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アメリカの債務不履行【デフォルト】という茶番劇

2013102001■「アメリカがデフォルトする」という空騒ぎ

 メディアでも大々的に取り上げられたアメリカ政府の債務不履行問題がようやく(一時的に)沈静化した。沈静化したと言っても、こういう結論(デフォルト回避)になるだろうことは端から分かり切っていたことなので、特に問題視する必要性もないのだが、マスメディアでは「リーマンショック以上の衝撃」というような悲観的な報道がまことしやかに伝えられていた。

 もし本当にアメリカがデフォルトする可能性が高いということなら、ニューヨークの株式市場も日本の株式市場も千円単位の暴落を演じていたはずだが、特に暴落するような気配は感じられなかった。
 市場というのは正直なもので、その情報(米政府のデフォルト)の信憑性は、世界各国の株式市場を見れば一目瞭然だった。株式市場を確認するまでもなく、まともな思考ができる人からすれば「茶番」であることは暗黙の了解事項だったとも言える。
 実際に多くの人々が「茶番だ」と言っていたが、著名な米国人投資家ジム・ロジャーズ氏も、この空騒ぎを無視していたらしい。

 確かにアメリカ政府が本当に債務不履行に陥れば、リーマンショックどころの騒ぎではないかもしれない。しかし、現在のアメリカがデフォルトするなどということは、およそ現実味のない話である。ギリシャ等のローカル国家のデフォルトは有り得ても、アメリカのデフォルトは基本的に有り得ない。
 基軸通貨国であるアメリカがデフォルトするということは、世界経済崩壊の引き金を引く危険性を伴うということだから、それはオバマケアの批判を行っている当の共和党自身にとっても決して喜ばしい事態ではない。こんなことは子供が考えても解る理屈だ。

■「民主党」と「共和党」の夫婦喧嘩

 「Too big to fail(大き過ぎて潰せない)」という言葉通り、アメリカ経済は大き過ぎて潰せない。それが基軸通過国の優位性というものである。もしその優位性が本当に失われる危険性が有るということであれば、どんな強攻策を用いてでも命懸けで阻止されることになっていただろうし、そもそも輪転機を回せば無尽蔵にお金を刷れる国が内輪の政争問題でデフォルトに至るはずがない。「デフォルト騒ぎ」と「真のデフォルト」を混同してはいけない。

 ではなぜ、こんな不可解なデフォルト騒ぎが発生したのか? おそらくそれはガス抜きのためだろう。アメリカ政府が自らの借金体質に気を遣っているという姿勢を各国に対し自作自演でアピールできれば、他国からの批判も弱まることになる。借金取りがうるさくなる前に、夫婦喧嘩を演じたと考えれば解りやすいかもしれない。
 このようなガス抜きと思われることはどこの国でも大なり小なり行われている。

 では日本はどうだろうか?
 日本でも安倍政権が原発再稼働路線を歩みつつあるので、野党はこぞって反発している。こういったものもアメリカの民主党と共和党のようなガス抜きの茶番であれば、まだ救いがあるのだが、そうとも言えないのが日本の哀しい現実である。
 日本では最近、小泉元総理が「脱原発」と言い出したことで騒がれているが、どうも小泉元総理は大真面目に「脱原発」を訴えているように見える。
 
■平和を希求しながら平和を破壊する人々

 「脱原発」の危険性というものは、原発そのものに有るのではなく、「脱原子力エネルギー」と結び付いていることに有る。
 世界中の先進国が戦争回避のために核を保有する中にあって、独り、日本だけが「核」を保有するという可能性そのものを放棄することは、極めて危険な賭けになる。
 ゆえに良識ある政治家であれば、せめて「核の保有と脱原発は別問題」と言わなければならない。それが政治外交的な最低限のリスクヘッジというものである。
 
 個人が自宅を留守にする時には施錠をする。それは、泥棒が入る危険性を避けるためだ。アメリカが銃を携帯するのは、武器を持った犯罪者から身を守るためだ。
 では、国家が核を保有するのは何のためか? 無論、他国からの侵略や戦争を回避するためだ。
 個人が自宅に鍵をかけるのは、泥棒になるためではなく、アメリカ人が銃を持ち歩くのも、犯罪を犯すためではない。同じように、国が核を持つのは戦争を起こすためではない。全ては安全のためであり、平穏な日常を保持するためだ。つまり、「平和」という目的のために行っている至極当然の行為なのだ。(注:共産主義国家は除く)

 その当たり前の行為を否定することは、一見、平和を希求しているように見えながら、その実、平和を壊そうとしていることにも目を向ける必要がある。

 「泥棒なんて入らないから、自宅に鍵をかける必要はありません
 「銃を乱射する犯罪者はいませんから、銃を持つ必要はありません
 「核兵器を使用する国はありませんから、核を持つ必要はありません

 このような平和ぼけした意見に素直に納得できるだろうか? このような意見はどれも、この世の中に「泥棒」も「犯罪者」も「核兵器」も存在しない場合にしか成り立たない理想論(空想論)でしかない。
 しかし、このうち、最も危険な3つ目を平気で口にしているのが、現在の日本の政治家達だ。そして、その言葉に疑念を抱くことなく素直に従っているのが多くの国民達の姿だと言える。

 こういうことを書くと必ず反論してくる人がいるのも、現在の日本が限りなく平和であることの証左でもある。しかしその平和ぼけのツケは限りなく高くつく可能性があることも併せて考えなければいけない。
 マスメディアも、「アメリカがデフォルトする」というような非現実的な心配をするよりも、自国の繁栄と平和がデフォルトする可能性があることにも目を向けるべきだ。

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