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「政治」と「企業」で考えるスローガンの重要性

■「最小不幸社会」と「最小赤字企業」

 師走になると、多くの企業では、来年の目標となる「スローガン」を考えることになる。日本では「標語」とも言われ、企業活動を行うにおいて非常に重要なものとされている。
 標語(スローガン)を考える上で大事なことは、達成できる目標か否かではなく、その言葉の中に積極的かつ前向きな理念が入っているかどうか、これが重要になる。

 例えば、政治の世界では「1億総活躍社会」というスローガンが記憶に新しい。この言葉はおそらく達成不可能でも、そういった理想の社会を目指すという意味では正しいスローガンだと言える。一方で、もう少し前に「最小不幸社会」というスローガンがあった。これなどは、スローガンとしては非常に悪い例だと言える。なぜ、そう言えるのかを企業に置き換えて考えてみよう。

 まず、「最小不幸社会」という言葉を企業的に置き換えて言うと、「最小赤字企業」ということになるが、あなたの知っている会社で、そんな悲観的なスローガンを掲げている会社が有るだろうか? おそらく無いと思う。まともな企業であれば、スローガンに「赤字」などという悲観的な言葉は絶対に使用しないし、「最小」というような消極的な言葉も使用しない。
 「最大黒字企業を目指す」という目標は有り得ても、「最小赤字企業を目指す」というような企業は存在しないと思う。
 「最小ミス」なら有るのでは?と言う人がいるかもしれないが、それなら、「ミスゼロ」とするのが一般的だ。
 そもそも、どう転んでも赤字というような企業なら、存在する意味がない。そう考えると、「最小不幸社会」というような言葉は、スローガンとしては以ての外ということになる。どう転んでも不幸な社会などを目指されたら、まともな国民はたまったものではない。

■「シンクビッグ」と「ビッグマウス」

 「最小不幸」という言葉の中には、“国民は幸せになってはいけない”というようなニュアンスが含まれて(隠れて)いるように思える。超訳すると「国民は不幸になって当然だが、その不幸は最小にすることが望ましい。」 
 まるで、国民が原罪でも背負っているかのような後ろ向きなスローガンだと言える。罪深い人間は幸せになってはいけないとするカルト教の教義のようなものだとも言えるかもしれない。

 スローガンに掲げる目標は、大きければ大きいほどいい。トランプ大統領の言葉などは、その見本のようなもので、シンクビッグ(大きく考える)だからこそ、ビッグマウス(大口を叩く)になる。
 スローガンの本来の目的は、この逆で、ビッグマウスだからこそ、シンクビッグになれるというもの。大きな目標を掲げてこそ、大きな理想に向かえるという意味が隠されている。達成不可能な目標でも、それを目指せば、ある程度の目標は達成されるということを意味する。

 ということで、間違っても、スローガンに悲観的な言葉を入れてはいけない。それは自ら(国民)を小さくする(不幸にする)呪文になってしまう危険性がある。悲観的なスローガンを掲げる人には注意しよう。

(注記)「ビッグマウス」が「大口を叩く」というのは誤訳ですが、話の都合上、敢えてそのまま使用しています。


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