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「既得権(取得した権利)」と「利権(利益を伴う権利)」

■「○○が日本を滅ぼす」

 社会関連の書籍において「日本を滅ぼす」というタイトルは定番中の定番であり、毎年のように発売されている。一例を挙げると、

 『憲法が日本を滅ぼす
 『裁判官が日本を滅ぼす
 『財務省が日本を滅ぼす
 『マスコミと官僚の小ウソが日本を滅ぼす
 『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす

 以上はほんの一部だが、先日、新たに発売された『日本を亡ぼす岩盤規制』(上念 司著)という本を購入して読んでみた。

 本書のサブタイトルは「既得権益者の正体を暴く」というもので、そのタイトル通り、既得権益がらみの大御所がズラッと並んでいる。(以下参照)

 1、財務省
 2、農業
 3、放送・通信
 4、銀行
 5、NHK
 6、医療・病院
 7、保育園
 8、朝日新聞

 スーパーで牛乳は山積みで販売されているのに、なぜバターが品切れなのか? テレビのリモコンの1チャンネルボタンはなぜ「NHK総合」なのか? 等々、岩盤規制にまつわる一般人が知らされていない数々の不都合な真実的トリヴィアを知ることができる。詳細は本書に譲るとして、初めて知ったことも多く興味深く読むことができた。

 本書のあとがきにはこう書かれている。

 「いわゆる「新自由主義批判」の家元で、反グローバリズム運動の理論的支柱と言われるデヴィット・ハーヴェイ(イギリスの地理学者)は、政府が税金免除、補助金、参入障壁としての法規制などで特定の企業を儲けさせ、そこからバックマージンを受け取る構造こそが「新自由主義」だと定義している。この定義に従うなら、天下りや利権とセットになっている日本の岩盤規制こそが「新自由主義」の権化だ。
 ところが、日本で新自由主義を批判している一部勢力は、自由化よりもむしろ規制強化で新自由主義政策がなくなると吹聴している。本書をここまでお読みいただいた諸君なら、これが完全な誤解であり、皮肉にも彼らの主張はむしろ新自由主義を擁護、強化するものであることが分かるだろう。救いようのないバカである。」(原文ママ)

■あなたも私も既得権益者

 昔から言われているように、「規制」というものの背景には必ずと言っていいほど「既得権益」というものが存在するが、本書で述べられているのは、ただの「規制」ではなく「岩盤規制」というもので、その名の通り、岩のように固定された社会主義的な規制を意味している。
 「規制」と「既得権益」が密接な関係にあるなら、「岩盤規制」と密接な関係にあるものとは何だろうか。それは「利権」である。

 「既得権益」という言葉はよく耳にするが、なぜか日本では単純に“既得権益=悪”と思い込んでいる人が大勢いる。
 しかし、よくよく考えてみると、実はほとんど全ての人が既得権益者でもある。どんな職業に就いていようと、既得権益者でない人など、ほとんどいない。
 例えば、最先端技術を有したIT企業に勤めているような人であっても、更に新しい技術が開発されれば、直ぐさま既得権益など吹っ飛んでしまう。どれだけ有能な作家であろうと、芸術家であろうと、さらに能力の有る人物が出てくると、あっという間に立場は失われてしまう。学者であろうと、スポーツ選手であろうと、お笑い芸人であろうと、それは変わらない。

 世の中の誰もが「既得権益者」であり、いつ、その「既得権益」を奪われるかは分からない。そんな不安定な社会であるからこそ、誰も彼もが自らの「既得権益=(日々の生活)」を守ろうとする。それは言わば人間の本能のようなものでもあり、そういった感情を持つことは人間の生存本能として必ずしも否定されるべきものではないと思う。

 しかし、世の中には普通の「既得権益」を守るだけでは飽き足らず、個人の「既得権益」を超えた、もっと巨大な「利権」という温床を作り出す人々が存在している。本書で紹介されている「岩盤規制」を守る既得権益者とは、まさにそういった人々のことを指しているのだろうと思う。


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