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『オリンピック招致』に揺れる反原発論者達

2013091301■民主党では不可能に近かった『オリンピック招致』

 まずは遅ればせながら、「祝・2020年 東京オリンピック開催」…と言いたいところだが、日本国内にはなぜか日本でのオリンピック開催を素直に喜べない人々が大勢いるらしい。

 今回のオリンピック招致における各国の問題点となっていたのは、以下のようなものだった。

 イスタンブール・・シリア問題(地政学的リスク)
 マドリード・・・・財政問題(経済的リスク)
 日本・・・・・・・原発(汚染水)問題(環境リスク)

 いずれもここ数年で表面化した問題を各国それぞれが抱えていた。“安定した国家体制”と“安定した経済状態”、そして“安全な競技環境”が必要とされるオリンピックなので、どこを選ぶにしても問題が有ると思われていたわけだ。しかし、冷静になって考えれば、この3国で最も適している(リスクが低い)のはやはり日本だろうと思う。

 オリンピック招致委員達にとっての日本の問題点は、お国全体の原発問題がどういった現状に置かれているのかということではなく、もし東京でオリンピックを開催することになった場合、選手達にリスクが及ぶのかどうかということだった。
 事実はどうであれ、残念ながら、反原発論者達が危惧するほどの大きな問題とは思われていなかったというのが実際のところなのだろうと思う。安倍総理を始め、日本の代表を務めた招致メンバー達のスピーチ等を観ても、原発問題を後ろ向きに捉えている人は誰もいなかったのも幸いしたのかもしれない。

 これが民主党政権であったなら、あの場で総理自らが原発事故の危険性をアピールしていたかもしれないと思うとゾッとするものがある。そうなると、招致メンバー達の感動的なスピーチも無駄になっていたかもしれず、今頃は日本国中、悲観的なムードに包まれていたかもしれない。

 景気は気のものであることを考えれば、オリンピックが開催されないことによる経済的損失(ダメージ)は想像以上に大きい。もし現在でも民主党政権のままであったなら、外交問題で大揺れになっていただろうし、経済政策無しのジリ貧国家というイメージを払拭できずにいただろうから、先述した3つのリスクを全て抱えることになり、オリンピックの招致は非常に困難だっただろうと思われる。

■「オリンピック賛成!」と「原発反対!」の相容れない関係

 ところで、オリンピック開催が日本に決定したことによる反原発論者達の心境は如何なるものなのだろうか?
 彼らの中にも、自国でオリンピックが開催されることに喜びを感じる人はいるのだろうと思う。しかし、内心では「オリンピック賛成!」でも、表面的には「原発反対!」なので、素直に「オリンピック万歳!」とは言えない。そういう悩ましい心理状態に置かれているだろうことは容易に想像できる。
 失礼ながら、感情的な反原発論者達のことだから、オリンピックの開催が日本に決定した瞬間に、原発のことなどすっかり忘れて「オリンピック万歳!」と叫んだ人も少なからずいたのではないかと想像するが、大部分の人々は複雑な心境を抱えているのではないかと思われる。

 彼らの一部は、その心理的矛盾を解消するためにか、責任の所在を「安倍総理が嘘を付いた」ということに置き換え、「オリンピックには賛成したいが、安倍総理の意見は許せない」という立場をとっているように見受けられる。しかし、そういった妥協(ダブル・スタンダード)も許さない生っ粋の反原発論者達は、「オリンピック反対!」の姿勢を頑に固持している。

 近隣の反日国家が日本でのオリンピックに反対するのは頷ける(納得できるという意味ではない)のだが、なぜ原発に反対している人々が国内でのオリンピック開催にまで否定的になるのか? これは非常に興味深い現象だと言える。

■確率論を無視し続けてきた存在論者達の矛盾

 彼らが言うように「原発の有る国はオリンピックを開催してはいけない」ということなら、アメリカやドイツやフランスなどでも今後オリンピックは開催してはいけないということになってしまう。

 こう書くと、「日本は他国に比べて地震が多い」という反論が返ってくるかもしれないが、他国でも地震や自然災害が起こる可能性はゼロではない。
 そもそも、これまで反原発論者達が問題としてきたことは、原発事故や地震が発生する“確率”の問題ではなく“存在(=可能性の有無)”の問題だったはずだ。いかにパーセンテージが低かろうが、原発事故や地震が起こる可能性がゼロでないなら原発には反対という姿勢を取ってきたはずだ。
 そうであるなら、「日本は他国に比べて地震が多い」では筋が通らなくなる。彼らが問題視してきたのは、地震の“多い・少ない”ではなく、地震の“有る・無い”であるからだ。

