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「ホリエモン逮捕」に通じる「ゴーン氏逮捕」

■ライブドア事件を彷彿とさせるゴーン氏逮捕

 現在、テレビや新聞を観ていると、連日のように、日産のカルロス・ゴーン氏の逮捕騒ぎになっており、まるで、以前のライブドア事件を彷彿とさせるものがある。

 日産とルノーの「株主資本比率」がどうのこうのとか、「小が大を呑み込む」、「ねじれの構図」など、当時のニッポン放送買収劇の時に聞かれたような言葉が、そっくりそのまま並んでいる。

 既にいくつかの報道でも伝えられている通り、ルノー(小)が日産(大)を呑み込む、もっと言えば、フランス政府が日本(親方日の丸企業)を呑み込むという構図がみてとれる。

 ルノーと日産の提携を阻止するという目的のために、ゴーン氏個人の問題をクローズアップし、ゴーン氏がいかに強欲な人間であるかを世間にアピールする。この辺の劇場型報道も実によく似ている。ゴーン氏にとって、今回の逮捕劇は青天の霹靂だったのかもしれない。

■ゴーン氏逮捕は「国策逮捕」

 大体、ゴーン氏の報酬問題等は、今に始まったことではなく、ずっと前から判明していたことだと思われる。それを、なぜ今頃になって内部告発したのかを考えれば、何か裏があるのではないか?という疑いは禁じ得ない。

 この問題は、1企業の問題ではなく、おそらくは日本とフランスの国家間の問題なのだろう。そういう意味では、国策逮捕、または国策捜査だった可能性が高い。以前、「東京地検が動く時は全て国策捜査」だと言っている著名人がいたが、おそらくそういうことなのだろう。

 ルノーが日産を吸収合併するのではなく、日産がルノーを吸収合併するということなら、今回のような逮捕劇は起こらなかったとも考えられる。日産(日本)にとってプラスになる提携なら、ゴーン氏を逮捕するメリットが無いが、日産(日本)にとってマイナスになる提携なら、阻止しなければならない。それが、今回の逮捕劇の真相なのだろう。

 フランスも日本も基本的には社会主義国家なので、逮捕劇で騒いでいる庶民をよそに、しばらくは両国間の睨み合いが水面下で続くのかもしれない。

 今回の逮捕劇が日本の国益を守るためのものであるのか、それとも、親方日の丸企業を守るためのものであるのかで、評価は大きく違ってくるが、前者であることを期待して、事の推移を見守りたい。

【追記】2018.11.24
(BLOGOS転載記事のコメントに対する返答になります)

>それなら何故は日本はシャープをなぜ守らなかったのだろうか?

 シャープは日本の基幹産業ではありませんから。

>単なる妄想(笑)

 海外の報道でも同じようなことが言われていますが。

>陰謀論に束縛されるのは不自由ですね。

 陰謀論として書いたつもりはありません。私は陰謀論は嫌いですから。

>買収でフジの株券を買うのに、時間外取引を利用したのが大きな綻び。

 それも一因には違いないと思いますが、バックグラウンドにはもっと複雑な問題(日本の社会的な問題)が絡み合っていたというのが私の見立てです。

>大体、前から言ってるが、日産はもうルノーの子会社なんだから、今更日本にマイナスだとか何とか、寝ぼけすぎ。

 海外の報道でも伝えられている通り、子会社云々の問題ではなく、日産がフランスの企業になるかどうかという問題です。早い話、フランス政府による日産の乗っ取りが水面下で行われていた可能性があるということです。


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消費税の「累進課税」は公平な制度

■「累進課税」=「共産主義」というバイアス

 前回の記事で、消費税の累進課税化について少し書いてみると、いろんなコメントをいただいた(BLOGOSのコメント)。
 しかしながら、「累進課税」という言葉に引っかかる人が多かったのか、言わんとしていることが正しく伝わらなかった人が何人かおられたようなので、少し補足記事を書いておこうと思う。

 「累進課税」という言葉は、平等を旨とする「共産主義」と相性のよい言葉でもある。それゆえに、そういった言葉を使用する場合、気を付けないとあらぬ誤解を招く可能性がある。
 そういう事情から、単なるお金持ち否定の言説だと思われることを避けるために、所得税の「累進課税」には反対の立場だと、まずお断りしたつもりだった。
 しかし、日本には“累進課税=共産主義”という先入観が余程根強くあるのか、やはり誤解を生んでしまったようだ。

