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ドライバーの「睡眠不足」は本当にチェックできるのか?

■ある小学校の教室での1シーン(フィクション)

教師「最近はバスやトラックの交通事故のニュースをよく見かけるようになりましたが、皆さんは、どうすれば、交通事故が無くなると思いますか?」

生徒A「…はい!(手を挙げる)」

教師「はい、A君、なにか良い答えが浮かんだかな?」

生徒A「運転手が睡眠不足かどうかを確かめればいいと思います。」

生徒B「睡眠不足かどうかなんてどうやって調べるんだよ?」

(教室内一同笑)

教師「こらこら、みんな、A君を笑ってはいけません…クスクス…」

生徒B「先生も笑ってるじゃん」

(教室内一同爆笑)

■「睡眠不足者には運転させてはいけない」の是非

 なぜこんな話を冒頭に書いたのかというと、実際にこれと同じような答えが発表されたからに他ならない。

 バスやトラックの交通事故が目立つという理由から、国土交通省は、バスやトラックの運転手に来月(6月)から新たな規制(義務化)を設けることになった。その義務化とは「睡眠不足者には運転させてはいけない」というもので、ドライバーを雇用している事業者は、乗務前に「睡眠不足」の確認をしなければいけないということになった。

 この報道を聞いて、さすがに面食らった人が多かったのか、疑問視する声が圧倒的…と言うか、賛同している人がほぼ皆無という状況になっている。

 睡眠不足が居眠り運転の原因になるというのは確かにその通りなのだが、睡眠時間というものは相対的なものであり、誰も彼もが同じ睡眠時間を取れば居眠りしないというわけではない。世の中には、ショートスリーパーの人もいれば、ロングスリーパーの人もいるので、何時間眠れば疲れが取れるかも千差万別だ。
 睡眠の「質」というものもあるし、前日の仕事量や精神的なストレス、果ては、食事の量や栄養のバランスによっても疲労回復時間は変わってくるので、一概に寝不足状態を規定することはできない。

 充分な睡眠(8時間睡眠)を取れば絶対に交通事故を起こさないのか?と言えば、そんな保証はどこにもないし、誰にもできない。交通事故は万全の体調であったとしても運によっても左右される場合がある。こんなことは、実際に車の運転をしたことのある人であれば、誰でも解ることだと思う。

■「寝不足ではありません」の真偽は不明

 そして、正直に「寝不足ではありません」と言うドライバーと、「寝不足ではありません」と嘘をつくドライバーも出てくるはずだ。寝不足で仕事ができないということであれば仕事にならないので、馬鹿正直に「寝不足です」と言うような人がいるとは思えない。民間企業でそんな危ないドライバーをいつまでも雇用する会社が有るとは思えない。

ドライバー「今日は睡眠不足ですから運転できません」

事業者「あ、そう、やる気がないなら辞めてもらってもいいよ」

ドライバー「えっ・・・・・」

 こうなること請け合いだ。

 昼食を取ってから2時間程度経てば、急激な眠気に襲われることは誰もが知っている。夜間にぐっすり眠った人であっても、あの生理的な眠気を回避することは難しい。糖質制限者であれば、「できますよ」と言うかもしれないが、誰も彼もが極度の糖質制限者ではないので、現実味があるとは言えない。

 ちなみにあの昼食後の眠気というのは、「グルコーススパイク」と言って、糖質を取ったことで上昇した血糖値がインスリンの働きによって急激に下がることで齎される(ということになっている)。
 脳が一時的に低血糖状態に置かれるので、思考力が低下することで眠気が齎される。
 私の場合、プチ糖質制限者(超緩めの糖質制限)なので、それ(眠くならないこと)が本当のことなのかどうか体験したことがないので断言はできないが、理論的には筋が通っているので多分、本当のことなのだろう。

■ドライバー不足に拍車がかかれば無意味

 話が横道に逸れたので元に戻そう。
 今回の規制(義務化)で最も危惧されるのは、ドライバーに成りたいと思う人が減少するのではないかということ。
 ネット販売の急増でただでさえ配送ドライバーが不足しているというのに、睡眠不足であれば運転できないというような規制を設けてしまうと、ますますドライバーが足りなくなってしまうのでないかと思う。人員が足りなくなれば、更にドライバーの睡眠不足に拍車がかかり、交通事故が増えるという悪循環に陥る可能性も否定できない。

 安全になるという予測で、安易に規制を設けても、予測とは裏腹にまた同じような交通事故が発生すれば、どう対処するのだろうか? 交通事故が減らないのに、規制だけが残るということになるのではないかと心配になる。本当にそんなことになると、経済にも悪影響を与えることに繋がってしまう。

 こういった人的に一律な規制を設けるよりも、いっそのこと、トラックやバスに居眠りを防止するシステムを取り付けた方がよいかもしれない。ドライバーの肉体反応をチェックするシステムや、自動運転アシスト機能でも付けた方が交通事故を減らせるのではないかと思うのだが…。


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