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BOOK『ケトン体が人類を救う』を読んで。

■「ブドウ糖」と「ケトン体」という2つのエネルギー

 久しぶりに糖質制限記事でも書こうかと思い、現在ベストセラーになっている『ケトン体が人類を救う』(宗田哲男著)を読んでみた。本書は先月(11月)に発売された本だが、12月初旬に数軒の書店を訪れても売り切れ(?)で置いていなかった。大型書店にも足を運んだものの、その甲斐なく、結局、アマゾンで購入した。

 本書は同じくベストセラーになった『炭水化物が人類を滅ぼす』(夏井 睦著)の続編的な内容の本になっており、より具体的(妊婦の糖質制限)な体験談を混じえて書かれているので、読み易い本だった。
 両書ともに進化論(仮説)にまで言及しているところは疑問符が付くが、読み物としては非常に面白い。

 『炭水化物が人類を滅ぼす』=『糖質過剰が人類を滅ぼす』

 『ケトン体が人類を救う』=『糖質制限が人類を救う』

 こう考えても、同じような意味合いの本になるのだが、本書のメインテーマは「ケトン体」であり、これまで悪者(?)扱いされてきた「ケトン体」というものに光を当てられている。

 自動車はガソリンを燃料とするガソリン車だけでなく、現代ではガソリンと電気をエネルギーとするハイブリッド車が人気だが、実は、人間の身体もブドウ糖のみをエネルギーにするのではなく、ケトン体というものもエネルギーにできるハイブリッドエンジンだった、否、むしろケトン体こそがメインのエネルギーだったというのが本書の要諦になっている。

■医者が知らないことでも身体はすべて知っている

 恥ずかしながら、私も数年前までは「人間の脳のエネルギーはブドウ糖のみ」という常識を疑わずに信じていた人間の1人であり、頭を使う仕事をする場合、糖分は多めに摂取した方がよいと思っていた。そのため、仕事の合間に飲むコーヒーには砂糖を多めに入れて飲むなど、今、考えると知らず知らずのうちに随分と無知な行動を実践していたものだなと思う時がある。
 そうは言っても、私の場合、糖分を採っていないというわけではなくて、普通に糖分は摂取している。単に過剰な糖分摂取を控えているというだけの超ゆるめの糖質制限者なので、糖質自体を絶対悪とまでは考えていない。超ゆるめの糖質制限でも、現在は理想体重をずっと維持している。どれだけ食べても太らないという学生時代のような身体になってしまったのは、ある意味で驚きであり、人間の身体というものは複雑なようでありながらも、実は単純に上手くできているものだと実感している。

 昔から、ボクサーの減量方法はカロリー制限であり、マンガ等でもその悲痛ぶりが描かれているが、糖質制限にすれば、もっと楽に減量できるのではないかと思ってしまう。

 かつての古代ギリシアで「医学の父」と呼ばれたヒポクラテスは次のような有名な言葉を残している。

 「医師が病を治すのではなく、身体が病を治す

 まさに至言であり、実際にその通りだと思う。人間は自分自身だと思っている自らの身体のことを何も知らなくても、身体は勝手に病気や怪我を治してくれる。どのような物質が身体に良いのか悪いのかを当の本人が知識として知らなくても身体はすべて知っている。栄養素はキチンと仕分けして吸収してくれる、腐ったものを食べれば、拒絶反応(=嘔吐)してくれる、身体に不要なものは便や尿として排出してくれる。
 このことは糖分についても同じことが言えると思う。これは半分は私の推論だが、糖質を過剰に摂取したとしても、身体はその全てを栄養として吸収するわけではなく、ある程度までは自動的に排泄してくれるのではないかと思っている。糖質制限をしている人は便が固くなり便秘気味になることは有名な話で、実際に私も経験したが、なぜそうなるのか?というと、余分な糖分を採っていないからだと思う。
 下痢になるのは、糖分自体が身体に吸収されずに便として排出されることにも関係があるのだろうと思う。その場合、人体は糖分を異物と判断し、大腸から水分が分泌されて下痢になる。無論、冷えなどで胃腸が正しく機能せずに下痢してしまうことや、ウイルスが侵入して下痢になることもある。
 便の固い・柔らかいは糖分の摂取量によって違ってくるということは実体験を通して認識することができたので、昔から言われているような「長いバナナのような便が健康の証」という言葉も、どこまで本当かは疑わしいと思っている。

■「脚気論争」と「糖質制限論争」の相似性

 自動車を人間の身体に喩えて言うなら、ハイブリッドカーに乗っている多くの人が、自分の乗っている車はガソリンでしか動かないと思っている。ガソリンが空になれば車は止まってしまうと思っている。
 人間の身体はガソリン(糖分)を満タン以上に入れ過ぎると、余分なガソリンを脂肪として蓄える機能を有しており、その蓄えられた脂肪をエネルギーに変える役割も有している。

 人間の脳は未だ謎に満ちた臓器であり未知な領域の多い神秘的な器官であるとも言われるが、人間の肉体自体も未だ解らないことだらけであり、現代の医療科学では解ることよりも解らないことの方が圧倒的に多い。どんなに権威を持つ医者であろうと科学者であろうと、人間の肉体を全て把握しているなどということはまず有り得ない。だからこそ、いつの時代でも真実が判明するまでは間違った医療知識が蔓延り、間違った治療方法の存在も許されることになる。

 そういう意味でも、本書に書かれていた「脚気(かっけ)論争」の論考は興味深かった。脚気という病気が昔にあったことは知っていたが、脚気になった人間は見たことがないので、あまり意識したこともなかったが、戦時中には多くの人が戦死ではなく、脚気で亡くなっていたとは知らなかった。具体的な死亡者数は以下にようになるらしい。

 ○日清戦争時
  戦死者453人

  脚気死亡者2410人/脚気患者48000人

 ○日露戦争時
  戦死者47000人

  脚気死亡者28000人/脚気患者212000人

 今でこそ、脚気で死亡するような人はいないが、昔は戦争で死ぬ人間よりも脚気で死ぬ人間の方が多かったというのだから驚きだ。
 日本の国民病だった脚気が必要以上に広まり長引いた背景には、「麦飯(ビタミンB1)が脚気に効く」という事実を無視し、麦飯を弾圧し、白米一辺倒にした当局に責任があったという史実は実に興味深い。現在の糖質制限否定派と当時の当局の姿勢をオーバーラップさせているところも面白い。

 まだまだ書きたいことは山ほどあるのだが、長々と書き過ぎるのもどうかと思うので、詳細は本書に譲ることにしよう。是非、多くの人に読んでいただきたいと思う。

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