 所得税の累進課税は、不公平という意味では明らかに共産主義的な制度だが、消費税の累進課税は、全くの不公平というわけではない。なぜなら、低額の商品だろうと、高額の商品だろうと、誰もが購入するからだ。
 貧しい人は低額の商品だけを購入し、お金持ちは高額の商品しか購入しないということであれば、消費税の累進課税も共産主義的な制度になってしまうが、実際はそうではない。あまりにも高額な商品に限り、お金持ちしか買わないというだけのことである。

 例えば、何千万円もするような高級車や、何億円もするような高級マンションなどは、通常、お金持ちしか買わない(買えない)。そういう人々は、税金が多少上がった程度で、消費活動を控えるというようなことはしないだろうし、商品に税金が多少上乗せされても、そんな小さなことは問題視しない。そんな数%程度の差額で「損をした」と言うような人なら、初めから何億円もするような高級マンションなど買わないだろう。

■「個人の収入多寡」と「個別の商品価格」の違い

 個人の収入多寡における累進課税と、個別の商品価格における累進課税は、似ているようで全く異なる。

 消費税の軽減税率は、ある限られた商品については誰に対しても増税しないという制度なので、確かに公平感はある。
 では、消費税の累進課税はどうなのかというと、安価な商品については(場合によっては)減税となり、高額な商品については増税となる。
 誰にも適用されるという意味では軽減税率と似ているが、お金に余裕のある人には少しだけ余分に支払ってもらおうという部分だけが少し違う。

 先にお断りしておくと、ここで言う「お金に余裕のある人」というのは、必ずしもお金持ちを意味しない。お金が無い(貯金が無い)人であってもローンで高額な家や車を買う人はいる。お金が無いからといって減税されるわけではない。
 そういう意味では公平だ。任意で高額な買い物をした場合、誰であろうと同じ税率が適用されるわけだから、どう考えても共産主義的ではない。この部分を見落とすと全く話が違ってくる。

 要するに、消費税の累進課税というのは、現行の消費税のように税率をいじるのではなく、商品の価格帯の線引きによって税収をコントロールするという制度である。税率はそのままの状態で、いくら以上の価格なら税率を何%にするというシンプルな税制度だ。

 そんな制度(累進課税)にすると、抜け穴(税逃れできる余地)が有ると書いている人もおられたが、世の中の他の税制も、抜け穴だらけだとも言える。
 法人税にしても、日本では企業の7割以上が節税によって赤字決算にしていることはよく知られている。
 国に税金をなるべく支払わないために、国家資格として税理士という職業もあるぐらいだから、全く抜け穴のない税制などというものは基本的に有り得ないと思う。

 最後に1つ付け加えると、節税もできないような全く抜け穴が無い窮屈な税制度を良しとする考えこそが、実は共産主義的だとも言える。
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消費税には「軽減税率」よりも「累進課税」

■愚策としての「軽減税率制度」

 案の定と言うべきか、消費増税における「軽減税率制度」が槍玉に挙がっている。
 最も問題視されているのは、システムがややこしく複雑になり過ぎるため、無事に対応していけるのか?ということ。

 今回の消費税を10%に上げる場合のシステムでこれだけややこしく複雑なのであれば、今後、消費税率を変更する時にはどうするのか?という問題もある。未来永劫、10%のままなら、いずれ慣れてくるかもしれないが、今後、日本の経済状況によっては、消費税率を更に上げることも、下げることも考えられるわけで、その場合もまた、システムをいじくらなければいけないことになると、ますます複雑になり、訳が分からなくなってしまう危険性がある。

 そもそも、税制などというものは、シンプルであることが鉄則である。同じ商品に対して、購入方法等によって違う税率を適用するなどというような真似はできるだけ控えるべきである。

■「消費税に累進課税」という政策

 日本の所得税は累進課税制度になっている。それが良いか悪いかは別として、最高税率は45%(住民税を入れれば55%)になっている。ちなみに現在一律10%の住民税も昔は累進課税制度が適用されていた。
 現在は少しはましになったとはいえ、昔は所得税率が75%という時代もあったそうで、松下幸之助氏などは給料の大半を税金として召し上げられることに疑問を呈していたことも今や語り草になっている。

 私は基本的に不公平な累進課税制度には反対の立場だが、所得税を累進課税にするなら、消費税も累進課税にしなければ辻褄が合わないとも思う。
 消費税収というものは、高額な買い物をすればするほど増加するものなので、高い商品に高額の税率をかけて、安価な商品には低額の税率をかける方が理に適っているのではないかと思う。 ちょうど、株式の売買手数料のように、取引が高額になればなるほど手数料が高くなるというシステムだ。

 例えば、10万円以下の商品には一律5%、10万円以上の商品には一律10%、100万円以上の商品には一律15%という具合に税率を設けた方が税収も上がるのではないかと思う。