 となると、反原発論者達の心境はますます苦しくなる。何を理由にオリンピックに反対しているのか明確な説明ができず、自分でも分からないという人も出てくるかもしれない。素直に「原発」と「オリンピック」は別の問題だと割り切って考えればいいと思われるのだが、強引にその2つを結び付けようとするために矛盾が露呈してしまうことになる。

 “存在(=可能性の有無)”論に固執した場合、「原発が有る国はオリンピックを開催してはいけない」と言うのは、「地震が発生する可能性が有る国はオリンピックを開催してはいけない」と言っているのとほとんど同じである。彼らの言っていることを突き詰めて言うなら、「世界中、どこであろうとオリンピックは開催してはいけない」ということになってしまうのである。

 如何に善意の言葉で装ったところで、確率論を無視した存在論というものは、初めからそういった矛盾を内包するものであり、図らずも今回のオリンピック招致問題によって、その矛盾が透けて見えるようになってしまったとも言える。

 多くの有識者が真っ当な確率論を述べても、まったく意に介さなかった人々も、今回のオリンピック開催決定を境に、自らの思考的矛盾に気が付いてくれるかもしれない。もしオリンピック開催にそういった効能(目から鱗を落とす効能)が有るのであれば、日本経済にとっては大きなプラスになる。

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コメント

五輪もカジノも最初っから大賛成、観光立国で行く為には如何しても招致はしたい、その試金石だ、原発は無くても五輪は出来る、原発事故が起きたら大変な事に成る、今回もまだ原発事故の収取がおぼつかない状態だ、7年後に絶対に開催される保証はないのだ! それ程原発事故は危険なのだ、日本での原発は大反対だ!。AO

投稿: AO | 2013年9月14日 (土) 10時47分

「東京」以外は日本じゃないんじゃね?
東京在住者以外には、東京オリンピックなんてどうでもいいひとが多いです。
開催決定で大喜びしているのは、「利権」のあるひとでしょ。
交通インフラが整備される、東京国民の方々もね!
いっそ、東京は独立して、東京以外の日本を捨ててもらいたいものです。

投稿: にゃにゃしさん | 2013年9月14日 (土) 15時52分

五輪大賛成でーす。ワイワイ馬鹿騒ぎして儲けようぜ。開催までの7年間でどれだけ儲けられるかが勝負でしょ。たてまえはスッポーツで復興と言いましょう。被災地にの人も、原発事故で苦しんでいる人も一気に五輪の騒ぎに乗って難しいことは忘れて儲けましょう。今がチャンスでこれしかお金を儲けるチャンスはないよ。

投稿: AO | 2013年9月14日 (土) 15時54分

あなたの極悪な文章で死にたくなりました

投稿: | 2013年9月14日 (土) 19時54分

原発の話になると、反原発が沸いてくるので人の本性を炙り出すにはもってこいですね。
こういう表面だけにとらわれる考え無しが増えている時点で日本の国力が衰退している理由がわかります。
記事についてはわりと一面をとらえていると思います。

投稿: AA | 2013年9月15日 (日) 02時59分

何故原発反対派とオリンピック反対派をくっつけて分析する必要があるのか謎ですね。
オリンピック反対派の主たる主張は、
福島の事態収拾、被災地の復興を優先すべき、ってことで、
新たな事故のリスクがあるから反対、
なんて意見聞いたことないけど。

「オリンピック招致委員達にとっての日本の問題点は、お国全体の原発問題がどういった現状に置かれているのかということではなく、もし東京でオリンピックを開催することになった場合、選手達にリスクが及ぶのかどうかということだった。」
違うでしょw 「お国全体」ではなく、ひたすら福島からの影響の話でしたよ。
勝手に原発問題全体にすり替えないでください。

投稿: | 2013年9月16日 (月) 00時32分

えーと
つい先日、聞いた話ですけれど怒ったんで
東海、東南海、南海地震の被害額ってマスコミでよく強調されるんですけれど
リニアはどうなるかしら?
地下50m以下だと、地下の部分も多いし、
人命はどうなるかしら?
液状化がおきて、50m以下だとトンネルもまばらになるし、お金もかかる分、被害額もおおきそう。
重大な問題なのにマスコミでみかけないのがむかつくなあ。
なんでも、いくら一般人が重大意見を言っても、とりあげないとか。
それより、全国で列車がいいかと。
電車の数や線路の面積が多い分、経済効果が高いと思うんだけれど。
東京、大阪の新幹線で五千億円で走ったことを考えると、たくさん線路が走るんだけれど。
なにか残念な思いがあるなあ。

投稿: | 2013年9月19日 (木) 13時11分

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