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BOOK『本を読んだ人だけがどんな時代も生き抜くことができる』

2013102701_2■1年間で8万冊の新刊が出る国での読書術

 世の中には「読書家」と呼ばれる人々がいる。その定義は定かではないが、狭義の一説では1日1冊以上のペースで本を読んでいる人のことを指す言葉でもあるらしい。また、これと似たものに「活字中毒」と呼ばれる人々もいる。以前、なにかの本に書かれてあったことだが、活字中毒の人の中には、お風呂に入っている時でさえもシャンプーの裏書き(注意書き)を読まなければ気が済まないという人もいるらしい。まさに1日中、活字を読んで(見て)いなければ落ち着かないという感じだろうか。ここまでくるとまさしく、中毒(ジャンキー)である。
 インターネット社会は無料の活字倉庫でもあるので、そういう人であれば、例えばネットニュースや掲示板、BLOGOSに掲載されている記事などもジャンルを問わずに全て目を通しているのかもしれない。

 ところで、毎日新しく発売される新刊というものは200冊から300冊にも及ぶらしく、年間では8万冊近くになるとも言われている。「出版不況」と言われて久しいが、なぜか新刊の発刊点数は毎年増加する傾向にある。(注:発行部数と販売金額は減少している)
 その8万冊でさえ一生かかって読める人はほとんどいないだろうから、一般人が一生かかって読める本というのは、実に限られていることになる。
 1日に5冊を365日、それを50年間続けても9万冊程度だ。1年間に8万冊の本が発刊されるということは50年間で400万冊ということだから、仮に一生に10万冊の本を読む読書家であろうと、発刊された本全体の2.5%しか達成していないことになる。

 1日5冊(雑誌や漫画は除く)も本を読めれば、新たに書評ブログでも立ち上げられるかもしれないが、幸か不幸か、現在の私にはそれほどの余剰時間も速読能力も無いので、読む本は自ずと厳選しなければならない。その厳選手段の1つは、読書家の意見を参考にするというものである。
 世の中に出回っている本は玉石混淆で、読んでも時間の無駄にしかならない本というのは実際に有る。そんな駄本に出くわす可能性を低くするには、多くの本を読んでいる読書家の書評を参考にすれば、幾分かは時間の節約になる。

 先日、読書家として有名な千田拓哉氏の書評本『本を読んだ人だけがどんな時代も生き抜くことができる』を読んでみた。(ちなみに千田氏の本を読むのはこれが2冊目)
 千田氏は大学生時代に10000冊の本(1000万円以上)を読んだことでも知られている人物で、近々発売される本にも『1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く…』とあるので、これまでにおそらく10万冊近い本を読破されているのだろうと思う。
 氏の年齢は不明だが、本書の中に「作家の伊坂幸太郎と同世代」と書かれてあったので、おそらくアラフォー世代なのだろう。ということは、学生時代に10000冊+卒業後約20年間で(10冊×365日×20年=)73000冊となるので、単純に合計83000冊は読んでいる計算になる。

 それだけ大量の本を読んだ人物が厳選(フィルタリング)して推薦する25冊ということだから、きっとハズレは無いだろうと思い参考にさせていただくことにしたが、その厳選された25冊の内、数冊は私も既読の本だった。
 本書で特に興味を惹かれたのは、『残酷な社会で「目利き」になれる本』という章で、5冊中2冊の本は読んでいた。

■2人の正論者(近藤 誠氏と小室直樹氏)

 1つは『医者に殺されない47の心得』、もう1つが『日本国民に告ぐ』という本だった。
 どちらの本も本当のこと(?)が書かれ過ぎているためか、一般的にはタブー視される類いの本でもあるが、前者の近藤 誠氏は昨年(2012年)『第60回 菊池寛賞』を受賞したことで大きく注目された人物だ。近藤 誠氏の本については以前にも書評のブログ記事を書いたことがあるが、このての本がベストセラー(100万部突破)になったのは驚きだった。
 最近、この本に対抗した『「医療否定本」に殺されないための48の真実』(長尾和宏著)という本が出たそうで物議を醸している。12月には『絶対に、医者に殺されない47の心得』(岩田健太郎著)という本も出るそうなので興味の有る方は3冊とも読んで、どれが正しいかを考察するのも面白いかもしれない。

 千田氏は近藤氏の本の書評で最後にこう述べている。

 「本書すらすべてを鵜呑みにして、決断まで依存し切ってはならない。正しい情報を獲得した上で、決断は自分でするものだというのが著者の主張だ。

 これは、ある意味で私も同感だった。敢えて具体的に書かせていただくと、近藤氏のガン理論は、あくまでも人体やガンというものを物理的なものとして捕えた上での正論(結果論)であり、メンタルな面での考察(原因論)は乏しいと感じられる。病人を勇気づけるという意味での配慮も少々欠けており、少しニヒリズムに傾倒しているところがマイナスポイントということになるだろうか。

 後者の小室直樹氏は、本書にも書かれてある通り、残念ながら何の賞も贈られず言論界から干されてしまった人物だが、その功績はいずれ高く評価されることだろう。
 小室氏の『日本国民に告ぐ』は、平成8年(17年前)に出版された本だが、未だその輝きを失っておらず、むしろ、現代でこそ読むにはピッタリという感じの本だ。こういう本こそ「時代を先取りした本」というのだろう。知的好奇心を満足させたい人には、まさに打ってつけの本だと言える。

 近藤氏と小室氏の本は私も半分以上は読んでいるので、たまたま千田氏とダブった…と言うよりも必然的に重なったと言うべきなのかもしれない。

 千田氏のセレクト本25冊は、25冊全て読もうとまでは思わなかったが、半分程度は読ませてもらおうと思った。「これは」と思う本があれば、改めて書評記事を書かせてもらおうと思う。

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