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「働き方改革」よりも「働き方革命」を欲する時代

■一罰百戒的な行政指導の必要性

 今年、最も注目された企業と言えば、2016年度のブラック企業大賞にも選ばれた「電通」ということになるのだろうか。
 「働き方改革」の影響もあるのか、一罰百戒的な意味合いで大手企業の電通が選ばれたということなのかもしれないが、最近も「労働時間の過少申告が行われていた疑いがある」として騒がれている。

 「労働時間の過少申告」というのは、早い話、「残業の過小申告」ということだが、上司から指示されて過小申告になっていたのか、それとも本人が自己判断で過小申告していたのかは分からない。あるいは、会社自体に過小申告するのが当たり前という空気があったという可能性もある。いずれにしても、そういった常態化を改善・改革するという意味合いで、一罰百戒的に行政指導が為されているのだろう。

 国が企業に命令するという行為は、どこか社会主義的な感じがして違和感も有るとはいえ、日本企業の場合、お上が指導しないと何も変えられないという悪しき伝統主義を抱えているので、最低限の行政指導は必要悪として容認するべきなのかもしれない。
 真夏の蒸し暑い時期に背広を着てネクタイを締めて通勤しなければならないという、傍から観ればストレスにしかならないようなことが伝統として維持されてきたのが日本企業である。そういった悪しき伝統は、本来であれば民間企業が率先して変えていくのが理想だが、残念ながら日本では、政治家(この場合は小池百合子氏)がそういう空気を作り出さなければ変えることができなかった。この一事をもってしても、最低限の行政指導が必要な国であることが分かる。

■悪しき伝統主義を破る「働き方革命」が必要

 ただ、行政指導も行き過ぎると問題になるので、線引きが非常に重要だと思う。
 残業の申請というのは、不況の影響もあってか、月給で雇用されている労働者は気を遣って過小申告する場合もある。かくいう私も、余程遅くまで仕事をした場合を除き残業はほとんど申請しておらず、毎月、数十時間はサービス残業している。別に「残業を付けるな」とも「残業を過小申告しろ」とも言われておらず、逆に「残業を付けるように」と言われたことはあるが、時間だけで計れる仕事ではないので、自己判断でサービス残業している。

 電通の仕事というのも、大部分は時間で計れるような仕事ではないと思うので、時給で働いている人でもない限り、誰も彼もが無条件にキッチリ残業申請するというのは考えものだと思う。法的に決められた8時間労働内でノルマ(給料)以上の仕事ができる人とノルマを達成できない人が同じように残業を申請するというのは、普通に考えれば不公平なわけで、嫉妬という感情が渦巻く日本企業では、それゆえに過小申告になる場合もある。況して多くの株主を抱えた電通のような上場企業であれば尚更で、人件費を無視したデタラメな経営では、いつ何時、問題視されてもおかしくない。

 企業にとって、売上を伸ばすことや利益を増やすという目的は伝統として残すべきだと思うが、長時間働くことを伝統にする必要はない。長時間働かなければ売上も利益も出ないという状態を維持することが難しくなっているのであれば、その部分を改革するしかないのではないかと思う。

 耳の痛い話かもしれないが、「残業の過小申告」問題を完全に無くすためには、労働者全員を月給ではなく時給で雇用するしか方法は無いのではないかと思う。長時間働かなければ帳尻が合わないような給料制度を廃止して、労働時間も給料も下げて、その分、人員を増員すれば、すぐに解決できる問題だと思われるのだが、これができない。なぜできないのか?と言えば、先程述べたように、一度決まったことは変えることができないという悪しき伝統主義が根付いているからである。

 この悪しき伝統主義を改革することができれば、それは「革命」とも言える。時代が欲しているのは「働き方改革」ではなく「働き方革命」なのかもしれない。

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コメント

「残業の過小申告」問題を完全に無くすためには、労働者全員を月給ではなく時給で雇用するしか方法は無いのではないかと思う。

何故、そういう結論になるのか?
働き方改革とか革命とか言ってる割に、結論がそれですか?
今一度、その理由を説明してください。

投稿: | 2016年12月31日 (土) 14時01分

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