■「軽減税率制度」<「累進課税制度」

 以前のブログ記事でも指摘したことだが、消費税が上がって困るのは消費限度額が固定されている低所得層であり、それが原因で税収が下がることに繋がるわけだから、消費税率は生活必需品かそうでないかで分けるよりも、高額かどうかで分ける方が望ましい。

 消費税が2%上がったぐらいで、誰もが欲しい商品を買わなくなるというわけではない。問題は、商品を買うお金の限度額があるため、その限度額を超過した買い物はできなくなるということ、そこが消費増税の問題なのである。
 ゆえに、その限度額(消費リミッター)が無い高所得者が主に買うと思われる高額商品は多少、税率が上がっても消費量は減少しない。しかし、消費限度額を有する低所得者に対する税率を僅か2%でも上げてしまうと、その2%分だけでなく、ヘタをすると、それ以上に消費量が減少してしまう(=消費税収が落ち込んでしまう)。

 消費税に軽減税率制度を適用するぐらいなら、累進課税制度を適用した方が経済に与える悪影響は小さくて済むだろうし、税収も上がる可能性が高い。
 どちらも正しい政策とは言えないが、比較論として言えば、「軽減税率制度」よりも「累進課税制度」の方が正しい選択だと言える。シンプル・イズ・ベスト、それが税制の基本だからである。
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「はじめに消費増税ありき」というデフレ思考

■アップルとドコモの大きな違い

 米アップル社が11月1日に発表した決算は、売上高が約20%増、純利益が約30%増となり、それぞれ過去最高となった。
 これだけの好業績であっても、毎度のように「アナリスト予想よりも低かった」ということで、株価は(一時的に)下落した。

 周知の通り、アップルは、主力製品であるiPhoneの販売台数が伸び悩んでいたことで商品価格を値上げするという戦法に出た。その戦法がどこまで通じるか判らないまでも、実際に売上も利益も大幅にアップしているわけだから、現状の値上げは功を奏したということなのだろう。
 このことは、消費者が本当に欲している生活必需品であれば、多少の値上げでも受け入れる人の方が多かったということを示している。

 一方、日本では、おそらくは米国同様、最も生活必需品に近い存在となった携帯電話(スマホ)の使用料金を引き下げるという方針をドコモが発表した。その影響で、通信関連株は急落することになり、市場は(一時的に)ドコモショックとも言えるような様相を呈した。

■消費税収を増加させる2つの方法

 消費増税の悪影響を最小限に抑えるための緩衝材(クッション)として携帯電話料金の値下げが行われるというのが、官民協力の方策なのかもしれない。スタントマンがビルから飛び降りるには、地面に敷かれたクッションは大きければ大きいほど良い、分厚ければ分厚いほど良いという理由で、携帯電話料金が選ばれたのかもしれない。
 しかしながら、商品価格やサービス価格を引き下げることは、売上や利益が下がるだけでなく、消費税収を引き下げることでもある。

 例えば、1万円の商品が売れれば、800円の消費税収となるが、1万円の商品を8000円に引き下げれば、消費税収は640円に減少してしまう。
 逆に、1万円の商品を12000円に値上げすれば、消費税収は960円になる。

 当たり前の話だが、消費税収を増加させるには、消費税率を上げる方法と、商品そのものの価格を上げる方法がある。(もう1つ追加するなら、商品を多く売るという方法もある)

 政府は専ら、前者の消費税率を上げることだけに固執しているかのようで、後者の商品価格を上げるという発想が無いようにも見える。

■「消費増税」ではなく「消費税収」に目を向けるべき

 現代の日本において、携帯電話(スマホ)は生活必需品であると同時に趣味嗜好品でもある。「お金が無い」「お金が無い」と言いつつも、消費者が湯水のようにお金を注ぎ込むことが最も期待できる市場でもある。
 そんな市場であるなら、アップルを見倣って、その市場から消費税収を上げる方策を打ち出した方が良かったのではないかとも思われる。

 スマホを安く利用したい人には、既にMVNO(格安スマホ)市場というものがあるのだから、税収増が見込める普通のスマホ市場まで格安にする必要は無かったのではないかとも思える。
 こう書くと、「携帯電話料金が安くなって何が悪いんだ!」というような反論があるかもしれないが、携帯電話料金を大幅に引き下げることで、消費税収も大幅に落ち込めば、更なる消費増税という悪夢が現実化するかもしれない。そうなると、元も子もなくなってしまう。

 結局のところ、「はじめに消費増税ありき」というマイナス思考が問題なのかもしれない。「消費増税」ではなく「消費税収」に目を向ければ、いろんな経済政策が打てると思われるのだが、「デフレ脱却」のために「デフレ政策」を打つという皮肉、これも長年続いたデフレ思考の為せる業だろうか。
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