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消費税の「累進課税」は公平な制度

■「累進課税」=「共産主義」というバイアス

 前回の記事で、消費税の累進課税化について少し書いてみると、いろんなコメントをいただいた(BLOGOSのコメント)。
 しかしながら、「累進課税」という言葉に引っかかる人が多かったのか、言わんとしていることが正しく伝わらなかった人が何人かおられたようなので、少し補足記事を書いておこうと思う。

 「累進課税」という言葉は、平等を旨とする「共産主義」と相性のよい言葉でもある。それゆえに、そういった言葉を使用する場合、気を付けないとあらぬ誤解を招く可能性がある。
 そういう事情から、単なるお金持ち否定の言説だと思われることを避けるために、所得税の「累進課税」には反対の立場だと、まずお断りしたつもりだった。
 しかし、日本には“累進課税=共産主義”という先入観が余程根強くあるのか、やはり誤解を生んでしまったようだ。

 所得税の累進課税は、不公平という意味では明らかに共産主義的な制度だが、消費税の累進課税は、全くの不公平というわけではない。なぜなら、低額の商品だろうと、高額の商品だろうと、誰もが購入するからだ。
 貧しい人は低額の商品だけを購入し、お金持ちは高額の商品しか購入しないということであれば、消費税の累進課税も共産主義的な制度になってしまうが、実際はそうではない。あまりにも高額な商品に限り、お金持ちしか買わないというだけのことである。

 例えば、何千万円もするような高級車や、何億円もするような高級マンションなどは、通常、お金持ちしか買わない(買えない)。そういう人々は、税金が多少上がった程度で、消費活動を控えるというようなことはしないだろうし、商品に税金が多少上乗せされても、そんな小さなことは問題視しない。そんな数%程度の差額で「損をした」と言うような人なら、初めから何億円もするような高級マンションなど買わないだろう。

■「個人の収入多寡」と「個別の商品価格」の違い

 個人の収入多寡における累進課税と、個別の商品価格における累進課税は、似ているようで全く異なる。

 消費税の軽減税率は、ある限られた商品については誰に対しても増税しないという制度なので、確かに公平感はある。
 では、消費税の累進課税はどうなのかというと、安価な商品については(場合によっては)減税となり、高額な商品については増税となる。
 誰にも適用されるという意味では軽減税率と似ているが、お金に余裕のある人には少しだけ余分に支払ってもらおうという部分だけが少し違う。

 先にお断りしておくと、ここで言う「お金に余裕のある人」というのは、必ずしもお金持ちを意味しない。お金が無い(貯金が無い)人であってもローンで高額な家や車を買う人はいる。お金が無いからといって減税されるわけではない。
 そういう意味では公平だ。任意で高額な買い物をした場合、誰であろうと同じ税率が適用されるわけだから、どう考えても共産主義的ではない。この部分を見落とすと全く話が違ってくる。

 要するに、消費税の累進課税というのは、現行の消費税のように税率をいじるのではなく、商品の価格帯の線引きによって税収をコントロールするという制度である。税率はそのままの状態で、いくら以上の価格なら税率を何%にするというシンプルな税制度だ。

 そんな制度(累進課税)にすると、抜け穴(税逃れできる余地)が有ると書いている人もおられたが、世の中の他の税制も、抜け穴だらけだとも言える。
 法人税にしても、日本では企業の7割以上が節税によって赤字決算にしていることはよく知られている。
 国に税金をなるべく支払わないために、国家資格として税理士という職業もあるぐらいだから、全く抜け穴のない税制などというものは基本的に有り得ないと思う。

 最後に1つ付け加えると、節税もできないような全く抜け穴が無い窮屈な税制度を良しとする考えこそが、実は共産主義的だとも言える。
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