチャンスが有るというのが現在の株式市場の実態だ。「株を持っている人はいいですが…」と嘆く姿が如何に心の貧しい台詞か分かる。

■「株は怖い」という『嘘から出た実』

 無論、株式投資にはリスクが付き物だが、極めて敷き居の低い世界であり、個人が参入することを阻む勢力もない。
 現代は、誰でも資本家になれる時代であるのと同じように、ほんの少しのリスクを取ることのできる人であれば、誰でも株式投資家になれる時代でもある。そんな時代にあって、「株を持っている人はいいですが…」と嘆くのは、未成年者の台詞としか思えない。少しの勇気を持って自らも株を買えばいいだけの話なのだが、大の大人からなぜ、このような言葉が出てくるのか不思議としか言い様がない。
 「リスクが有ってはいけない」という人々は株式投資とは無縁かもしれないが、大抵は「株は怖い」というような思い込みが邪魔をしているだけではないだろうか?

 「株は怖い」という言葉も誰が広めたのか知らないが、およそ実体とは掛け離れた言葉である。「株は怖い」よりも「パチンコは怖い」「競馬は怖い」「宝くじは怖い」の方がまだ現実に即しているように思う。株式投資では余程のことがない限り、元本が0にはならないが、パチンコも競馬も宝くじも高い確率で元本が0から10%になる。
 「株式投資で借金を抱えてしまった」というような話は、信用取引に手を出して失敗した人の話であり、余剰資金で現物株を売買している限り、大損することはあっても、借金を背負うことは絶対に有り得ない。
 そもそも借金したお金で株式の売買を行なうという行為は博打であり、まともな投資活動とは言えない。そんな稀な失敗談を元に「株は恐い」という噂話が真実になってしまったのだろう。「嘘も百回言えば真実になる」という言葉は、身近な日本国内にもあったというわけだ。
 「株は怖い」と同じように「お金は汚い」「お金は醜い」というような心の貧しい思い込みを常日頃抱いていると本当に貧しくなる場合があるので、そういった洗脳から脱皮しよう。現在の株式相場には、その洗脳を解く力が有るかもしれない。

【注意事項】
 本記事は万人向けの株式投資のススメではありません。リスクゼロを愛する人に株式投資はオススメしません。呉々も株式投資は自己責任でお願いします。

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