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日本国憲法を『不磨の大典』にした人々

2013050501■日本国憲法が内包した『諸刃の剣』

 5月3日に参議院選前の憲法記念日を迎えたことで、政治家を中心に憲法論議が盛り上がりつつあるようだ。憲法改正に前向きな自民・維新・みんなの党等の影響もあり、これまで平和憲法として『不磨の大典』と化していた日本国憲法にもようやくメスが入りそうな雲行きになってきた。

 現在の日本国憲法というのは、日本が独立国として自ら作成したものでないことは周知の通りで、第二次世界大戦で日本の軍事体制を心底恐れた戦勝国(米国)が、日本が二度と戦争を起こさない(歯向かわない)ようにするために起草したものであることもよく知られている。
 具体的に言えば、自分の命も惜しまずに特攻してくるような、現代で言えば自爆テロリストのような人々に恐れをなしたわけだ。良い悪いは別にして、そういった軍人を作り出した日本の精神を骨抜きにすることを目的に作られたものが現在の日本国憲法であり、その狙い通り、日本は自ら戦争を起こすことはなくなった。おまけに熱烈な護憲派(主に左翼)が誕生したことによって、その目的は米国の意思に関係なく日本人の手によって半自動的に遂行されていくことになった。
 実際のところ、現在のアメリカ政府は日本国憲法のことなどもうほとんど意識していないかもしれない。平和ぼけした日本に憲法9条など必要ないことは、とうの昔に見抜かれていることだろう。

 アメリカから憲法を与えられたことについては、軍事国家(軍部の暴走)を縛るという意味では善だったかもしれない。しかし、他国からの軍事的脅威というものに対しても全く無力になるという諸刃の剣を内包した欠陥憲法でもあった。
 東西冷戦時代は、アメリカが世界の警察を気取り、実際にその役割を果たしていたため、日本はアメリカの庇護の下、経済発展だけに邁進することができた。当時はアメリカに歯向かって勝てる国など皆無であったため、アメリカとの安全保障条約さえ機能していれば、日本が戦争に巻き込まれるような心配もまた皆無だった。

■戦争で殺される心配をする時代の到来

 ところがアメリカ経済にも翳りが見え始め、軍事費の縮小を余儀無くされる時代を迎え、時を同じくして中国の軍事大国化が騒がれ出した。中国だけでなく、北朝鮮でも核兵器の製造が為されるようになり、日本は近隣国家の軍事的脅威に晒され始めた。
 「アメリカが軍事費を縮小し、中国が軍事費を拡大している」ということが、将来的に何を意味するのか理解できない平和主義者達は、アメリカとの安全保障条約を否定しながら、アメリカに押しつけられた自国も守れない憲法を有り難がっているという誠に滑稽な姿を世界に晒し続けている。その姿を嘲笑うかのように、中国にチョッカイを出されているのが現在の日本の状態だ。

 はっきり言うと、憲法9条の内容に関係なく、日本の誰も戦争など起こしたいとは思っていないだろうし、戦争に参加したいなどとも思っていない。ただ、戦争で死にたくないからこそ、憲法の改正を訴えているだけだろうと思う。現在の日本では、“憲法を改正することが戦争に繋がる”という心配よりも、“憲法を改正しなければ戦争で殺される”可能性の方が高く成りつつある。そのことが理解できるリアリストであるからこそ、リスクを回避するために憲法の改正(自国の防衛)を訴えているのだろうと思う。
 この時代の変化を感じ取れない政治家や評論家がいるなら、その人物は相当鈍感なオメデタイ人物だと言える。そもそも現在の日本に自国から戦争を起こさなければならない理由など微塵も無いので、「日本が軍国主義化する」だの「右傾化する」だのという批判は全くの杞憂でありお門違いだと言える。そんな批判は日本ではなくて、中国や北朝鮮に向かって言うべきだ。

■ホリエモンは外交オンチ?

 ところで先日、録画していた『朝まで生テレビ(ネット世代は日本を変える?)』を観ていると、ホリエモンが「安倍総理は戦争をやりたいと思っているの?」という質問をしていた。普段はホリエモンを擁護している私も、これにはさすがに呆れてしまった。
 彼の言うことは傾聴するべき正論も多いのだが、こと外交問題については田原氏も突っ込まれていた通り「勉強不足(認識不足)」なのかもしれない。おそらく悪気は無いのだろうけれど、知らないが由にあんなことが言えるのだろう。

 ホリエモンは「日本政府は立場を悪くするようなことを行わなければいい」というようなことも述べていたが、これもホリエモンらしくない矛盾した意見だなと感じた。
 彼が検察に対して粉飾決算を認めなかったのは「自分は罪を犯していない」という固い信念があったからだろう。外交問題もそれと同じで、自国が間違っていないという認識があれば、たとえ立場が悪くなろうと信念を貫かなければならないし、最低限の言うべきことは言わなければならない。もちろん、デリケートな外交問題だけにストレートに感情を曝け出すと問題をこじらせることに繋がるので、老獪な姿勢も重要になる。
 その辺の外交問題と正しい歴史認識と国家観を持っていないことがホリエモンのマイナスポイントになっていると思う。

 当ブログをホリエモンが閲覧することもないと思うが、これは批判のための批判ではないことだけは付記しておきたいと思う。

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