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「断じて容認できない」という空念仏

■「金正恩の耳に念仏」
 
 相次ぐ北朝鮮からのミサイル発射という挑発行為に対しての日本政府の対応ぶりにはゲンナリ、それが多くの国民が内心抱いている率直な感想ではないだろうか。ミサイルが発射された時の政府の発表は、以下の通りで全く変わりばえしない。

 5/14 弾道ミサイル発射 高度2000km達成

 「断じて容認できない

 5/21 固体燃料を使用した中距離弾道ミサイル発射

 「断じて容認できない

 5/29 精密誘導システム搭載の弾道ミサイル発射
     日本の排他的経済水域内に落下

 「断じて容認できない

 毎度、念仏のように唱えられる「断じて容認できない」という言葉には、いいかげんにウンザリという人は多いと思う。念力ならぬ軍事力を持ったトランプ神父が言えば、効き目があるかもしれないが、軍事力を持たない(ことになっている)日本の似非坊主では、全く効き目がないことは明らかであり、「馬(金正恩)の耳に念仏」にしかなっていない。

■タイムリミットは100日後の「7月15日」

 4月6日から7日にかけて行われたトランプ大統領と習近平国家主席の米中会談において、トランプ氏が習近平氏に対して、北朝鮮問題の説得猶予期間を「100日間」と述べたことが既に明らかになっている。
 その会談後は少し大人しくなり効果があったのかと思いきや、5月になってからは、これまで以上に北朝鮮のミサイル発射が頻繁に行われるように変化してきており、非常に危なかしい空気が東アジアに充満しつつある。

 アメリカ側は、カール・ビンソン、ロナルド・レーガンに次いで、今度はニミッツと、3隻もの空母を出撃し、弾道ミサイルの迎撃テストまで実際に行っている。単なる脅しだけでここまでするのは不自然であり、北朝鮮を覆っている不穏な空気は、いつ爆発するか分からないような状況になってきつつある。

 北朝鮮をこのまま放置しておくと、近い内にアメリカ本土まで正確に到達する核ミサイルが完成してしまうことは、ほぼ確実視されている。それまでの間に北朝鮮問題にケリをつけることはアメリカにとっても至上命題であるため、北朝鮮が核兵器開発を止めない限り、アメリカとの軍事衝突は、どのみち必ず起こるとみて間違いない。仮に今回、無事に済んだとしても、せいぜい数年延びるかどうかの違いがあるだけだろう。
 中国からの北朝鮮への話し合いでケリがつくに越したことはないが、現状を観る限りでは、話し合いで解決できるとは到底思えない。

 アメリカが具体的な行動をとるまでの猶予期間が「100日間」だと考えると、4月6日から100日後は「7月15日」ということになるので、日本で言えば、7月15日から17日の3連休辺りが「Xデー」になる可能性はまんざら否定できない。

■「断じて容認できない」のは獅子身中の虫

 実質的には北朝鮮は既に詰んでいるわけであり、命綱としての核開発を止めることは、金政権の死を意味するので、亡命する逃げ道でも用意されない限り、悲惨な最期を迎える可能性が高いと言える。
 
 しかし、これまでに自国民を虫けらのように扱い殺害してきた独裁者に、逃げるなどという手段があるとは思えないし、いつ殺されてもおかしくないほどの悪業を背負っている人物でもあるので、どんな最期を迎えても、それは自業自得としか言いようがない。同情するべき相手は独裁者ではなく、「地上の地獄」に囚われている無辜の北朝鮮国民の方だろう。そこを間違えてはいけない。


 
 7月1●日 米軍が北朝鮮に爆撃開始
       北朝鮮からの弾道ミサイルが日本本土に着弾

 「断じて容認できない

 …とならないことを祈りたいところだが、残念ながら、軍事力(自国防衛力)を持たない国では、そういう台詞を言うことしかできない。そんな台詞を言う人が悪いのではなく、そんな台詞しか言えなくなっている戦後の日本社会にこそ問題があると言える。

 それは恰も、武装した銀行強盗に銃口を向けられ、「断じて容認できない」と言っている武器を持たない銀行員のようなものであり、防犯ブザーを鳴らしても、駆けつける警察官がいない。そして、その銀行員は、銀行強盗に対してさえ暴言を吐けば、行内規程により、その銀行をクビになってしまうという、そんな不条理な社会が出来上がってしまっている。

 「断じて容認できない」という台詞は、現状では、日本から北朝鮮に対して言う台詞ではなく、日本にミサイルが着弾しなければ、考えを改めようとしない人々の存在に対してこそ言うべき台詞なのかもしれない。本当の敵は身中にいる。

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